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ワークマンの「冷暖房・着るエアコン」をさっそくお試し! 水冷ベストも冷えっ冷えで真夏のツーリングに持ってこいだ

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ワークマンの「冷暖房・着るエアコン」をさっそくお試し! 水冷ベストも冷えっ冷えで真夏のツーリングに持ってこいだ

「未来ずらぁ~!」と叫ばずにはいられない

ワークマンがパナソニックグループ企業と提携開発し、今年5月に発売予定の「WindCore 冷暖房服 ICE×HEATER ペルチェベスト」を、YMテスター歴四半世紀オーバーの大屋雄一が一足お先にタッチ&トライ! 合わせて氷水を循環させる水冷ベストも試してみた。ファン付きウエアで物足りなさを感じていたライダー諸君、この夏は涼しくツーリングできそうだぞ!

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快適ワーク研究所を設立、シフトールはVRやメタバース領域で活躍

―― 3月上旬、都内にて冷暖房服を含む新製品発表会&試着会を快適ワーク研究所が主催。

2023年2月、ワークマンは労働寿命の延伸を目指し、企業や大学とのコラボ製品を生み出す「快適ワーク研究所」を設立。5月から1万着がテスト販売される冷暖房服も、このコラボ推進組織の活動の一環として製品化されたものだ。

コラボ先は、パナソニックホールディングスの100%出資会社であるShiftall(シフトール)。2018年に設立され、2021年からはVRやメタバース領域に注力している企業だ。同社はすでに、メタバース内で温度を感じられるウェアラブルサーモデバイスの「ペブルフィール(Pebble Feel)」を商品化。このテクノロジーを応用したのがこの冷暖房服なのだ。

ペルチェ素子による直冷方式、手持ちのモバブーも使えるぞ!

―― 「WindCore 冷暖房服 ICE×HEATER ペルチェベスト」価格は1万9800円だ。

すでにこちらの記事でも簡単に紹介しているが、冷暖房服の原理はこうだ。電極の入れ替えにより冷却と温熱の両機能を持つペルチェ素子を使い、アルミ製の温調プレートを冷やしたり温めたりするというもので、代表的な先行商品としてソニーのレオンポケットが挙げられる。ワークマンの冷暖房服は、アルミプレートの面積が最大級であることや、バッテリーが別体式であること、さらに操作がスマホ経由ではなくシンプルなスイッチ式であることなどが特徴となっている。

―― ユニットを内装したベストはフリーサイズで、さまざまな体型の方に幅広く対応できるように、各部にアジャスターが設けられている。これらを正しく調整することでアルミプレートが体に密着し、より効率良く熱が伝わるのだ。また、フルハーネス型安全帯との干渉位置を調整する狙いもあるとのことで、建築現場を知る作業服メーカーならではの配慮と言えるだろう。

―― ANKER製の10,000mAhのバッテリーが付属する。満充電からのライフはアイスモードで約5時間、ヒーターモードで約10時間とのこと。そして動作保証外にはなるが、手持ちのモバイルバッテリーで駆動することも可能だ。なお、バイクからのUSB給電については、未検証につき断言できないものの、使用できる可能性が高いとのこと。これについてはあらためて当メディアで実際にテストしたいと思う。

―― コントローラーにあるスイッチは赤と青の二つのみ。どちらかを長押しすれば電源オン、もう一度長押しすれば電源オフ。青い方を短押しすればアイスモード、赤い方を短押しすればヒーターモードに切り替わる。過酷な条件下でも直感的に操作できるのがポイントで、さらに熱暴走を即座に検知してやけどを防ぐ安全装置も搭載している。

瞬間冷却&温熱のキャッチコピーに偽りなし、これは頼もしい!

―― 排熱を逃がすためベストの大半はメッシュ生地だ。

―― 左右の肩甲骨の中間あたりに本体がレイアウトされる。

3月上旬に都内で開催された快適ワーク研究所主催の「新製品発表会&試着会」で、短時間ながら冷暖房服をタッチ&トライ! 上の画像のように今回はダンガリーシャツの上にペルチェベストを着用したが、本来は高機能アンダーなどの上に着るのが理想的とのことだ。

ペルチェ素子やヒートシンク、空冷ファンなどを内蔵する本体は背中側、バッテリーは左胸にレイアウトされるので前後の重量配分のバランスがよく、アジャスターを調整して体に密着させるほどに重さがさらに気にならなくなる。

まずはアイスモードのスイッチを長押しして電源を入れる。すると、わずか2~3秒でアルミプレートから冷たさが伝わってきた。これが高機能アンダーの上だったら本当に瞬時だっただろう。体感的にはゴム製の氷枕を押し当てられているようなヒンヤリ感で、20℃前後の室内では少し寒く感じるほど。ちなみに25℃の環境下においてアルミプレートの温度は最大10℃(無負荷時)まで下がるという。そして、アイスモード時のみ排熱のため内部の空冷ファンが可動するのだが、その音はファン付きウエアとは比べものにならないほどに静かだ。なお、この排熱を促すため、アイスモード時は通気性のあるアウターを組み合わせることがマストとなる。

