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四半世紀前のモデルでも意外とイケてる? 25年前にデビューした車5選

掲載 更新 83
四半世紀前のモデルでも意外とイケてる? 25年前にデビューした車5選

■いまから25年前の1996年に発売されたクルマを振り返る

 物事の区切りを指す言葉に「節目」があります。クルマの場合の節目というと、登場から5年目、10年目というスパンが該当しますが、さらに大きな節目として25年目、50年目となるのではないでしょうか。

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 2021年の今から50年前というと1971年で、日本の自動車市場では排出ガス規制強化前に高性能なモデルが次々に登場した時期で、もはやクラシックカーの領域です。

 一方、25年前の1996年に登場したクルマを振り返ると、今見ても魅力あるクルマや新技術の誕生、さらに世代交代直前のモデルも発売されました。

 そこで、1996年に発売されたクルマのなかから、印象的なモデル5車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ5代目「プレリュード」

 1978年に発売されたホンダ初代「プレリュード」は、「シビック」「アコード」に続いて登場した2ドアクーペのスペシャリティカーです。しかし、とくに高性能ではなくデザインも平凡だったことから人気車にはなりませんでした。

 そこで、1982年に登場した2代目プレリュードでは外観のイメージを大きく変え、低いボンネットの先端にリトラクタブルヘッドライトを配置した流麗なフォルムと充実した装備によって、ヒットを記録。

 さらに1987年に発売された3代目は、2代目からのキープコンセプトとしながらも、さらに洗練されたデザインで「デートカー」としての人気が高まりました。

 1991年に発売された4代目は海外市場を意識したことからボディとエンジンが大型化されますが、日本では先代ほどのヒット作にはならず、1996年に5代目が登場。

 先代のイメージチェンジが不作だったことを踏まえ、3代目をオマージュしたようなシャープなデザインに回帰しました。

 トップグレードには220馬力を発揮する2.2リッターエンジンを搭載し、改良された4輪ダブルウイッシュボーンの優れた足まわりと相まって、走行性能も高められています。

 しかし、すでに2ドアクーペのニーズは縮小しており、人気が回復することなく2001年に販売を終了。プレリュードはこの代をもって歴史に幕を閉じました。

●日産3代目「シーマ」

 1988年、日産は高級セダン「セドリック/グロリア」の上級モデルとして、初代「セドリックシーマ」と「グロリアシーマ」(以下、シーマ)を発売しました。

 初代シーマはバブル景気という背景や、1985年頃から始まったユーザーの高級志向の流れに乗って大ヒットを記録。同年代に日本市場で高級車の販売台数が飛躍的にアップしたことを、後に「シーマ現象」と表現したほどです。

 バブル経済絶頂期の1991年に2代目フルモデルチェンジされ、初代のスポーティなイメージよりも高級感を高めましたが、発売直後にはバブル崩壊が起こり、初代ほどのヒット作にはなりませんでした。

 そして、1996年に3代目が登場すると、本格的にグローバルでの展開が始まり、海外ではインフィニティ2代目「Q45」として販売。

 外観は押し出し感の強いフロントフェイスながらも、全体のフォルムはスピード感のあるシャープなイメージを採用しました。

 グレード体系もラグジュアリーな「リミテッド」シリーズと、スポーティな「グランドツーリング」シリーズと、明確に分けられています。

 トップグレードに搭載されたエンジンは4.1リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力270馬力を発揮。出力の向上を図りつつ高級車らしいマイルドな出力特性を実現しました。

 また、日本初となるサイドエアバッグの標準装備化や、1999年の改良ではミリ波レーダーを搭載してブレーキ制御もおこなうACCを国産車で初めて搭載するなど、先進的な安全技術が意欲的に採用されたモデルです。

●三菱「ギャラン/レグナム」

 欧州を中心に普及した「ダウンサイジングターボ」に必要不可欠なのが、直噴ガソリンエンジンです。

 一般的なガソリンエンジンの場合、燃料と空気が混ざった混合気をエンジンが吸い込み、プラグで点火して燃焼させますが、直噴ガソリンエンジンは空気だけを吸い込んだエンジン内(シリンダー内)に、直接燃料を噴射して、内部で空気と燃料が混ざったところで点火するというものです。

 直噴は決して新しい技術ではありませんでしたが、量産化することが困難で、1996年に三菱がミドルクラスセダンの8代目「ギャラン」とステーションワゴンの「レグナム」に、「GDI」という名で量産世界初となる1.8リッター直噴ガソリンエンジンを搭載しました。

