現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【日本車黄金時代】ホンダ・ビートは愛らしくファニーなMRモデル。楽しさでは誰にも負けなかった!

ここから本文です

【日本車黄金時代】ホンダ・ビートは愛らしくファニーなMRモデル。楽しさでは誰にも負けなかった!

掲載 12
【日本車黄金時代】ホンダ・ビートは愛らしくファニーなMRモデル。楽しさでは誰にも負けなかった!

実用性は今ひとつ。その見事な割り切りが光った

 ビートは楽しい。見ていても楽しいし、乗るともっと楽しい。理屈抜きで楽しくつきあえそうだし、そんなつきあい方をしたいと思わせる雰囲気を持っている。

【時代の証言_日本車黄金時代】見ても乗ってもクラスレス!Kミッドシップオープン、ホンダ・ビートの提案性

 日本車は、小さなクルマでも妙に気負ったところがあったり、理屈っぽいところがあったりする。だからつきあう側としてもつい構えてしまいがちだが、ビートにはそれがない。天真爛漫というか、アッケラカンというか、とにかく気軽にいこうよ、といった感じである。

 こうしたある種、ノーテンキなクルマ作り(もちろん、すごくいい意味でいっているので、誤解のないように)は、日本のメーカーが最も不得手とするところだ。そんな意味からも、ビートの出現に拍手を送りたい。

 カプチーノが持つある種の重みと厚みには、確かに一般性がある。ビートより多くの人に馴染みやすいと思う。だがすべてが 「毎日が春」といったビートの印象は、日常性を超えたところで心に強く訴えかけるものを持っている。

 ビートは思い切りよくラゲッジスペースを切り落としているが、このあたりにもノーテンキぶりがハッキリ出ている。テニスラケットもバッグも、脱いだコートやジャケットも、みんな助手席のガールフレンドのひざの上と足元に置くことを「よし」としている。この割り切りは見事なほどだ。ここまでやられると「まあ、いいか」ということになる。とはいえ、世の中、ノーテンキ万歳という人ばかりではない。マーケットの評価としては、ラゲッジスペース不足は不利な部分となるだろう。

 エンジンはホンダらしくNAで押し通している。3気筒シングルカム12Vのエンジンは、656ccの排気量から64ps/8100rpmの最高出力と、6.1kgm/7000rpmの最大トルクを発生する。NAエンジンとしては、「さすがホンダ」といえる素晴らしいスペックである。

 素晴らしいのは、もちろんスペックだけではない。実力も、当然ながら文句なしに素晴らしい。このエンジンは高性能モーターサイクル・ユニットのようによく回る。しかも洗練されていることといったらない。ひたすら気持ちいいのだ。

 ターボによるトルクの差はカプチーノに当然及ばないが、この最高の洗練度は、ハンデの多くを補ってくれる。パワー的にもスポーツKカーのエンジンとして不満はまったくない。山岳路のヒルクライムでも、小さなNAエンジンは素晴らしいアベレージスピードを叩き出してくれる。

 5速ギアボックスがまた出来がいい。これはもう最高だ。こんな気持ちのいいギアボックスは、そうそうお目にかかれるものではない。滑らかで、しっかりとした手応えがあって、どんなに速いシフトワークにも難なくついてきてくれる。とにかく、シフトすることが楽しくてしょうがない! もし「ギアボックス・オブ・ザ・イヤー」といった賞でもあれば、ボクはまったく迷うことなくビートのギアボックスに最高点をつける。

 エンジンはミッドシップにマウントしている。荷物を全部、隣にいるガールフレンドのひざの上に載せてまでこうする必要があったのかどうかということは、当然問われて然るべきだとは思う。だが一方で、これはこれでいいのだとも、ボクは思う。

