2台のトヨタ・ハイラックスが参戦!
ワンボックスのトヨタ・ハイエースが全日本ラリー選手権に参戦するほか、コンパクトSUVのトヨタC-HRが日本スーパーラリーシリーズに参戦するなど、国内ラリーシーンに続々とユニークな車両が登場しているが、7月2日~4日、北海道虻田郡ニセコ町を舞台に開催された第7戦「ARKラリー・カムイ」にも、スプリントラリーシーンにおいては珍しいマシンがデビューしていた。
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そのマシンとはトヨタのピックアップトラックのハイラックスで、ラリー・カムイでは新設のOP-XCクラスにTRD製の47号車「TRD Hilux Revo」とJAOS製の48号車「JAOS_HILUX-KYB & TOYO」の2台のハイラックスが参戦していた。
なかでも、圧倒的なパフォーマンスを見せていたのが、TRD製の47号車だった。平塚忠博/鈴木裕が好タイムを連発。そのタイムはJN6クラスのトヨタ・ヤリスやトヨタ・アクアなどの軽量コンパクトを凌駕するほどのレベルで、圧倒的な強さでOP-XCクラスを制したほか、総合順位でも22番手に位置する好成績を収めたのだが、このTRD製のハイラックスはどのようなマシンのか? 製作を担当したトヨタカスタマイジング&ディベロップメントでTRD事業部・第2MS事業室の室長を務める柏村勝敏氏を直撃した。
まず、この47号車は2400ccエンジン搭載の国内仕様モデルではなく、2800ccエンジンを搭載したタイ仕様モデルがベースになっており、FIAやJAF公認が不要なRF車両として開発。とはいえ、主な変更点としてはフロントのダンパーとアッパーマウントおよびロアアーム、リヤのショックアブソーバーなどの足まわりと安全装備としてのロールゲージ、あとはアンダーガードなどの補強パーツとバケットシート、TRD製のオーバーフェンダーとフロントグリルぐらいで、ほぼノーマルの状態だという。
ドライバー曰く「トラックではなく乗用車に近い感覚」
「2400ccの国内仕様のハイラックスは全日本ダートトライアル選手権のオープンクラスに参戦したり、全日本ラリー選手権ではマーシャルカーのスイーパーとして出走した実績はありますが、2800ccエンジン搭載のタイ仕様車として国内競技に参加するのは今回が初めてになります」と語るのはTRD事業部の柏村氏で、「ハイラックスは国内競技では珍しいかもしれませんが、アジアンクロスカントリーラリーなど海外のクロスカントリーラリーやラリーレイド、オフロードレースでは豊富な実績があります」と付け加える。
今回の全日本ラリー選手権への参戦についても「OP-XCクラスが新しく設定されたので参戦しました。このクラスではトヨタ・ランドクルーザーやプラド、スズキ・ジムニーなども参加できるので成長する可能性が高いと思います。TRDとしてもハイラックスで企画提案をしていきたいと思います」とのことだ。
こうして全日本ラリー選手権にデビューを果たしたハイラックスは前述のとおり、47号車が好タイムを連発し、クラス優勝を獲得したのだが、そのステアリングを握っていた平塚選手はハイラックスのフィーリングについて「大きくて重いけれど、トラックではなくて乗用車に近い感覚はありますね。タイトなコースは重たいからキツいけど、アベレージの高いところは走りやすいし、ギャップやワダチも気にすることなく走れる。これはこれで面白いクルマだと思います」と語る。
TRD事業部の柏村氏は「もともと2200kgの車両重量のあるクルマに、ガード類やタイヤなど装備品が加わっているので2800kgと車両重量は重いんですけど、ギャップに強いし、クロスカントリーラリーでも300km以上のロングSSを走っても壊れないので、全日本ラリーの走行距離ならメンテナンスも不要です」とのこと。事実、ラリー・カムイは48台のエントリーのうち18台がリタイアするサバイバル戦となるなか、47号車が行ったサービス作業はタイヤのローテーションのみで。この過酷なラリーを走破した。
「壊れないですし、メンテナンスフリーなので、ハイラックスなら自走で会場にきてラリーに参戦できると思います」とTRD事業部の柏村氏。ちなみに、2台のハイラックスは9月に行われる第9戦「ラリー北海道」にもOP-XCクラスに参戦する予定となっているだけに今後の動向に注目したい。
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