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【ゴルフ50周年特別企画マンスリーレポート】ゴルフヴァリアント eTSIアクティブ編「進化した『スマートな本質』」

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【ゴルフ50周年特別企画マンスリーレポート】ゴルフヴァリアント eTSIアクティブ編「進化した『スマートな本質』」

2025年、日本導入50周年を迎えたフォルクスワーゲン ゴルフ。Motor Magazine誌では、この記念すべき節目の年にゴルフ各モデルの実力を多角的に検証するマンスリーレポート企画をスタート。その第2弾は、前回のホットなR ヴァリアントから一転、マイルドな「ゴルフ ヴァリアント eTSIアクティブ」にバトンタッチ。(Motor Magazine 2025年7月号を再構成 撮影:平野 陽)

エントリーモデル「eTSIアクティブ」でロングドライブ
第1回のホットなゴルフ R ヴァリアントに続き、今回はエントリーグレードの「ゴルフ ヴァリアント eTSI アクティブ」をテスト。ゴルフ8.5世代となったこのモデルは、シリーズの進化をもっともわかりやすく体感できる1台でもある。

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従来のアクティブは1L 直3ターボエンジンのマイルドハイブリッド仕様を搭載していたが、「8.5世代」では1Lエンジンが廃止され、1.5L直4ターボエンジンのマイルドハイブリッド仕様が搭載された。最高出力は116ps、最大トルクは220Nmと、スペック的には大人しい仕様だが、これでも従来の1Lに比べて最大トルクは20Nmも向上しているので不足はないはず。

走行状況に応じて2気筒を休止するACT(アクティブ・シリンダー・マネジメント)機構も搭載するので、WLTCモード燃費は18.4km/Lと、経済性と実用性のバランスがとれたユニットといえる。

今回の試乗期間は大型連休を挟んだため、これを機に長距離移動にも活用。長距離が得意と謳うTDIに比べてどれほどの実力なのか、以前から気になっていた。

だが、このeTSIアクティブは高速道路を使っての長距離移動が実に快適だった。もともと欧州車の得意とする領域だが、昨今120km/h区間も増えた高速道路では、1.5L化によって生まれた少しばかりの余裕が高速走行で効く。120km/h辺りの巡航は大得意。気筒休止やコースティングも活用しながら実になめらかに、そして快適に移動ができたのだ。

ロングドライブでは「トラベルアシスト」を活用、低燃費も実現
最新版の同一車線内全車速運転支援システム「トラベルアシスト」も活用しつつ、夜間時にはIQライトの明るさに助けられながら、半日で700km弱走行してしまった。驚いたのは、メーターに表示される走行可能距離が340kmを示していたこと。燃費計の数値を見ると、20km/Lを超えていた。

こうした長距離移動の度に大切にしているのは、シートが自分の体型に対して合うかどうか、そしてドライビングポジションの自然さ、しっかりとした直進安定性とロードホールディング性能も欠かせない。やや重めのステアリングホイール、柔らかすぎない足まわりといったゴルフ ヴァリアントの基本設計も、自分にとってはまさに理想のパッケージだった。

そんな中での個人的お気に入りは装着されていた205/55R16のタイヤ。この比較的ハイトのあるタイヤと足まわりとのバランスが絶妙。高速域でのコーナーリングには少し物足りなさもあるが、日常使いにはむしろ好ましい。リアの足まわりはトレーリングアーム式で、ゴルフの伝統的な味わいを継承している点も見逃せない。

段差などの衝撃をタイヤも使って巧みにいなすこの「古き良き」乗り味は、eTSIの「アクティブ」もしくは「アクティブベーシック」でしか味わえない。同じアクティブでもTDIや他のグレードは4リンクでタイヤサイズも異なる。この差は次回以降、他グレードでも試してみたい。

eTSIとTDIどちらを選ぶか悩ましい選択
こと実用性に関しては申し分ない。ハッチバック比でホイールベース50mm、全長では345mmも拡大されている。後席の広さはもちろんだが、荷室も5名乗車時で611Lの容量を誇る。家族4人で移動した際に荷物を満載しても持て余すほど。後席も60:40でアレンジが可能なので、さまざまな用途に対応できるのもゴルフ ヴァリアントならではの魅力だ。

今回は長距離移動が多かったが、日々都心での渋滞などをこなしながらのトータル燃費は18.2km/L。112ページのTDI燃費チャレンジ企画もぜひ読んでほしいが、TDIほどではないにしてもeTSIのこの実燃費は優秀と言えるのではないだろうか。

実際のところ、燃料代は軽油の方が安いので、経済性はTDIの方が上なのだが、装備差が少ない「アクティブベーシック」同士で比べても、eTSIが363万9000円なのに対して、TDIは410万円と、その価格差は約50万円。車両価格を考えると、どちらを選ぶか悩ましい。

今回レポートした「eTSIアクティブ」の車両価格は393万9000円。オプションのテクノロジーパッケージ(24万2000円※1)とディスカバーパッケージ(17万6000円※2)が装着されて、総額は435万7000円となる。もちろんそれで装備に不足もなく、燃費・快適性・実用性のバランスを考えると、コストパフォーマンスは非常に高い。

エントリーモデルでもこの実力。第2回にして、やはりゴルフは世界のベンチマークなのだとあらためて実感した。

※1 LEDマトリックスヘッドライト/スタティックコーナリングライト/ダイナミックコーナリングライト/ダイナミックライトアシスト/オールウェザーライト/ヘッドアップディスプレイ/パワーテールゲート/イルミネーション付きエンブレム/LEDテールランプ 
※2 フォルクスワーゲン純正インフォテインメントシステム〝Discover〟(SSDナビゲーションシステム、通信モジュール内蔵、MP3/WMA再生ほか)

【ゴルフ日本導入50周年記念】ゴルフ ヴァリアントeTSI アクティブ マンスリーレポート
試乗期間:2025年4月15日~5月12日
走行距離:2869km
平均燃費:18.1km/L

[ アルバム : ゴルフ ヴァリアントeTSI アクティブ はオリジナルサイトでご覧ください ]

文:Webモーターマガジン 中村圭吾(Motor Magazine編集部)
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