「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回はモデリスタがチューンした「トヨタ カローラアクシオ&フィールダー」だ。
モデリスタ カローラアクシオ & フィールダー「スポーツM」(2008年)
モデリスタが、軽快な走りをコンセプトにプロデュースしたカローラアクシオ(以下、アクシオ)とフィールダーは、自然吸気エンジンのままというライトチューニングな内容。しかしながら、ノーマルカーとはまったく異なるフィーリングが楽しめるという意味においては、前回に紹介したヴィッツのターボMを凌いでいると言っても過言ではない。
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その内容は、適度なローダウンが可能な専用スポーツサスペンション、フロントパイプから交換されるスポーツマフラー、そしてオプション装備となるがエアロパーツや17インチのタイヤ&ホイールといったものだ。
だが、標準装備される専用ECU(エンジンコントロールユニット)は点火時期や燃料マップを書き換え、プレミアムガソリン仕様へと改められている。このECUと排気系の変更もあって、最高出力は144ps、最大トルクは19.0kgmを発生する。ベース車は136psと17.7kgmだから、かなりのパワーアップだ。スロットルを踏み込んだ瞬間のレスポンスも向上されており、高回転域の心地良い吹け上がりもかなりのものだ。
しかも、そこで満足することなく、CVTのダイレクトさも追求している。その変化はとくにDレンジで顕著に現われ、スロットルに忠実に、しかもエンジン回転の上昇とともにスピードを乗せていくタイプへと変貌している。CVTのラバーバンド的フィーリングを抑えたセッティングは、ドライバーとクルマとの一体感を増してくれる。
さらに走り込んでいくと、引き締められた足まわりと17インチのタイヤ&ホイールが、ドライバーの要求に対応してくれる。短いストロークでキビキビとした身のこなしを実現している。65偏平の15インチタイヤを装着し、ソフトさばかりが強調されるノーマルと比べれば、まったく別のクルマに感じられる。
また。アクシオとフィールダーでサスペンションは味付けを変更している。アクシオは乗り心地は少し硬くなっているが、旋回性能は抜群の仕上がりだ。フィールダーはロングツアラー的なしなやかさとスポーツ性がバランスされている。今回試乗したウエットのワインディングでは、アクシオは少々ピーキーな挙動を示し、フィールダーのしっとりとした動きの方が安心して走りを楽しめた。
この違いは、足まわりの変更以外に、リア荷重が40kgも異なることやボディの構造が違うことなども要因推測される。いずれにしても、フィールダーの懐の深さには感心できるものがある。これがドライでの試乗なら、印象はまた変わっていたかもしれない。
アクシオとフィールダーのスポーツMは、ノーマルとは別次元の軽快さを見せた。だからこそ、もしチューニングに挑むのなら、できればVSC(横滑り防止装置)が装備されるグレードを選択することをオススメしておきたい。ライトチューンとはいえ、本気モードで仕上げられたモデルだった。
■モデリスタ カローラアクシオ スポーツM 主要諸元
●全長×全幅×全高:4410×1695×1440mm(4420×1695×1460)
●ホイールベース:2600mm
●車両重量:1190kg(1230)
●エンジン種類:直4 DOHC
●排気量:1797cc
●最高出力:106kW<144ps>/6000rpm
●最大トルク:186Nm<19.0kgm>/4800rpm
●トランスミッション:CVT
●駆動方式:横置きFF
●タイヤ:205/45R17
●当時の車両価格<税込み>:222万4000円(236万9000円)
( )内はフィールダー
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みんなのコメント
普通の4ドアセダン。
カローラですばしっこい。理想です。