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6度目のル・マン制覇を目指すトヨタの挑戦が始まる。小林可夢偉「今年こそ絶対に」

掲載 更新 15
6度目のル・マン制覇を目指すトヨタの挑戦が始まる。小林可夢偉「今年こそ絶対に」

 2台のトヨタGR010ハイブリッドでWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに参戦しているトヨタ・ガズー・レーシング(TGR)は、6月14~15日にフランス、ル・マンで開催される『第93回ル・マン24時間レース』で6度目の総合優勝を目指す。

 トヨタが初めて公式にル・マン24時間レースに挑戦したのは1985年。つまり、今季2025年は40周年の節目となる。

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 これを記念し、7号車のドライバーとチーム代表を兼務する小林可夢偉が率いるチームは、記憶に残る伝統と現在の戦う精神を象徴した特別なマシンカラーリングを用意した。

 そのうちのひとつはトヨタGT-Oneの名で知られるTS020をモチーフとした赤と白のリバリーだ。可夢偉とマイク・コンウェイ、ニック・デ・フリースによってシェアされる7号車に施されるこのカラーリングは、耐久レースの長い歴史とファンの皆様の熱気を結びつけ、モータースポーツへの情熱をさらに高めることを目的としたものだという。

 一方、セバスチャン・ブエミとブレンドン・ハートレー、そして平川亮がドライブする8号車は、トヨタ/TGRの“現在”を表現したマットブラックのカラーリングで伝統の一戦に臨む。

 シーズンの序盤3戦を終えた現在、いずれのレースでも表彰台に立っていないものの、確実にポイントを積み重ねてマニュファクチャラーズランキングで2位につけているTGR。チームは5月7日に、ドイツ・ケルンの本拠地で行われた社内イベントにてル・マンへのカウントダウンをスタートさせ、今週末6月8日のテストデーから“本番”の舞台での走行を開始する。

 その後、11日からプラクティスや予選が行われるレースウイークの中では、トヨタ参戦40周年を祝うファンエリアがサーキット内のマニュファクチャラーズビレッジに設置されるほか、水素ビレッジでは水素技術を活用したレースプロジェクトの進展を紹介する展示が行われる。また、TGRは特設サイト(https://toyotagazooracing.com/jp/wec/special/2025/24h-lemans/)を通じ、ル・マンの歴史と挑戦を詳しく体験できる機会を提供する。ここでは2台のトヨタGR010ハイブリッドのライブオンボードカメラ映像も視聴可能だ。

 トヨタが公式チームとして挑む27回目のル・マンは、前述のとおり11日水曜に走行開始となる。初日は2度のプラクティスと予選が行われる予定だ。

 12日木曜は、前日の予選で上位15位に入ったクルマが最終予選進出をかけて戦うハイパーポール1と、トップ10グリッドが決まるハイパーポール2などが実施される。13日金曜はサーキットでの走行はなく、選手たちはドライバーズパレードに参加。そして、24時間の決勝レースは14日土曜16時(日本時間23時)にスタートが切られる。


■ル・マン24時間レースに向けたTGRドライバーのコメント


●小林可夢偉(チーム代表兼7号車ドライバー)

「トヨタが初めてル・マンに挑戦してから40周年という記念すべき年に、象徴的なTS020をイメージしたカラーリングで臨みます。見た瞬間、『本当にクールでカッコイイ!』と思いました。私はこのデザインが大好きで、皆さんも一緒に楽しんでいただけることを願っています」

「我々がル・マン24時間を戦うのは、勝利を目指す挑戦だけでなく、技術開発の側面もあり、この40周年というのは重要だと思っています。トヨタのル・マン初挑戦は、市販車両の内燃機関エンジンを使用して始まり、その後レース専用エンジンへと進化しました。現在ではハイブリッドシステムを使用しており、将来的には水素が使われることになるでしょう。我々は技術開発のためにここにいます。今年こそ絶対に勝利を目指します」


●マイク・コンウェイ(7号車ドライバー)

「僕は昨年、負傷のためにレースを欠場したので、ル・マンに戻るのが待ちきれない。あれから時間はあっという間に過ぎ、ル・マンのレースウィークが来るのが本当に楽しみだ」

「ル・マンはつねにシーズン最大の目標であり、このレースに向けて開発を集中的に進めてきたので、チームにとっても特別な1週間になる。僕自身も興奮しているが、チーム全体も興奮していて、トヨタのル・マン初挑戦から40周年ということもあり、特別なレースになると思っている」


●ニック・デ・フリース(7号車ドライバー)

「ル・マンについて考えると、その歴史やこのレースの格式の高さ、重要性がよく分かる。ル・マンで優勝したドライバーは、何十年にもわたる歴史の一部として記憶されるんだ。多くの偉大な名前が並ぶなかで、その一員になることは僕の夢だ」

「ル・マンは非常に困難なレースで、勝つのは本当に難しい。だからこそ、このレースは特別なんだ。昨年2位でフィニッシュしたことは素晴らしい結果だったが、長いレースの後は多くの思いが交錯し、ほろ苦い気持ちでもあった。今年こそはそれを挽回したいと思っている」


●セバスチャン・ブエミ(8号車ドライバー)

「ル・マンは、我々にとってシーズンでもっとも重要なレースであり、参戦できることはいつでも喜びだ。このレースでは、緊張感や興奮、そして良い結果を目指す決意など、さまざまな特別な感情が交錯する」

「土曜日にレースがスタートすると、非常に過酷な24時間が待っているが、チームは我々に最高のチャンスを与えてくれるために、数カ月間本当に頑張ってくれた。希望を胸に、また表彰台の最上段を目指すよ」


●ブレンドン・ハートレー(8号車ドライバー)

「僕たちは全員、ル・マンに向けて燃えている。今年はトヨタ参戦40周年という特別な年であり、準備は整っている。昨年のル・マンが終わった翌日から、このレースへ向けてずっと取り組んできたので、勝利を目指して戦いたいと思う」

「大きな課題が待ち受けていることは誰もが理解しており、上位で戦うためには、それぞれのステップを完璧にこなす必要がある。しかし、チームがこれまでに積み重ねてきた努力をよく知っているし、今季これまでの3戦で、我々が持っている力から最大限のパフォーマンスを引き出せることを示してきた。準備は万端だ」


●平川亮(8号車ドライバー)

「ル・マンがついにやってきました。今年は我々にとって特別な年です。ル・マンはいつでも素晴らしい体験で、多くのファンの皆さまの前でこの素晴らしいサーキットを走るのはつねに喜びですが、今年はトヨタ参戦40周年という特別な年なので、さらに楽しみが増します」

「昨年は激戦の中で勝利を逃しましたが、今年はふたたび勝利を目指して戦う準備が整っています。厳しい戦いになるでしょうし、簡単ではないと思いますが、我々は準備万端です。多くの準備を重ねてきたので、レースウィークを心待ちにしています。優勝を目指して頑張ります」

[オートスポーツweb 2025年06月06日]

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みんなのコメント

15件
  • kta********
    何度負けても軽くならないトヨタ。
    今年一度も勝ってないのに相変わらず最重量。
    ル・マン位は、フェラーリと同じ重量で争わせてほしい。
  • ari********
    まともなBoPなら良いんだが
    フェラーリに甘いからね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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