 ギャランとレグナムはボディ形状が異なる姉妹車で、フロントフェイスは逆スラントの精悍なデザインを採用。

 エンジンは低燃費と高出力を両立するGDI以外にも、280馬力を誇る2.5リッターV型6気筒ツインターボの「VR-4」をラインナップするなど、スポーティなモデルでもありました。

 しかし、三菱のGDIエンジンは実際の燃費がカタログ値から乖離していると評され、そのうえ不具合が発生する事態となり、ギャラン/レグナム以外の多くのモデルに展開しましたが、2007年にGDIエンジンの生産は終了。

 現在は前述のダウンサイジングターボの登場で直噴ガソリンエンジンは普及し、三菱も「エクリプスクロス」で直噴ガソリンエンジンの復活を果たしました。

■終焉を迎えるモデルと歴史が始まったモデル、2台のコンパクトカー

●トヨタ5代目「スターレット」

 トヨタの現行モデルでエントリーカーといえば「ヤリス」がありますが、その先祖となるモデルが「スターレット」です。

 ステーレットの名が誕生したのは、1973年に「カローラ」より小型の大衆車「パブリカ」の、スポーティな上級グレードとして誕生した「パブリカスターレット」からで、2ドアと4ドアセダンをラインナップ。

 その後、1978年には2BOXボディの2代目が登場して車名をスターレットに改められましたが、当時のライバルはFF化が進み、旧来のFR車だった2代目は室内の広さで不利になりました。

 そこで、1984年にはすべてを一新してFFとなった3代目へが発売され、さらに1989年に登場した4代目ではさらに高性能化が図られます。

 1996年に誕生した5代目は4代目からキープコンセプトとされ、全体的に丸みを帯びたスポーティな外観が特徴の3ドアと5ドアハッチバックのボディを設定。

 エンジンは1.3リッター自然吸気が基本で、1.3リッターターボエンジンを搭載した高性能グレードの「グランツァV」もラインナップし、ベーシックなモデルからホットハッチまでさまざまなニーズに応えました。

 しかし、1999年に次世代のコンパクトカーとして初代「ヴィッツ」が登場し、スターレットは消滅。ところが、2021年に南アフリカで発売させるベーシックカーにおいて、スターレットの名が復活しました。

●マツダ初代「デミオ」

 マツダは1990年代初頭のバブル崩壊後に経営状態が急速に悪化し、1996年にはフォード出身の新社長が就任するなど、フォードの傘下となって経営の立て直しを図りました。

 その1996年にマツダ初代「デミオ」が誕生。同社が製造していたフォード「フェスティバ」のコンポーネンツを流用して、短期間・低コストで開発した小型ステーションワゴンです。

 全長3800mm×全幅1650mm×全高1500mm(ルーフレール付きは1535mm)のコンパクトボディながら、ルーフラインを水平基調にデザインすることで、大人4名がゆとりをもって乗車できる広い室内空間を実現。

 また、リアシートを倒して荷室を拡大すれば、ショートワゴンならではの高い収容力も持っていました。

 エンジンは最高出力100馬力の1.5リッター直列4気筒、または83馬力の1.3リッター直列4気筒を搭載。決してパワフルではありませんが、実用には十分な性能を確保しています。

 実用性を重視した初代デミオは、中級クラスのクルマからの乗り換えや、運転のしやすさもあって軽自動車からの乗り換えなどのニーズから、幅広い層に受け入れられてヒットを記録。

 デミオのヒットによってマツダの経営状況は改善し、同時に販売チャネルの統合と車種整理をおこなうことで、経営のスリム化が図られ、その後も順調に業績は回復。2015年にはフォード傘下から脱却しました。

※ ※ ※

 25年という歳月で、クルマは大きく進化しました。とくに環境性能や安全性能は飛躍的に向上したといえます。

 例えば、当時はまだトヨタ「プリウス」はデビューしておらず、ハイブリッド車が普及することなど想像すらできませんでした。

 次の25年でクルマはさらに進化することは確実ですが、その時は内燃機関のクルマを懐かしむことになるかもしれません。

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みんなのコメント

83件
  • 初代デミオは使える道具クルマだったな。まさに質実剛健。しかるに、今のデミオはカタチばっかり気にして使えない今どきの若者のようだ。
  • 逆スラントデザイン時代のギャラン、レグナム、ディアマンテ、シグマは本当カッコ良かったな
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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