現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 31年前の2スト“レーサーレプリカ”を米国オークションで発見 ホンダ「NSR250R」ロスマンズ仕様の現在の価値とは

ここから本文です

31年前の2スト“レーサーレプリカ”を米国オークションで発見 ホンダ「NSR250R」ロスマンズ仕様の現在の価値とは

掲載 更新 25
31年前の2スト“レーサーレプリカ”を米国オークションで発見 ホンダ「NSR250R」ロスマンズ仕様の現在の価値とは

1994年式ホンダ「NSR250R SP ロスマンズ」が語るMC28の革新と落札理由

 1987年に誕生したホンダ「NSR250」シリーズは、WGPで磨いた技術を市販車へ惜しみなく注入し、ヤマハ「TZR250」やスズキ「RGV250」とともに国内レーサーレプリカブームを牽引しました。

【画像】NSR250の最終進化版「MC28」ロスマンズ仕様を写真で見る(25枚)

 1993年に登場したNSR250最終世代のMC28は、片持ちプロアームやマグテックホイールに加え、量産二輪初のカードキー式PGM IVエンジンマネジメントを採用し、電子制御時代の幕開けを告げます。

 中でもSP仕様は乾式クラッチとマグネシウムホイール、ロスマンズレーシングカラーを組み合わせた頂点モデルで、国内販売は1500台限定。

 当時のメーカー希望小売価格は80万円でしたが、希少性が評価され近年は世界的に相場が高騰しています。

 今回落札された車両は車体番号MC28 1003944。日本で新車登録されたのち米国へ渡り、2024年に現オーナーが取得。

 走行距離は9000km、そのうち200kmが現オーナー走行分と記録される低走行車です。出品時には20件近い入札が集まりました。

 外装はロスホワイト、ブルー、イエローに赤とゴールドのストライプをあしらったロスマンズカラー。

 アルミツインスパーフレームと片持ちスイングアームがレース機材を想起させ、クリアスクリーンと角型ヘッドライトが精悍さを際立てます。

 41mmショーワ製フォークとリンク式モノショックを組み合わせ、前後17インチホワイト塗装マグネシウムホイールにはメッツラーSportec M5タイヤを装着。

 フロントは276mmフローティングディスクと異径2ピストンキャリパー、リアは220mmシングルディスクで、2024年にブレーキフルードが交換されています。

 メーターパネルはレッドゾーン1万2000rpmのアナログタコメーターとLCD多機能メーターを配置し、その中央にPGMカードキーを挿入。

 カードが一致しなければ主電源が入らずハンドルロックも解除されない構造で、盗難抑止とハイテクの象徴となりました。
 
 エンジンは水冷90度Vツイン249cc。可変排気バルブとTB10キャブレターを備え、9000rpmで40PSを発揮します。

 乾式多板クラッチと6速リターン変速機が組み合わされ、軽量マグホイールと相まって切れ味鋭い加速が身上です。

 キャブレター洗浄やプラグ交換などの整備が2024年に実施され、始動性はキック1発とのことです。

 ボディサイズは全長1970mm×全幅650mm×全高1045mmで、ホイールベース1340mmです。乾燥重量137kgの軽量ボディとプロアームの高剛性が鋭敏なハンドリングを生み、燃料タンク容量16Lと分離給油方式による扱いやすさも評価ポイント。

 外装はフロントカウルやテールピースが純正新品に換装済みで艶やかさを維持しつつ、アンダーカウル裏には小傷が残るなど長年の走行を物語る部分も存在します。

 未装着ピリオンパッドとHRCハイオク用キーカード、純正工具キットが付属し、コレクター向け付加価値を高めています。

近年 欧米での価値が上昇

 今回の落札額3万ドル(約450万円)は、欧米でのMC28 SP平均相場をやや上回る水準です。

 希少な限定色とオリジナル度、低走行、整備履歴の透明性が競り上げ要因となり、取引コメント欄にも「値段に相当する価値がある!」といった声が並びました。

 レギュレーション変遷で250cc2ストが消滅した現代において、カードキーPGM IVとマグネシウムホイールを備えたMC28 SPは“最後の本格レーサーレプリカ”として象徴的存在です。

 今後も状態良好な個体の出現は減少が見込まれ、今回の取引価格は将来の相場指針となる可能性が高いかもしれません。

※ ※ ※

 電子制御とレーシングスピリットを融合したNSR250R SP ロスマンズは、30年を超えても色褪せない価値を誇っています。

 カードキーを差し込む儀式から始まるライディング体験は、90年代2st黄金期を知る世代だけでなく、最新モーターサイクルに慣れた若いライダーにとっても新鮮な驚きを与えます。

 希少な純正外装と低走行を兼ね備えた今回のような車両は、ビンテージレーサーレプリカ市場で今後も高い注目を浴び続けると予想されます。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

