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狙いすぎたか!? 勇み足だったか!?!? 記憶に残すべき平成の駄作車 6選

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狙いすぎたか!? 勇み足だったか!?!? 記憶に残すべき平成の駄作車 6選

 30年余り続いた「平成」の時代が終わろうとしている。

 この30年間は激動の時代だった。自動車にとっても変換の時代だったと言えるだろう。ハイブリッド車のプリウスやフィットなどの名車も生まれた。その裏で、「こんな車、よく出したなぁ」という奇抜な車や駄作も登場している。

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 名車や人気車は多くのメディアに取り上げられ、多くの人々に語り継がれることだろう。一方で奇抜さゆえ短期間で消えた幻の迷車たちは、時代とともに忘れ去られてしまうかもしれない。

 こうした車は、どのモデルにも個性があり、案外買い得感やスタイリッシュさを持つ良い車でもあったが、販売は振るわず、残念ながら後継車を残すことができなかった。

 その偉大なるチャレンジ精神に敬意を表しつつ、記憶に残したい平成の駄作車の足跡をここに記す。

 オーナーの皆さまや開発者、営業マン。車には様々な人々が携わっている。たくさんの想いが詰まった車をこう呼ぶのは忍びないが、本稿では(世の中から比較的にみたら)という意味で、あえて駄作車と呼ばせていただきたい。

文:片岡英明


写真:編集部、NISSAN、HONDA

斬新すぎたクロスオーバーとカローラ伝説を覆したトヨタ車

〈トヨタ オーパ〉

 21世紀を間近に控えた2000年5月に登場したビッグキャビンのコンパクトな2ボックスだ。全長は4250mmと当時のカローラより短いが、ホイールベースは2700mmと長く、キャビンは前席も後席も広い。

 デジタル表示のセンターメーターも進歩的だった。時代に先駆けてセダンとミニバンのクロスオーバー感覚を打ち出したコンパクトカーなのである。

 だが、デザインが奇抜すぎた。パキパキのウエッジシェイプだったが、サイドのウインドウグラフィックは粗削りだし、フロントマスクも無表情だ。リアも車格感が乏しい。インテリアもシンプルで、高級ムードは薄かった。

 後席にはセンターアームレストすら装備されていない。パッケージングも物足りなく感じる。背の高さを立体駐車場に入る高さに抑えたため、性格が中途半端になり、多くの人に魅力を伝えきれなかった。

 モデルライフ後半は、月の販売台数が800台レベルにとどまり、2代目が登場しないまま姿を消している。

〈トヨタ カローラルミオン〉

「カローラはベストセラーカーで絶対に売れる」という伝説を覆した奇抜な迷車がカローラルミオンだ。

 10代目カローラが登場して1年ほど経った2007年10月に誕生。開発テーマは「カローラらしくないカローラ」で、そのネーミングから分かるようにルーミーなキャビンを売りにしている。「リラックス・イン・スタイル」を具現化するために、四角い箱型デザインを採用し、全幅も1760mmまで広げた。

 カローラのユーザーは保守層が多く、カローラばかりを乗り継ぐユーザーがほとんどだ。だから新しいものをすぐには受け入れない。当時のカローラ党の多くは「小型車サイズを超えた3ナンバー車なんてもってのほかだ」と思っていたのである。

 箱型の2ボックスデザインもクセが強い。ウエストラインを高くして囲まれ感を強めているが、駐車場などでチケットを取り出しにくいし、ワイドボディだから駐車するのにも気を遣った。

 年配の人のなかには、2ボックスデザインに意を唱えるファンも多い。カローラといえば、多くの人がイメージするのはセダンだ。だから、若者受けする2ボックスには食指を動かさなかった。