「スポーツカーなんだから、とにかくミッドシップがいいんじゃないか」といったノーテンキで素直なノリが、ボクには心地よく感じる。

 で、ハンドリング。これはさすがに楽しい。低い重心と43対57の荷重配分は、最高の身のこなしを生んでいる。

 ミッドシップの限界の激しい挙動を抑えるために、徹底的にリアを抑え込んでいるが、本当にビートのリアはテコでも動かない。タックインはもとより、コーナー中のブレーキングでもリアは不動の構えだった。

 そのぶん、コーナーを追い込んでいくとアンダーステアは強く出る。徐々に出る性格のものだから、とくに危険はない。不特定多数のユーザーが乗るクルマだから、「何はともあれスタビリティ」というこのセッティングは正解だ。

 問題はブレーキである。フロントの絶対荷重が小さいため、前輪のロックが起こりやすい。これはなんとかしたい。とくにコーナーの中でのブレーキロックは、クルマをアウトに向けて一直線に滑らせてしまうので、非常に危険だ。

 これを防ぐのに有効な装備がABSだが設定はない。ビートの安全性を向上させるためには、エアバッグよりABSのほうがより有効だとボクは思う。
 それにしてもビートは楽しい。見ても乗っても楽しい。間違いなくKカーの歴史に残るクルマだ。
※CD誌/1992年1月26日号掲載

文:カー・アンド・ドライバー 岡崎宏司
【キャンペーン】第2・4金土日は5円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

