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ノリスが今季3勝目、手に汗握る大接戦を制す。フェルスタッペン、失意の1周リタイア【決勝レポート/F1第11戦】

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ノリスが今季3勝目、手に汗握る大接戦を制す。フェルスタッペン、失意の1周リタイア【決勝レポート/F1第11戦】

 6月29日、2025年F1第11戦オーストリアGPの決勝レースが行われ、ランド・ノリス(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインで自身通算7勝目/今季3勝目を飾った。

 2位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は16位となった。

【順位結果】2025年F1第11戦オーストリアGP 決勝

 飲料メーカーであるレッドブルの母国であり、その名を冠したレッドブルリンクを舞台に迎えた第11戦。スタートタイヤは上位グリッド勢を中心に15台がミディアムタイヤ(イエロー/C4)をチョイス。10番グリッドのピエール・ガスリー(アルピーヌ)を筆頭に後続の5台がソフトタイヤ(レッド/C5)を履いた。

 フォーメーションラップが始まるなか、19番グリッドのカルロス・サインツ(ウイリアムズ)は動き出すことが叶わず。1周のエクストラフォーメーションラップが追加されることに。

 なお、サインツはオフィシャルの手でマシン始動が叶い、自走でピットレーンに戻った。ただ、ピットレーンスタートに望むべく、ピットレーン出口手前にマシンを止めたところ、リヤブレーキから火と煙が上がった。

 消火ののち、サインツのマシンはそのままガレージに収まることに。サインツは困惑した表情でマシンを降り、ウイリアムズのチーム代表のジェームズ・ボウルズは落胆からか目を覆う仕草を見せた。

 エクストラフォーメーションラップ追加に伴い決勝レースは1周減の70周に変わった。気温30度、路面温度51度、湿度33パーセントというコンディションでレースはスタート。ポールシッターのノリスが首位を守るなか、ターン1でピアストリが2番手に浮上し、早々にマクラーレンがワンツー体制を構築。3番手ルクレール、4番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)、5番手ルイス・ハミルトン(フェラーリ)というオーダーでターン3を迎えた。

 そのターン3では9番手スタートのアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)がブレーキをロックさせ、先行するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と接触。これでアントネッリ、そしてレッドブルの地元戦で早々にフェルスタッペンがレースを終えるという展開となった。

 このアクシデントでセーフティカー(SC)導入となり、4周目にリスタート。マクラーレン勢の速さは他を圧倒しており、6周目には3番手につけるルクレールをDRS圏外まで引き離す。

 マクラーレン2台はお互いにファステストを更新するかなりのハイペースで飛ばし、後続を一気に引き離した。2台は1秒差以内で周回し、DRSを使える2番手ピアストリは時折ノリスに対し揺さぶりをかける。11周目には一時的にピアストリが先行するが、すぐさまノリスが首位を取り戻す。マクラーレンの手に汗握る戦いは続いた。

 20周目のターン4でピアストリがノリスに仕掛けるが、ピアストリはタイヤをロックさせてしまう。間一髪で接触は避けることが叶ったが、ピアストリはフラットスポットを作ってしまう。その翌周の21周目にノリスが停止時間3.1秒でハードタイヤに履き替えた。 フラットスポットを作ったピアストリはクリーンエアの中で周回を続けるが、思うようなペースアップができない。ピアストリは25周目(ノリスから4周後)に停車時間3.4秒でハードタイヤに履き替えると、ノリスの6秒後方でコースに復帰した。

 31周目のターン4で、13番手争いを展開していたフランコ・コラピント(アルピーヌ)のリヤと角田のフロントウイングが接触。コラピントはスピンを喫しグラベルに出るも、幸いコース復帰が叶った。一方、フロントウイングにダメージを負った角田は緊急ピットインを強いられ最後尾16番手に後退する。

 この接触に関し、角田に10秒のタイムペナルティが下ることに。レッドブルの母国で、レッドブル・レーシングは歯車の噛み合わないレースとなってしまった。

 レース後半を迎えた35周目、ノリスは2番手ピアストリを5.4秒リード、さらにピアストリは3番手ルクレールに13秒(ノリスからルクレールは19秒)という大差をつけており、優勝争いはマクラーレンのいずれかに絞られた。

 ただ、ハードタイヤを履いた第2スティントにおいて、マクラーレン勢はほぼ同じペースで周回。ピアストリはノリスとのギャップをなかなか縮められなかったが、40周目ごろからラップダウンの車両が現れたこともあり、48周目時点で4.1秒差まで縮まった。

 52周目、3.8秒のリードを守るノリスが2度目のピットイン。停車時間2.5秒でミディアムタイヤに履き替えた。翌53周目にピアストリが停車時間2.0秒でミディアムに履き替えた。ピアストリは54周目に周回遅れのコラピントにコース外に押し出されるシーンもあったが、タイムロスはわずかに留めた。

 3スティント目にミディアムタイヤを履いたことで、マクラーレン勢は再び猛烈なプッシュを見せる。55周目にピアストリがファステストを更新すると、56周目にはノリスがそれを上回る。さらに同じ56周目にそのタイムをピアストリが上回るという、まるで予選のようなアタック合戦が繰り広げられた。

 拮抗したふたりの戦いは、わずかにピアストリに軍配があり、59周目にその差は2.7秒まで縮まる。ピアストリは59周目には分7秒924という驚異のタイムでノリスとのギャップを終盤に向けて一気に縮め、61周目にはその差が1.9秒まで縮まった。

 ただ、ノリスもプッシュし続け、66周時点で1.8秒差を守る。そんななか、2台のマクラーレンの前には6番手争いを展開する周回遅れ、リアム・ローソン(レーシングブルズ)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)の隊列が眼前に現れた。

 ファイナルラップの70周目を迎えるなか、ノリスが周回遅れのボルトレート、アロンソをかわし、ピアストリとの間に2台を入れることが叶った。そのままトップチェッカーを受け、ノリスがポール・トゥ・ウインで自身通算7勝目/今季3勝目を飾った。2.695秒差の2位にピアストリ、19.820秒差の3位にルクレールが続いた。

 以下、4位ハミルトン、5位ラッセル、6位ローソン(1ストップ)、7位アロンソ(1ストップ)、8位ボルトレート、9位ニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、10位エステバン・オコン(ハース)までが入賞となった。角田は16位となった。

 キック・ザウバーは今季初のダブル入賞。レッドブル・レーシングは母国ラウンドで無得点に終わった一方で、元レッドブルのローソンが6位を手にする結果となった。

 次戦となる2025年F1第12戦イギリスGPは7月4~6日に、シルバーストン・サーキットで開催される。

[オートスポーツweb 2025年06月29日]

文:AUTOSPORT web
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