25年ルール適合で価格高騰が止まらない!? 米国オークションにR34「GT-R」が登場 19万キロ走行でヤレた個体の アメリカでの“現在の価値”とは
25年ルール適合で価格高騰が止まらない!? 米国オークションにR34「GT-R」が登場 19万キロ走行でヤレた個体の アメリカでの“現在の価値”とは
VAGUE
いまや“億超え”が当たり前!? 日本車を代表するスーパーカーが海外オークションで落札 14年前の「白いLFA」とは
いまや“億超え”が当たり前!? 日本車を代表するスーパーカーが海外オークションで落札 14年前の「白いLFA」とは
VAGUE
当時の意匠が良好に残存!? 45年前のホンダ「CB400Tホーク」が米国オークションに登場 ネットに寄せられた反響と気になる落札価格とは
当時の意匠が良好に残存!? 45年前のホンダ「CB400Tホーク」が米国オークションに登場 ネットに寄せられた反響と気になる落札価格とは
VAGUE
“白バイ”仕様の希少マシン! 55年前のホンダ「CB750PO」ポリススペシャルが豪オークションに登場 ネットに寄せられた反響と落札価格とは
“白バイ”仕様の希少マシン! 55年前のホンダ「CB750PO」ポリススペシャルが豪オークションに登場 ネットに寄せられた反響と落札価格とは
VAGUE
発売から2か月 “伝統と革新”のヤマハ「XSR900」2025年モデルの進化と販売店に聞いた“市場の温度感”とは
発売から2か月 “伝統と革新”のヤマハ「XSR900」2025年モデルの進化と販売店に聞いた“市場の温度感”とは
VAGUE
走行距離23万キロ超えの「黒いアキュラ」が米国オークションに登場 29年前のタルガ仕様「NSX-T」の“現在の価値”とは
走行距離23万キロ超えの「黒いアキュラ」が米国オークションに登場 29年前のタルガ仕様「NSX-T」の“現在の価値”とは
VAGUE
世界でわずか140台の“タイプRの最高傑作” ホンダ「NSX-R」がオークションで1億3000万円超え!? ネットに寄せられた反響とは
世界でわずか140台の“タイプRの最高傑作” ホンダ「NSX-R」がオークションで1億3000万円超え!? ネットに寄せられた反響とは
VAGUE
2013年モデルでレプソル追加! ホンダの操りやすい600ccスーパースポーツといえば?
2013年モデルでレプソル追加! ホンダの操りやすい600ccスーパースポーツといえば?
WEBヤングマシン
1.0L当たりで最強 ホンダS2000 「ワイスピ」きっかけの熱いJDM(3) 世界的ムーブメントを牽引
1.0L当たりで最強 ホンダS2000 「ワイスピ」きっかけの熱いJDM(3) 世界的ムーブメントを牽引
AUTOCAR JAPAN
2020年モデルでめちゃくちゃ電脳化したホンダの操りやすい600ccスーパースポーツといえば?
2020年モデルでめちゃくちゃ電脳化したホンダの操りやすい600ccスーパースポーツといえば?
WEBヤングマシン
旅する4スト! 北米カワサキがオールニュー「KLX230 DF」「KLX230シェルパS」を発表
旅する4スト! 北米カワサキがオールニュー「KLX230 DF」「KLX230シェルパS」を発表
WEBヤングマシン
「ギアポジやっぱ欲しいよね」「キーでキャラがわかる!」オフテイストな原付二種の使い勝手比較<ヤマハPG-1/ホンダ CT125ハンターカブ/クロスカブ>
「ギアポジやっぱ欲しいよね」「キーでキャラがわかる!」オフテイストな原付二種の使い勝手比較<ヤマハPG-1/ホンダ CT125ハンターカブ/クロスカブ>
WEBヤングマシン
“キング・オブ・スーパーカー”に挑んだ伝説のミッドシップ・フェラーリ!? F1譲りのV12を積んだ「365GT/4BB」に注目が集まる理由とは
“キング・オブ・スーパーカー”に挑んだ伝説のミッドシップ・フェラーリ!? F1譲りのV12を積んだ「365GT/4BB」に注目が集まる理由とは
VAGUE
「PG-1は本格派!?」「こんなに違うんだ…」オフテイストな原付二種スタイリング&ライポジ比較〈PG-1/ハンターカブ/クロスカブ〉
「PG-1は本格派!?」「こんなに違うんだ…」オフテイストな原付二種スタイリング&ライポジ比較〈PG-1/ハンターカブ/クロスカブ〉
WEBヤングマシン
韓国発の「5ナンバーサイズBEV」は日本車の脅威!? 充実装備とハイレベルの走りが魅力のヒョンデ「インスター」は日本にジャストな選択肢か
韓国発の「5ナンバーサイズBEV」は日本車の脅威!? 充実装備とハイレベルの走りが魅力のヒョンデ「インスター」は日本にジャストな選択肢か
VAGUE
【中古車チェック】これら4台の日本車は、人気はそれほど高くはないものの、非常に優れた性能を備えている!
【中古車チェック】これら4台の日本車は、人気はそれほど高くはないものの、非常に優れた性能を備えている!
AutoBild Japan
シャープさが魅力のヤマハミドルストファイといえば…
シャープさが魅力のヤマハミドルストファイといえば…
WEBヤングマシン
アストンマーティン「V8オスカー・インディア」相場が4倍に高騰!約4620万円で落札された理由とは
アストンマーティン「V8オスカー・インディア」相場が4倍に高騰!約4620万円で落札された理由とは
Auto Messe Web

みんなのコメント

25件
  • goo********
    基本的にホンダ派だけど、個人的に乗り易かったRGVに乗ってた。K.シュワンツが好きだったし。
    ただ、このロスマンズのカラーリングは好きだった。
  • うまー
    Rothmansカラーはポルシェでもカッコええ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村