【20世紀名車】優雅な時間を提供する2シーターラグジュアリー、「1971年メルセデス・ベンツ280SL(W113型)」の美しき誘惑
【20世紀名車】優雅な時間を提供する2シーターラグジュアリー、「1971年メルセデス・ベンツ280SL(W113型)」の美しき誘惑
カー・アンド・ドライバー
【I LOVE Customizing】NISMO/R35 GT-R & オーラNISMO 4WD。究極GTと電動レーサーのライブな共演
【I LOVE Customizing】NISMO/R35 GT-R & オーラNISMO 4WD。究極GTと電動レーサーのライブな共演
カー・アンド・ドライバー
単なるECUチューンと思うになかれ!日産オーラの走りを変える「NISMOスポーツリセッティングTYPE2」
単なるECUチューンと思うになかれ!日産オーラの走りを変える「NISMOスポーツリセッティングTYPE2」
Auto Messe Web
【I LOVE Customizing】無限/プレリュード&シビック・タイプR Gr.B。目指したのは無限らしいスポーティさと疾走感
【I LOVE Customizing】無限/プレリュード&シビック・タイプR Gr.B。目指したのは無限らしいスポーティさと疾走感
カー・アンド・ドライバー
「妻に内緒で買いたい!」ホンダ本格「“MR”スポーツカー」に反響殺到!「400馬力の“ターボVTEC”は最高!」「怒られる未来しか見えない…」の声も! 本気感じる“超軽量マシン”「スポーツVGT」がスゴイ!
「妻に内緒で買いたい!」ホンダ本格「“MR”スポーツカー」に反響殺到!「400馬力の“ターボVTEC”は最高!」「怒られる未来しか見えない…」の声も! 本気感じる“超軽量マシン”「スポーツVGT」がスゴイ!
くるまのニュース
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】スズキ・アルト・ラパン「MHEV搭載と大人の上質感」(2026年1月号)
竹岡圭 K&コンパクトカー【ヒットの真相】スズキ・アルト・ラパン「MHEV搭載と大人の上質感」(2026年1月号)
カー・アンド・ドライバー
「新車よりいいかも!?」 1973年型ノートン「コマンド750インターステイツ」 徹底的な整備と改善で旧車ならではの魅力が際立つ
「新車よりいいかも!?」 1973年型ノートン「コマンド750インターステイツ」 徹底的な整備と改善で旧車ならではの魅力が際立つ
バイクのニュース
【20世紀名車】初代セリカの最後を飾った限定車。アメリカンな味わいと豪快な走りが融合した「ブラックセリカ」の魅力世界
【20世紀名車】初代セリカの最後を飾った限定車。アメリカンな味わいと豪快な走りが融合した「ブラックセリカ」の魅力世界
カー・アンド・ドライバー
スポーティな内外装デザインと走る楽しさを熟成した進化版レクサスISが発売。特別仕様車の“F SPORT Mode Black V”も登場
スポーティな内外装デザインと走る楽しさを熟成した進化版レクサスISが発売。特別仕様車の“F SPORT Mode Black V”も登場
カー・アンド・ドライバー
新車277万円! トヨタ「小さな高級車」パワフルすぎて“反響殺到”!「パワーありすぎ!」「運転して本当に楽しい」の声も! 全長4.2mに「3500cc×6気筒エンジン」搭載! めちゃ“豪華内装”で「クラウン・ハッチバック!?」なブレイドとは!
新車277万円! トヨタ「小さな高級車」パワフルすぎて“反響殺到”!「パワーありすぎ!」「運転して本当に楽しい」の声も! 全長4.2mに「3500cc×6気筒エンジン」搭載! めちゃ“豪華内装”で「クラウン・ハッチバック!?」なブレイドとは!
くるまのニュース
ダイハツは東京オートサロン2026で「K-OPEN ランニングプロト2」や「ミラ イース tuned by D-SPORT Racing」を初公開
ダイハツは東京オートサロン2026で「K-OPEN ランニングプロト2」や「ミラ イース tuned by D-SPORT Racing」を初公開
カー・アンド・ドライバー
モリゾウとともにニュルブルクリンクのレース参戦でつくり上げたGRヤリスの特別仕様車「GRヤリス MORIZO RR」のプロトタイプが公開
モリゾウとともにニュルブルクリンクのレース参戦でつくり上げたGRヤリスの特別仕様車「GRヤリス MORIZO RR」のプロトタイプが公開
カー・アンド・ドライバー
EVでもアメ車はアメ車! 最新EVピックアップ3台をチェックしたらアメ車好き納得の豪快さだった
EVでもアメ車はアメ車! 最新EVピックアップ3台をチェックしたらアメ車好き納得の豪快さだった
THE EV TIMES
【ホンダ ウイングGL500カスタム(1979)】回顧試乗。「クセ強」を連想させた縦置きVツインは、実は驚異の乗りやすさだった!
【ホンダ ウイングGL500カスタム(1979)】回顧試乗。「クセ強」を連想させた縦置きVツインは、実は驚異の乗りやすさだった!
モーサイ
「モリゾウ」が仕上げた、GRヤリス MORIZO RR誕生【ニュル24時間から生まれた特別限定モデル】
「モリゾウ」が仕上げた、GRヤリス MORIZO RR誕生【ニュル24時間から生まれた特別限定モデル】
月刊自家用車WEB
サーキット走行を楽しめて自走で往復できるニスモR35GT-R「CRS」!ドリフト走行も可能なコントロール性
サーキット走行を楽しめて自走で往復できるニスモR35GT-R「CRS」!ドリフト走行も可能なコントロール性
Auto Messe Web
「魔法の絨毯」シトロエンC4 MAXハイブリッド際立つ個性と魅力は仏車デビューにもってこい
「魔法の絨毯」シトロエンC4 MAXハイブリッド際立つ個性と魅力は仏車デビューにもってこい
ベストカーWeb
MT復活は伊達じゃない!! 東京オートサロン2026で見えたスバル「WRX STI Sport♯」の“本気度”
MT復活は伊達じゃない!! 東京オートサロン2026で見えたスバル「WRX STI Sport♯」の“本気度”
ベストカーWeb

みんなのコメント

12件
  • ptr********
    34年振りに2度目の購入。遊んだ人の勝ちです。
  • oum********
    ウチのビートはうちに来て20年
    来年40歳
    ブレーキは弱いけど
    楽しいですよー
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138 . 8万円 145 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29 . 8万円 365 . 0万円

中古車を検索
ホンダ ビートの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

138 . 8万円 145 . 0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

29 . 8万円 365 . 0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村