F1にタイヤを供給しているピレリは、タイヤウォーマー廃止に向けてまずはフルウエットタイヤについて、タイヤウォーマーのいらない新しいタイヤを導入した。次のステップはインターミディエイトタイヤだが、チームは今季中に新インターミディエイトタイヤ導入の機会を拒否したようだ。
ピレリは5月のエミリア・ロマーニャGPから新しいフルウエットタイヤを導入。このタイヤはウォーマーがなくても使用できるような性能となっている。
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エミリア・ロマーニャGPが豪雨被害で開催中止となった後、新タイヤはモナコGPの決勝レースで初めて使用された。この時は使用したのは3人のみだったが、カナダGPのFP3では全ドライバーがこのウエットタイヤで走行した。
2024年のタイヤウォーマー廃止に向け、次なるステップはインターミディエイトタイヤのウォーマーレス化だ。
ピレリは急ピッチで開発を進めており、生産や輸送のスケジュールを考慮した結果、今季のシンガポールGPから新インターミディエイトタイヤが導入される可能性があった。
そのためには少なくとも8チームがこの決定を支持する必要があったのだが、テストで有望なフィードバックが得られたにも関わらず、モナコGPの週末に行なわれた投票では過半数のチームが変更を見送った。
「通常、我々はいくつか雨のレースに見舞われる。たとえば鈴鹿のようにね」
そうイゾラはmotorsport.comに語った。
「シーズン終了前にテストする良い機会だった。(インターミディエイトタイヤの)問題は、プロトタイプのタイヤを追加供給してテストするのは難しいということだ」
「私はFIAと話し合い、シンガポールからの新インターミディエイト導入を提案した。しかし返ってきたのは”ノー”だった」
「チームは同意しなかった。残念なことに、2チーム以上が反対したんだ」
イゾラはフルウエットタイヤの変更を受け入れる一方で、なぜ新しいインターミディエイトを拒否するのか、その理由はわからないと主張した。
「それに関してはいい質問だ。だが正直なところ答えはわからないんだ」
イゾラはインターミディエイトタイヤのテストに参加したのは一部のチームだけで、他のチームはレースウイークでの使用を決める前にニュータイヤをテストしたかったのかもしれないと認めた。
一方で、すべてのチームにテストの機会を与えることは現実的ではないという。
「インターミディエイトやウエットをテストするのが難しいのは明らかだ」
「全チームを集めてのフルテストは、これまでにもできていない。それはシンプルにオーガナイズできないからだ」
直近では、5月にポールリカールでアルピーヌが新インターミディエイトタイヤをテスト。エステバン・オコンは良い評価を下していたという。
「エステバンは新しいインターミディエイトが刻んだステップにとても満足していた。タイヤウォーマーなしでもうまく機能していたし、ウォームアップも良かった。これらのセッションのすべてにおいて、それらはポジティブに判断されている」
アルピーヌのスポーティングディレクターであるアラン・パルメインは、新タイヤが良いパフォーマンスを発揮したことを認めた。
「ウォーマーなしでインターミディエイトをテストし、従来のタイヤと比較したが、本当によかった。ピレリは素晴らしい仕事をしてくれた」
一方でウイリアムズのジェームス・ボウルズ代表は、フルウエットタイヤに関してはテストでのデータに基づいてウォーマーレス化を受け入れる準備はできていたものの、インターミディエイトタイヤに関しては慎重にならざるを得なかったという。
「ウエットに関しては、十分に様々なコンディションで走行し、適切に機能しているという本当に良い証拠があった」
そうボウルズはmotorsport.comに語った。
「投票の時点でテストに参加したチーム以外はウエットタイヤを試せていなかった。実際に使ったのはモナコが初めてだった。(タイヤへの入力が)低エネルギーなトラックで、ある意味完璧ではなかった」
「各チームが慎重に投票した理由は、既存のタイヤ(新しいウエットタイヤ)をコース上で使って結果を出し、テストで見られていないような悪い面がないことを確認したかったんだ」
「そしてそれは、ここ(カナダGP)で得られたんだ」
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