続いて、赤い方のスイッチを押してヒーターモードに切り替える。冷えていたアルミプレートが温まるまでに時間を要するようだが、、それでも20~30秒もすると温かさがじんわりと伝わってきた。ヒーターウエアの温度設定を中間レベルにしたぐらいの温度感で、スペック上では最大42℃まで上がるという。

本体の位置は左右の肩甲骨の中間あたりで、熱を伝えるアルミプレートの面積は76c平方メートル。これはハガキ(148c平方メートル)のほぼ半分程度だが、血流などが関係するのか、背中のこの部分が冷やされたり温められたりすると、その面積から想像する以上に温度変化を感じやすいという気付きを得た。実際にバイクで走ったときにどれだけ効果があるのかは追々テストするとして、5月からテスト販売される1万着はすぐに売り切れてしまいそうだ。オールシーズン使うことができて価格は1万9800円。夏用のファン付きウエアと冬用のヒーターウエアを両方揃える費用よりも安く、予備バッテリーが手持ちのモバブーで済むというのは大きなアドバンテージだ。

氷水を循環させる水冷服、冷却効果は冷暖房服を超える!

―― これが水冷ベスト。青いホースの中を氷水が循環する仕組みだ。

―― タンクの下部にレイアウトされているポンプ。作動音はほとんど聞こえない。

今回の発表会では、新発売の水冷ベストも試すことができた。自転車やランニング界隈ではよく知られるハイドレーションシステムのような外観で、背面のタンクに水を入れるところまでは共通。異なるのは、ベストの内側にホースが巡らされていることと、バッテリー駆動のポンプを備えていることだ。

これはワイズゴッドジャパン(山真製鋸)の水冷服、アイスマンベストPROをベースに保冷用のアルミの厚さなどを見直し、ロゴやパッケージをワークマン仕様としたもので、ベストには冷暖房服と同じWindCoreのブランド名が刻まれている。タンクに150mlほどの水と凍ったペットボトル(もしくは氷、保冷剤など)を入れ、バッテリーを接続したら準備完了だ。

ハイドレーションシステムと同様、水を背負うことになるのでそれなりに重いが、5,200mAhのバッテリーが左胸にレイアウトされているので、前後の重量配分としては特に不満はない。スイッチを押して電源を入れるとポンプが作動し、その駆動によるかすかな微振動が伝わってくる。そして30秒も経つと上半身全体がみるみる冷えてきた。冷暖房服のスポット的な冷たさに対し、こちらはホースが触れている全ての部分が冷えるので、体の表面温度を下げるパワーとしては段違い。20℃前後の室内では寒すぎるほどで、途中でスイッチを切ってしまった。それぐらいに冷却効果は高かった。

凍ったペットボトルや氷が溶けてしまうと効果は落ちてしまうが、これらはコンビニその他ですぐに補充できる上、溶けたペットボトルの飲料を飲めば水分補給もできるなど、実は理に適った設計となっている。なお、こちらも1万着のテスト販売が予定されている。

腰痛よさらば! 電気筋肉が疲れを軽減する未来が!

―― SEISMIC社が参考出品したパワードスーツは米軍由来の技術を応用。

―― 中央にバッテリー、その左右に電動筋肉を動かすモーターを内蔵。

アメリカのベンチャー企業、SEISMIC社のパワードスーツがこの発表会に参考出品されていたので担当者に話を聞いた。

ぎっくり腰など背中や腰の負傷は、世界的に見ても身体障害の第1位であり、それによって労働者が欠勤すると企業の経済的損失は非常に大きなものとなる。そのぎっくり腰(急性腰痛)は、一般的に重いものを持ち上げる動作がきっかけになることが多いが、実際のワーキング環境においては、職種にもよるが、8時間労働のうちそうした動作が行われるのはわずか数十分でしかないという。背中や腰を含むコアの筋肉は終始立ち姿勢を維持することに使われており、それらが疲労した状態で重いものを持ち上げるため、ぎっくり腰の発生につながりやすいとのこと。

SEISMIC社が開発を進めているスーツは、主にこの立ち姿勢を補助するのが目的で、重いものが軽く持ち上げられるなどのアシスト的なパワーは発生しない。フレックスドライブと名付けられた電動筋肉は、ポリエステルの糸をモーターが巻き上げることで収縮し、このユニットが1着あたり5セット使われている。IMUなどの各種センサーで着用者の傾きをセンシングし、必要に応じて直立姿勢を補助するという。

アメリカでの実証実験によると、疲労の低減を感じたユーザーは86%、腰痛などの痛みの緩和を感じたユーザーは91%にまで上り、効果の高さが証明されている。展示されていた試作品はワンオフにつき200万円(!)掛かったとのことだが、これを最初の市販品は20万円に、そしていずれは2万円にしたいと担当者は意気込む。ちなみに、対応してくれた方はSEISMIC社唯一の日本人で、かつては国内二輪メーカーの技術者だったという。これはヤングマシンとしても応援せねば!

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