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アストンマーティンのスーパーSUVはますます面白くなりそうだ! 2台の最新DBXに触れた!

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アストンマーティンのスーパーSUVはますます面白くなりそうだ! 2台の最新DBXに触れた!

アストンマーティン「DBX」に追加された高性能モデル「707」に触れたライフスタイル・エディター、イナガキが感想記をリポートする。

707ならではの魅力

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アストンマーティン初のSUVである「DBX」に、高性能バージョンである「707」がくわわった。日本でもすでに発表されたものの、実車が1台しかないため、全国各地でおこなわれている展示イベントを巡っている。

5月中旬に大阪で行われたイベントで「707」の実車に触れ、さらに標準モデルを確認試乗する機会を得られたので、レポートする。

大阪の会場は、心斎橋にある「W大阪」だ。車寄せに置かれたDBX 707は、明らかに標準モデルとは異なる雰囲気を漂わせていた。

新デザインの大型フロントグリルやデイタイム・ランニング・ライト、エアインテーク、ブレーキ冷却ダクトなどが性能の高さを主張。遠目でも、707であることがひと目でわかる。

リアにまわると、大径の4本出しエキゾーストシステムと新形状のルーフウイングが目をひく。ちなみにこのルーフウイングは小さなリップ・スポイラーが追加され、高速安定性が向上したという。

いずれのパーツも、たしかにハイパフォーマンス車らしいデザインであるものの、ライバルのランボルギーニ「ウルス」と比べると控えめだ。

なぜなら0~100km/hの加速タイムはわずか3.3秒! ウルスが同3.6秒だから、0.3秒も速い。3.3秒も3.6秒も大差ないかもしれないが、スーパーカー・オーナーにとってこの0.3秒の違いは大きいはずだ。

心臓部に搭載するのは、ベースモデルとおなじ3982ccV型8気筒DOHCツインターボ。ボールベアリング式ターボチャージャーを採用するなどといったチューニングによって、これまでのDBXを157ps、200Nmも上まわる、707psの最高出力と900Nmの最大トルクを引き出した。

組み合わされるトランスミッションは、標準モデルとおなじ9AT。トルクコンバーター式から湿式クラッチ式に換装された。全世界で年間数千台しか販売しないモデルとしては異例だ。アストンマーティンが本気で作り上げたのがよくわかる。エア・サスペンション・システムもアップデートされ、ボディ・コントロールとステアリング・レスポンスが引き上げられた。

展示車はプロトタイプゆえ、試乗こそ叶わなかったが、展示位置への移動のため何度かエンジンが掛かった。そのときのサウンドは、標準モデルよりもさらに迫力あるものだった。ただし、これみよがしに爆音を轟かせるのだけではなく、いかにもアストン・マーティンらしいともいうべき洗練されたものだ。

ちなみに707は、「アクティブ・エキゾースト」を搭載した。これをオンにすると、ドライブ・モードを「スポーツ」に切り替えなくても、排気システムのバルブを開放し、常時官能的なV8サウンドを楽しめる。

インテリアは、ヘッドレスト一体型のスポーツタイプ・シートで差別化を図る(通常のコンフォート・シートは無償オプション)。ヘッドレストにはアストンマーティン・ウイングの刺しゅうが施される。

展示車は異なったけれども、実際にデリバリーされるクルマはセンターコンソールまわりのデザインも変更され、ダイヤル式のスイッチを設置。走行関連の設定・変更が出来るという。

新型DBX 707の価格は3119万円。標準車が2415万円だから、704万円高い。エンジンのみならず内外装にも手をくわえていることを考えれば、妥当か。

ちなみに、ウルスの価格は3068万1071円だから、約51万円の価格差だ。スーパーカーを所有するオーナーからしたらたったの51万円ほどの追加で、世界一早いSUVが手に入るのだから、人気を集めるのも頷ける。輸入元によれば、オーダーは好調とのこと。気になる向きには早めに注文したほうがいいだろう。

標準モデルもパワフルだ

今回あわせて、標準モデルのDBXを大阪市内で試乗した。結論から言うと、街乗りであれば標準モデルでも十分に高性能だった。

フロントに搭載するV8ガソリンターボ・エンジンは、550PS(405kW)/6500rpmの最高出力と700Nm/2200~5000rpmを発揮する。707に比べれば若干劣るけれども、2245kgの車両重量には十分すぎるほどパワフルだ。阪神高速で、ほんのちょっとアクセルを踏み込んだだけで、あっという間に制限速度まで到達する。

試乗日はあいにくの雨だったが、不安は一切なし。ピレリの「スコーピオン ゼロ」がよくグリップするのはもちろんのこと、トルクオンデマンド型の電子制御式4WDが、前後輪へ緻密にトルクを配分するからだ。

上質なレザーをたっぷりと使ったインテリアは、2ドア・クーペの「DB11」や「ヴァンテージ」と通ずるデザインだ。イタリア製スーパーカーとは異なる落ち着いた雰囲気もあって、普段滅多に運転しない大阪の道もリラックスして運転出来た。

細い道でも不安はほとんどなかった。全幅は2mを越すけれども、超音波を使った精度の高いパーキング・センサーとサラウンド・カメラによって、周囲の状況がよくわかるからだ。

今回は大阪市内を運転しただけであるものの、オンロードに限っていえば、しなやかな乗り心地が印象的だった。阪神高速のつなぎ目も、丁寧に乗り越えていく。不快なショックは皆無。薄くて太い22インチのタイヤを履いているスーパーSUVとは思えない。これには、よくチューニングされたエア・サスペンションの効果も大きい。

アストン・マーティンのなかで運転支援装備が1番充実しているのも見逃せない。高速クルーズに便利なACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)を試したが、制御はナチュラルだった。ロングドライブで真価を発揮するのは間違いない。

都市部で久しぶりに乗ったDBXは、驚くほど快適だった。静かで、乗り心地がよく、そしてほどよくスポーティ。これ1台で、あらゆる道を楽しめそうだ。

とはいえ、プラス157ps&200Nmの威力も気になる。おなじアクセルの踏み込み量でも、もっと刺激的な加速を体感出来るはずだ。それはたとえ都市部でも、だ。

標準モデルと707、どちらを選んでも法定速度がマックス120km/hの日本では、後悔ないと思う。どれほどの鋭さ、そして刺激を求めるのかに応じて選べば良いのだ。

707導入によって新たな世界が拡がったDBXは、ますます面白くなりそうだ。

文・稲垣邦康 写真・Aston Martin Japan、安井宏充(Weekend.)

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