現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > FF最高水準のバランス ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(2) あらゆるシーンで楽しめる運転

ここから本文です

FF最高水準のバランス ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(2) あらゆるシーンで楽しめる運転

掲載
FF最高水準のバランス ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(2) あらゆるシーンで楽しめる運転

スムーズでトルクフル エネルギッシュな発進加速

エンジンで走るホット・ミニの最後を飾る可能性が高い、新しいジョン・クーパー・ワークス(JCW)。少なくとも先細りな感じはなく、エネルギッシュな印象がうれしい。B48型2.0L 4気筒ガソリンターボは、231psを叶えている。

【画像】ラスト「ガソリン」ホット・ミニ? ジョン・クーパー・ワークス サイズの近い熱々ハッチバック 全107枚

四輪駆動のトヨタGRヤリスには届かないが、フォルクスワーゲン・ポロ GTIを発進加速で簡単に引き離せる。ローンチコントロールをオンにし、アクセルペダルを踏み込むだけ。ホイールスピンの直後、7速デュアルクラッチATが迅速にシフトアップしていく。

ギア比はショートで、2速では1000rpm当たり12.7km/h。3速でも20.4km/hでしかない。一般道では効果的にエンジンを回せ、スピード感を引き立てている。これでマニュアルも選べれば、というのは高望みだろうか。普段使いでも、7速ATは滑らかだが。

B48型エンジンは、スムーズでトルクフル。排気音も聴き応えはあるものの、現代の騒音規制へ対応するべく、スピーカーから合成音が重ねられる。誇張されすぎずリアルな響きで、楽しい運転体験を巧みに補完しているように思えた。

高速域の衝撃吸収性は悪くない 鋭い操縦性

JCWに、ハイブリッドは実装されない。回生ブレーキが介入しないため、ブレーキペダルの踏み応えは自然で線形的。ただし、制動距離が目立って短いわけではなく、フルブレーキを6回試したところでフェード傾向が出ていた。

専用設定のサスペンションは基本的に硬めながら、高い速域での衝撃吸収性は悪くない。高速道路ではある程度落ち着き、長距離は通常のクーパー Sより安楽かもしれない。試乗車の18インチではなく17インチ・ホイールなら、その傾向は増すはず。

それでも、凹凸の目立つグレートブリテン島の一般道では、ボディの揺れが激しい。安定性にも影響するほど。この土地へ最適化されたホットハッチではないと実感するものの、極めてクイックな操縦性で報われる。

ロックトゥロック2.4回転のステアリングは、直感的。切り始めは弾性のある手応えが伝わり、負荷が増すとグリップ力を感じる重みへ転じる。試乗車が履くタイヤ、コンチネンタル・スポーツコンタクト7の能力は間違いなく、フロントの反応の鈍さも伴わない。

前輪駆動モデルとして最高水準のバランス

デフは通常のオープンユニットで、38.6kg-mもの最大トルクでありながら、トルクステアは気にならないレベル。トラクションも間違いない。アクセルペダルの加減で、コーナリングラインを調整していくことも可能だ。

トラクションとスタビリティ・コントロールの介入は、素早く自然。スポーツプラス・モードでは特に。オンのままなら、挙動が手に負えなくなることは殆どないはず。躍動的で機敏で、自信を薄めない。前輪駆動モデルとして、最高水準のバランスにある。

これらの電子制御をオフにすると、アクセルペダルを一気に緩めてノーズを内側へ切り込める、リフトオフ・オーバーステアも披露する。フロントタイヤの過負荷を抑えるため、パワーは僅かに絞られるようだが。

運転支援システムは、アダプティブ・クルーズコントロールの動作が滑らか。先行車との車間距離の調整は、タッチモニターをタップする必要がある。車線維持支援のオン/オフも同様。制限速度警告機能は、ステアリングホイール上のボタンでオフにできる。

あらゆるシーンで運転を楽しめるミニ

ジョン・クーパー・ワークスの価格は、英国では3万3265ポンド(約649万円)から。マトリックスLEDヘッドライトにシートヒーター、ヘッドアップ・ディスプレイ、ワイヤレス充電パッドなど、通常はレベル1に相当する装備が標準で備わる。

ミニに3万ポンド(約585万円)は、お高く感じるかもしれない。しかし、ミニらしいデザインをまとい、動力性能と操縦性のバランスは素晴らしい。ワインディングだけでなく、サーキットでも普段のお買い物にも、あらゆるシーンで運転を楽しめる。

乗り心地は硬く、MTは選べず、タッチモニターは少し操作しにくいとしても、正真正銘、期待通りのホットハッチに仕上がっている。小粒で有能なドライバーズカーをお考えなら、検討候補の上位へ加えてみてはいかがだろう。

◯:まさにホットハッチな操縦性 パワフルな動力性能 魅力的で個性的なインテリア
△:乗り心地はしっかり硬い タッチモニターのインターフェイスは改善できる

ミニ・ジョン・クーパー・ワークス(英国仕様)のスペック

英国価格:3万3265ポンド(約649万円)
全長:3879mm
全幅:1744mm
全高:1431mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:6.1秒
燃費:14.7km/L
CO2排出量:154g/km
車両重量:1330kg
パワートレイン:直列4気筒1998cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:231ps/5000-6000rpm
最大トルク:38.6kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

