アルゼンチン最高峰のFFツーリングカー選手権として、今季より“SUVベース”に生まれ変わったTC2000は、2025年のシーズン第2戦が5月23~25日に首都ブエノスアイレスにて争われ、走り出しこそ新生ホンダYPFレーシングとして参戦する『ホンダZR-V』が先行したものの、予選からは盟主トヨタ・ガズー・レーシングYPFインフィニアの『カローラクロス』が席巻。シリーズ5冠の“大エース”ことマティアス・ロッシが開幕から2戦連続のポールポジションを獲得すると、決勝では19歳の僚友エミリアーノ・スタン(トヨタ・カローラクロス)が、こちらも開幕に続く連勝を飾っている。
開幕前公式テストも開催されたアウトドローモ・オスカー・ファン・ガルベスで始まったシーズン第2戦は、そのレースウイークを前に現地金曜にもホンダ陣営が緊急の開発テストを主催。車両製作が遅れ、相対的にライバル陣営よりオフ期間のマイレージが稼げなかったZR-Vの習熟とセットアップ作業を進めた。
ホンダ陣営の新エース、リオネル・ペーニャが完勝で早くも今季3勝目/TCR南米第3戦
「金曜の13時から17時まで許可が下りたので、このカテゴリーのテストをリクエストした。ここでの4時間のテストを最大限に活用するつもりだ」と語ったのは、そのホンダYPFレーシングを率いるセバスチャン・マルティノ代表。
「作業は山積みだ。ティアゴとレオネルの(ペーニャ親子)両車に大幅な改良を施した。(開幕戦)オベラでのパフォーマンスに満足できなかったので別の方法を選び、懸命に作業した。ショックアブソーバーの取り付けや、スタビライザーの種類を変更している」と続けたマルティノ代表。
そのセッションを父とともに進めたティアゴも、この新型TC2000モデルが規定により大きな変化を遂げていることを認めた。
「正直に言って、テストは最重要の必須項目だ。誰もがやらなければいけないことだと認識していた」と語った息子のティアゴ。
「開幕戦ではマシンのフィーリングがあまり良くなく、今週末のブエノスアイレスで良い成績を残せるよう、ハンドリングの大幅な改善を目指した。かなりパワーがあるから、もっとクルマに近づく必要がある。この新型TC2000はドライブが難しく、現状は大きくて扱いにくさを感じているんだ」
この予備テストが功を奏したか。迎えたFP1ではチャンピオンの父リオネルが最速発進を決めると、続くFP2ではティアゴがトップタイムをマーク。早速、改良の効果を発揮してみせる。
しかし予選に入るとその構図は一転。ブエノスアイレスのナンバー8レイアウトで輝いたのはトヨタ製のSUVで、シボレー陣営のYPFエライオン・オーロ・プロ・レーシングのフランコ・ヴィヴィアン(シボレー・トラッカー)やティアゴを撃破したロッシが、1分17秒936の予選新レコードを樹立しての最前列グリッドを射止めた。
「まず、素晴らしい仕事をしてくれたチーム全員に感謝したい。マシンは順調に機能しており、それをここで証明したかった」と笑顔で語ったロッシ。
「TC2000の現在の予選ポイントシステムは重要なんだ。おかげで多くのポイントを獲得でき、明日に向けてワクワクするマシンを手に入れることができたよ」
「ただし明日は予選上位6台が入れ替わる規則だから、6番手から上位を目指す。それにレコード更新は速いペースで走っている新型TC2000にとって素晴らしい栄誉だ。新記録を樹立できたことは、チーム全体の功績だね」
迎えた決勝では、セダン型旧規定のシボレーYPFクルーズで気を吐くフランコ・モリーロが、予選5番手だったリオネルのZR-Vをリードして始まると、息子ティアゴは早々のマシントラブルに見舞われ、ここで勝負権を失ってしまう。
その後、接触アクシデントによりセーフティカー(SC)が導入され、リスタートでは予選2位で5番手発進だったスタンが狙い澄ましたアタックを敢行し、リオネルのZR-Vとヴィヴィアンのトラッカーをオーバーテイク。ロッシも宿敵リオネルを抑え込んで3番手に浮上しチェッカー。これで19歳のスタンが開幕連勝を決めてみせた。
「何よりも素晴らしいマシンを提供してくれたトヨタ・ガズー・レーシングYPFインフィニアのおかげだ。ふたつの重要なパッシングを決められたことが勝機になり、その後はペースをコントロールすることができたよ」と勝者スタン。
「レースを通して全開で走ったが、自信を持って自分のタイムを維持できた。セダンのモリーロをパスできたことが鍵で、彼をヴィヴィアンとの間に挟むことで、少しマージンを稼ぐことが出来たね」
これでSUV新時代でもトヨタ陣営がシリーズ通算73勝目を記録したTC2000の新シーズン。続く第3戦は6月7~8日に同国サンタフェ州アウトドローモ・ロサリオで争われる。
[オートスポーツweb 2025年05月30日]
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