マクラーレンF1チームの指揮を執るアンドレアス・ザイドル代表は、今シーズンから新加入したダニエル・リカルドが開幕から4戦を終えマシンに慣れてきたことで、チームの開発が加速しリカルドの持つ経験値を活かせるようになると考えている。
ルノーから移籍したリカルドは今季のマシン「MCL35M」に慣れている最中であり、チームメイトのランド・ノリスにドライバーズ選手権で先行されるなど、シーズン開幕から出遅れている。
■リカルド、スペインGPで一気にマシンをモノに? アップデートで“小さな確変”発生
しかし第4戦F1スペインGPでは、リカルドは“小さな確変”を得たと語り、予選7番手、決勝ではノリスの2つ上を行く6位という結果に結びつけた。
F1スペインGPでは「少しだけ前に進む」ことが出来た為「間違いなく励みになる週末だった」とレース後リカルドは語っている。
フェラーリとのランキング3番手争いという目先の結果だけではなく、長期的なマシン開発にも繋がる為、チーム代表のザイドルは「ダニエルがマシンに慣れてきているのを見られてよかった」と意見を述べた。
マシンに対し自信を持ち始めたことで、リカルドは2022年に導入される新たなレギュレーション変更に向けて、10年というF1での経験を活かしてマクラーレンの開発を後押しすることに注力できるようになる。
「もちろん、ダニエルが完全に馴染んでほしいと我々が思う理由の一つには、彼が持つ多くの経験値が挙げられる。彼は『ドライバーとして速くなる為にマシンには何が必要か』というのを分かっている」とザイドルは語る。
「だからこそ、彼が完全にマシンに自信を持てるようになったレースが非常に楽しみだ。速さだけでなく、彼の経験がランドと一緒にマシンをさらに発展させるのに役立つという点でも、真のメリットを実感できると思う」
「チーム代表としては望んでいるのは、サーキットでもドライバーが互いに刺激しあうことだ。コンストラクターズ選手権で戦い続けるためには、2人のドライバーが常に良いポイントを取れるだけのポジションに居続けることが必要だからね」
ザイドルは、リカルドが全力を発揮できるようになるのは時間の問題だと考えており、厳しいシーズンスタートながらも冷静沈着なリカルドを称賛している。
「ダニエルのチームへの合流という点では、成り行きにとても満足している」とザイドルは説明する。
「ダニエルがどんな性格なのか、どのようなキャラクターなのかは皆知っていると思う。だから、我々との初めてのレースに対しどのように彼が臨んだかは、驚くべきことではなかった」
「またチーム側でも、(リカルドを含め)エンジニアリングやガレージといった合流プロセスに関わった全員が、冷静さを保つために素晴らしい仕事をしてくれたと思う」
「我々はまだ望んでいるポジションにいないし、ダニエルが望んでいる所にもいない。しかし何度も言っている通り、あとはレース回数の問題だと100%確信している。そうすれば、ダニエルがかつて見せてくれていたパフォーマンスを目にすることが出来るだろう」
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