押し出される感覚が気持イイ 小変更 BMW 2シリーズ・クーペ(2) 可能な内に楽しみたい走りの1台
押し出される感覚が気持イイ 小変更 BMW 2シリーズ・クーペ(2) 可能な内に楽しみたい走りの1台
AUTOCAR JAPAN
フェラーリ12チリンドリ x アストン マーティン・ヴァンキッシュ(1) 過去イチに競合関係のV12 GT
フェラーリ12チリンドリ x アストン マーティン・ヴァンキッシュ(1) 過去イチに競合関係のV12 GT
AUTOCAR JAPAN
ハイドロ彷彿の快適さ 誕生 DS No8(2) シングルの好バランスな走り 孤高の電動エグゼクティブ
ハイドロ彷彿の快適さ 誕生 DS No8(2) シングルの好バランスな走り 孤高の電動エグゼクティブ
AUTOCAR JAPAN
【アルフィスタ必読】思い出したのはアルファスッド!アルファ・ロメオ・ジュニアはその気にさせるディテール満載
【アルフィスタ必読】思い出したのはアルファスッド!アルファ・ロメオ・ジュニアはその気にさせるディテール満載
AUTOCAR JAPAN
これぞブランド本来のカタチ? 誕生 DS No8(1) 上級サルーン「9」置換のハードを深掘り
これぞブランド本来のカタチ? 誕生 DS No8(1) 上級サルーン「9」置換のハードを深掘り
AUTOCAR JAPAN
【控えめだがホンモノ】究極のフォルクスワーゲン・ゴルフ!今まで見えてこなかった『R』の真価を知る
【控えめだがホンモノ】究極のフォルクスワーゲン・ゴルフ!今まで見えてこなかった『R』の真価を知る
AUTOCAR JAPAN
新車216万円! 「6速MT×660CCターボ」採用! 「楽しくてサイコー」の声も!? S2000&S660受け継ぐ「N-ONE RS」に注目! 反転ターボもイイ!
新車216万円! 「6速MT×660CCターボ」採用! 「楽しくてサイコー」の声も!? S2000&S660受け継ぐ「N-ONE RS」に注目! 反転ターボもイイ!
くるまのニュース
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2025 注目の最新発表まとめ(前編)
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2025 注目の最新発表まとめ(前編)
AUTOCAR JAPAN
名門初のプラグインHV 4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピード(1) 歴代最強ハードを深掘り
名門初のプラグインHV 4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピード(1) 歴代最強ハードを深掘り
AUTOCAR JAPAN
金字塔の体験を意味する フェラーリ12チリンドリ x アストン マーティン・ヴァンキッシュ(2)
金字塔の体験を意味する フェラーリ12チリンドリ x アストン マーティン・ヴァンキッシュ(2)
AUTOCAR JAPAN
最近のホンダってどうですか?(シビック&アコード・ハンズオフ編)【新米編集長コラム#37】
最近のホンダってどうですか?(シビック&アコード・ハンズオフ編)【新米編集長コラム#37】
AUTOCAR JAPAN
木製フレームに身体へ響く乗り心地 デイムラーSP250 & モーガン・プラス8(2) 英国製V8の世界
木製フレームに身体へ響く乗り心地 デイムラーSP250 & モーガン・プラス8(2) 英国製V8の世界
AUTOCAR JAPAN
W12凌駕の高性能 4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピード(2) UK編集部が気付く変化とは?
W12凌駕の高性能 4代目 ベントレー・コンチネンタルGT スピード(2) UK編集部が気付く変化とは?
AUTOCAR JAPAN
【スズキ登録車初の電気自動車】コンパクトSUV『eビターラ』登場!後発が出した答えはインド生産、そして?
【スズキ登録車初の電気自動車】コンパクトSUV『eビターラ』登場!後発が出した答えはインド生産、そして?
AUTOCAR JAPAN
いま1番トラッドなBMW 小変更 2シリーズ・クーペ(1) 肝な戦略的デザインとパッケージング
いま1番トラッドなBMW 小変更 2シリーズ・クーペ(1) 肝な戦略的デザインとパッケージング
AUTOCAR JAPAN
究極の高級ミニ:デヴィル 小さく非力なキャデラック:シマロン 知ってたら博士級? 小さな高級車(3)
究極の高級ミニ:デヴィル 小さく非力なキャデラック:シマロン 知ってたら博士級? 小さな高級車(3)
AUTOCAR JAPAN
2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高の小型車 10選 スタイリッシュで気楽な都市生活の相棒
2025年版 自動車専門誌が選ぶ、最高の小型車 10選 スタイリッシュで気楽な都市生活の相棒
AUTOCAR JAPAN
【エスクードではなくeビターラ】BEVと内燃機関の良いとこ取り!スズキ登録車初の電気自動車は『良く出来たクルマ』
【エスクードではなくeビターラ】BEVと内燃機関の良いとこ取り!スズキ登録車初の電気自動車は『良く出来たクルマ』
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178 . 9万円 209 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55 . 0万円 495 . 0万円

中古車を検索
ローバー ミニの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178 . 9万円 209 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55 . 0万円 495 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村