 シンプルなセンターメーターやインパネシフトに意を唱える頑固なファンも多かったようで、失敗作の烙印を押されている。

超個性的すぎて1代で消滅した日産車

〈日産 ティーノ〉

 ティーノは「快適・快速ハイトワゴン」をコンセプトにした高効率パッケージングのマルチパーパスカーとして世紀末の1998年秋に登場。

 新世代プラットフォームを採用し、全長はサニーより短いが、全幅は1760mmある。ワイドボティを生かして室内幅1500mmを実現し、前席・後席ともに3人がけを可能にした。しかも、前席の中央席と後席は脱着できるようにしている。シートを取り外せば、広大なラゲッジルームが出現する。

 このパッケージング、実はハイブリッド車を意識したものだった。モーターとバッテリーを搭載できるスペースを確保し、2000年春には限定販売ではあったが、ハイブリッド車を投入した。

 が、脱着式の中央席は狭く、窮屈だったし、取り外しも面倒だ。シートそのものも軽くはない。海外ならともかく、日本のユーザーには不評だったのだ。3人がけにも違和感を覚えた。

 アイデアはよかったが、直線的なデザインを好む日産ファンから冷遇されたこともあり、不発に終わって2003年春に生産を打ち切っている。

〈日産 NXクーペ〉

 バブル期に開発され、7代目サニーとともに登場したのが日産のNXクーペだ。RZ-1の後継3ドアクーペで、1990年1月に登場している。

 最大の特徴は、アメリカのデザインスタジオが主導した個性的なルックスだ。グリルレスフェイスに、楕円のヘッドライトを組み合わせ、ボディの前後を大きく絞り込んでいる。

 トレンドを先取りした手頃な価格のスペシャルティカーとして送り出したが、期待した女性層までも取り込めず1代限りで消滅。1994年、コンサバなデザインのサニー・ルキノにバトンを託した。

ある意味ホンダらしい? 身内に喰われた迷走ホンダ車

〈ホンダ アスコットイノーバ〉

 バブルに踊らされたホンダが、1992年春にプリモ店からデビューさせたのがアスコットイノーバだ。

 アスコットは、ミドルクラスまでしか持っていなかったプリモ店の販売を伸ばすために送り出した4代目アコードの兄弟車である。初代アスコットを販売している最中に、その上級モデルとして投入した。

 メカニズムはアコード/アスコットと同一で、2720mmのロングホイールベースを誇る。違うのはボディデザインだ。低いノーズに6ライトグラフィックのピラードハードトップとした。軽快感のあるルックスで、キャビンも広い。

 また、2Lと2.3Lエンジンに4輪ダブルウイッシュボーンのサスペンションを採用したため、走りも軽やかである。

 スポーティな味わいはジャーナリストから高く評価されたが、スポーティセダンの時代は終わりを告げていたのだろう。デビュー直後からバランス感覚に優れたシビックにユーザーを奪われ、オデッセイが登場した後は販売が一気に落ち込んだ。

 販売力が弱かったことも災いし、日本では鳴かず飛ばずに終わっている。一度もマイナーチェンジしない奇妙な車だった。1996年に寂しく消え、今ではホンダの負の歴史となっている。

〈ホンダ アヴァンシア〉

 ホンダを代表するアコードには、スタイリッシュなステーションワゴンがあった。が、これの上のポジションに、マルチに使えるスポーティなデザインのクロスオーバーカーを投入している。それが1999年秋に送り出したアヴァンシアだ。

 新しい形の上級ファミリーカーで、リムジン並みの広くて快適なインテリアを売りにした。2765mmの長いホイールベースを利して大人5人が楽に移動でき、前席はウォークスルーも可能。また、4人乗った状態でもラゲッジルームにはゴルフバッグが4セット積める。とても広いのだ。

 FF(前輪駆動)車に加え、デュアルポンプ式のリアルタイム4WDも設定するなど、オヤジたちのゴルフ・エクスプレスを狙った。が、セダン派は見向きもしなかったし、ワゴン派も二の足を踏んでいる。

 オデッセイが2代目に移行していたこともあり、ミニバン派もアヴァンシアにはなびかなかった。ちょっと欲張りすぎたのかもしれない。

 中途半端な設計コンセプトが仇となり、2003年に消滅してしまった。

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