2ドアモデルは完全に縮小の傾向
現在の自動車マーケットにおける中心的な存在は、SUVやクロスオーバー、あるいはミニバンといったカテゴリーのモデルたちだ。その実用性や機能性が高く評価されているのだろう。
【画像】魅惑の2ドアオープンモデル!メルセデスAMG『CLE53 4MATIC+カブリオレ』 全7枚
セダンやワゴンは、それでもなお確かな需要はあるようだが、かつてそのスポーティでラグジュアリーなスタイルに憧れた2ドアモデルは、スポーツカーブランドを除けば完全に縮小の傾向にある。
今回試乗したのは、メルセデスAMGの『CLE53 4MATIC+カブリオレ』(以下CLE53カブリオレ)だが、メルセデスAMGでほかにラインナップされている2ドアモデルは、『CLE53 4MATIC+クーペ』、『SL43』と『SL63 4MATIC+』、そして『GTクーペ』があるのみ。
メルセデス・ベンツ・ブランドに至っては、『CLE200クーペ・スポーツ・スタイル』と『CLE200クーペ・スポーツ』、『CLE200カブリオレ・スポーツ』が限られた選択肢となる。
それでは、そのCLEクラスとは何なのか。それを解説すればメルセデス・ベンツの中における、現在の2ドア車の立場が少しは理解できるかもしれない。
日本では2024年から発売されているCLEクラスは、それまでのCクラス・クーペとEクラス・クーペを統合した後継車として誕生したものだ。クーペとカブリオレの両ボディこそ用意されてはいるが、かつてはあのSクラスにさえ2ドア・クーペ&カブリオレがラインナップされていたことを考えると、感情的にはやはり寂しさを感じずにはいられないが、これもまたビジネスの厳しい世界である。
今も大好きなスタイルであることに変わりはない
そのような事情はさておき、筆者としては今も大好きなスタイルであることに変わりはない試乗車、CLE53カブリオレのステアリングホイールを握る。
搭載されるエンジンは、『M256M』型と呼ばれる2996ccの直列6気筒DOHC。そもそもM256型は、ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)をエンジンと9速ATの間に組み込んだマイルドハイブリッドシステムとともに、電動スーパーチャージャーとターボチャージャーを備えることで、全域にわたる魅力的なトルク特性を実現したパワーユニットだ。
これをベースに、おそらくはモディファイドを示すのだろう、最後のMが意味するところであるメルセデスAMGによる、吸排気システムに始まり、スーパーチャージャーとターボなどにまで至る改良を経て、449psの最高出力と560Nmの最大トルクを得たというのが、このエンジンの概要となる。
正式には『AMGスピードシフトTCT 9G トランスミッション』と呼ばれる9速ATが常にスムーズな動きを見せること、そしてモーター、スーパーチャージャー、ターボの制御がシームレスな、またナチュラルで力強いトルクフィーリングを演出してくれることで、ドライバーはカブリオレのスタイルから想像したとおりの、ラグジュアリーを感じる走りを楽しむことができる。
『コンフォート』から、さらに『スポーツ』、『スポーツ+』にドライブモードをスイッチしていくと、その先に待つのはメルセデスAMGのブランドを掲げるモデルに恥じないスポーツ性だ。とはいえここでもその感覚にはスパルタンという表現はあてはまらず、コーナーでもあくまでもその動きはジェントルに徹していたのが印象的だった。
ラグジュアリーかつ趣味性が最も強い
今回の試乗車はオプションの『AMGダイナミックパッケージ』装着車で、このパッケージにはダイナミックエンジンマウントなどの装備のほかに、『レース』モード選択も可能になる。
こちらもオプションの本革『AMGナッパーレザー』シートや、AMGダイナミックパッケージに含まれるカーボントリムなどで、スタンダードモデルのそれよりもさらに魅力的な空間に演出されたキャビンは、オープンドライブ時にも常に快適性を崩すことはない。フロントウインドウに備わるディフレクターや、リアのドラフトストップも、風の巻き込み防止には大きな効果を発揮する。
リアには2名分の独立したシートが用意されており、ソフトトップをクローズすると上下方向の余裕はやや限られてしまうものの、それでもシート自体のデザインや座り心地は十分に満足できる。ソフトトップは走行中でも60km/h以下なら開閉が可能。それに必要な時間は20秒以内だという。
ラグジュアリーかつ趣味性が最も強い2ドアカブリオレ。CLE53カブリオレは、メルセデス・ベンツCLEカブリオレをベースとしながら、エクステリアでも独自のフロントグリルや、ワイドなフェンダー、そしてリアのデフューザー、4本出しのエキゾーストシステムなど、まさに特別感に満ち溢れる。
試乗車にはオプション装備を含めて1538万1000円というプライスが設定されていたが、その点もさすがはメルセデスAMGのブランドを掲げるモデルだ。
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