ガソリン車・ディーゼル車の全廃に向け急速に加速している欧州。もちろん、ドイツも例外ではなく、むしろその動きをリードする立場にあります。ところが、ドイツ国内では「ガソリン車・ディーゼル車全廃」とはまるで真逆といえるような動きがあり、密かに注目を集めています。
以前から外車王SOKENでたびたび紹介していたドイツのHナンバー制度(製造から30年以上経過し、オリジナル状態をよく残したまま走行可能なクルマを歴史的工業遺産として認定。末尾にHが入ったナンバープレートを付与し、税金や保険料が軽減されるという制度)を適用したクルマが、2020年1月についに50万台を突破。ドイツに存在するクルマの約1%を占め、今後クラシックカー・ネオクラシックカー市場はますます拡大すると見られています。
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今回のドイツ現地レポでは、今まさに値段が上昇しつつある注目の車種をピックアップ。ドイツ人は基本的に自国のクルマが大好きなのですが、その中で健闘する日本車についても注目し、レポートしていきたいと思います。
■ドイツで人気のあるクラシックカーのランキングを発表!
ここで、まずは2017年時点での「ドイツで人気のあるクラシックカーランキング」を発表しましょう。このランキングはVerband der Automobilindustrie (VDA、直訳すると自動車産業協会)がHナンバー登録数を元にまとめたもので、2019年現在でも1~10位までの間は変動はありません。
8位 メルセデス・ベンツ・W110/111
11位 メルセデス・ベンツ・Sクラス(W126)
14位 メルセデス・ベンツ・W108/109
15位 メルセデス・ベンツ・190クラス(W201)
改めてランキング形式で見直すと、ドイツのクラシックカー市場におけるメルセデス・ベンツの圧倒的な人気と耐久性の高さが浮き彫りになりますね。
■実は最近、ドイツではクラシックBMWの人気が急上昇中!
さてここからは、最近ドイツ国内で急激に価値が高まったクルマを紹介していきましょう。実は上記のランキング内ではあまり目立たなかったBMWが、現在クラシックカー市場で大きな注目を集めています。
まずは12位にランクインしていた、BMW・E21です。初代3シリーズとして知られるこのクルマは、2016年の中古車平均価格が8,500ユーロだったにも関わらず、3年後の2019年には13,700ユーロまで急激に上昇。61%の価格上昇という、驚異的な伸びとなっています。
BMWの一連のCSシリーズも、2016年の平均価格43,000ユーロから2019年は67,500ユーロまで上昇。57%の価格上昇を記録しています。
BMWの価格上昇の流れは、コンパクトな02シリーズにも波及しており、2016年の平均価格16,900ユーロから2019年は25,000ユーロまで上昇し、48%の伸びを見せています。
東ドイツの遺産として人気のあるトラバントの一連のシリーズも、この3年間でおよそ24パーセントの価値上昇となりました。平均価格は2016年の2,900ユーロから、2019年では3,600ユーロで上昇しています。
逆に、この3年間で価値が下がってしまったモデルも存在します。減少傾向が顕著なのは、ランキング9位に入っているメルセデス・ベンツ・W113で、2016年には平均96,000ユーロだった価格は2019年には86,000ユーロまで値を落としました。また、フェラーリ・328はこの3年間で26%も価値を失い、2016年には100,000ユーロだった価格は2019年には74,000ユーロまで減少しています。
■ドイツで今、注目を集める日本のネオ・クラシックカー3車とは?
ドイツにおけるクラシックな日本車の立ち位置は独特です。多くのドイツ人が古い日本車のことを「日常生活のための大量生産品」というイメージを抱いているものの、一方で数々の先進技術を搭載してきた歴史については高く評価しています。電子機器については「修理は困難か、もしくは非常に高額となる」としつつも、その独特な機構に惹かれる方は少なくない様子です。
ドイツで注目を集めている日本車を紹介していきましょう。特に高い評価を得ているのは、ホンダ・NSXとS2000です。NSXについては、ハンドリングと快適さ、日常での使い勝手が高く評価されています。オールアルミボディや現代の目で見ると「控えめ」なスタイリングなども人気のポイントのようです。
S2000については、なんといってもエンジンが高く評価されています。ドイツ人はマニュアルトランスミッションでエンジンをブン回すのが大好きなので、9000rpmまで回るこのエンジンについて「官能的で他に代え難い快感がある」と評しています。かつてS800が初めてドイツに上陸した時も、エンジンについてはドイツの人々にとって相当な衝撃を与えたようですね。NSXとS2000、この2台についてはドイツの市場でもかなり価格が高騰しています。
もう1台注目されているのは、マツダ・RX-8です。もともとNSU Ro80などのロータリーエンジン車を製作していたドイツですから「ロータリーエンジン最後の市販車」という響きは非常にロマンを感じるのだとか。実用性の高さはもちろん、観音開きのドアも「エキゾチックだ」として高く評価されています。
■ドイツにおけるクラシックカー業界の今後はどうなる?
ここまで、人気ランキング、価値上昇中のクルマ、注目されている日本車と駆け足で紹介してきました。個人的に意外だったのは、ドイツではチューニング文化が日本ほど一般的ではないせいか、日産・スカイラインGT-Rやトヨタ・スープラなどの名前が挙がってこない点でしたね。
価値が急上昇しているという一連のBMWモデルについては、ドイツでもかなり注目されていて、2代目の5シリーズ・E28が次にくるのでは?などと予想されています。それにしても、これだけ盛り上がっているクラシックカー市場は、「ガソリン車・ディーゼル車全廃」を進める政府とどのように折り合いを付けていくのでしょうか。今後の動向にも引き続き注視していきたいと思います。それでは、また次回の記事でお会いしましょう!
[ライター・カメラ/守屋健]
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みんなのコメント
経年で税金が高くなるのは本当に勘弁してほしい
こういう仕組みを取り入れなければ、いつまでも文化として根付かないよ。