フェルスタッペン、死亡事故の発生のスパより「ジェッダの方が危険だよ！」サーキットを批判するのは不公平と指摘

　レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、スパ・フランコルシャンで起きたディラーノ・ファン・ト・ホフの死亡事故を受けて、サウジアラビアGPの舞台であるジェッダ市街地コースの方が危険だと語った。

　フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパのレースで起きたこの事故は、ファイナルラップにセーフティカーランが解除され、各車が激しい水しぶきを上げながら走行している中で起きた追突事故だった。

　スパでの死亡事故は、2019年のFIA F2でアントワーヌ・ユベールが亡くなって以来となる。

　スパはユベールの死を受け、クラッシュしたクルマが跳ね返されて危険な状態になる可能性を減らすためにバリアの位置を変更していた。しかし今回の事故はその先で起きており、歴史的なサーキットであるスパの安全性に新たな疑問を投げかけることになった。

　アストンマーチンのランス・ストロールは7月末に開催されるベルギーGPまでに何らかの対策がなされなければ、「F1は”火遊び”をすることになる」と述べた。

　しかしフェルスタッペンは、スパの象徴的なコースレイアウトが危険だと認める一方で、近年カレンダーに追加されたばかりのジェッダ市街地サーキットの方が危険だと指摘した。

「確かにかなり危険なコーナーだけど、僕たちはジェッダのセクター1にも行くし、僕にとってはそっちの方がもっと危険かもしれない」

「あのセクター1ではまだ何も起きていないからハッピーだよ。ターン6、7、8を通過するとき、もしそこで事故が起きたら同じようなことになる」

「最初の年に、ランド（ノリス）を妨害してしまってエンジニアに怒られたことを覚えている。そういうことが起こると超危険なんだ」

　フェルスタッペンはスパをより安全にするためにもっとできることがあることに同意してはいるものの、ファン・ト・ホフの事故の主な要因のひとつである水しぶきによる視界の悪化がどんなサーキットでも同じように危険なものになり得るため、サーキットのレイアウトを非難するのは不公平だと考えている。

「確かに、オー・ルージュは登っていくときはブラインドだ。とはいえ、今回の事故はその後に起きたモノだ」

「あそこで改善できる唯一のことは、バリアをもっと外側に移動してスペースを確保することだと思う。今のところ、クラッシュしてバリアにぶつかると、すぐにコースに跳ね返されてしまうからね」

「スパではすでに変更が行なわれていて、コーナーがよりオープンになったのは間違いない。でも、危険なコーナーであることに変わりはないんだ」

「でも、僕たちは危険なコーナーがあるサーキットにたくさん行くんだ。それらは事故が起きるまで何も言われないだろう」

「そして今、もちろんそのことが取り沙汰されているが、サーキットのせいにするのは少し不公平だと感じている。 そもそも、なぜ（レースを）再スタートさせたのかを調べる必要がある」

　フェルスタッペンのチームメイトであるセルジオ・ペレスは、今回の事故は現代のシングルシーターマシンが安全に走行できる天候が限られていることを示しており、天候によるディレイや赤旗を避けるよう周囲からプレッシャーがかかっていると語った。

「僕にとって最も重要なのは間違いなく路面コンディションだ」とペレスは言う。

「レースディレクターがファンやソーシャルメディアにプッシュされることもあるだろう。サーキットはレースするには問題なさそうに見えたとしても、視界が最も重要なんだ」

「事故は起こるものだけど、ドライバーの視界がほとんどないまま、ただひたすら走り続けるような状況はありえない。どんなシリーズでも、大きなアクシデントが起こりうるときだからね」

「だからトラックが本当に濡れている時にスタートを遅らせたり、スタートできないのは問題ないんだ」

「すべてのドライバーにとって安全なことをしなければならない」