2025年10月、3代目にフルモデルチェンジした日産のBEV(バッテリー電気自動車)「リーフ(LEAF)」の日本仕様が発表された。2026年1月のデリバリー開始から7カ月以上を経たところで、実際の販売データなどから、その人気を分析してみたい。
文:篠原政明/写真:日産自動車、ほか
▶▶▶写真はこちら|3代目にフルモデルチェンジした日産のBEV「リーフ」(画像9枚)
3代目でスタイリングを一新。走りはさらに進化
2010年に世界初の5人乗り量産BEVとして登場した日産 リーフも、今回の新型で3代目を数える。実は3代目を迎えるBEVは世界中でリーフが初めてだという。発表された当初、バッテリー容量78kWhの「B7」と、これをベースに日産モータースポーツ&カスタマイズ(以下、NMC)が手がけるカスタマイズモデル「オーテック」のラインアップだったが、少し遅れて55kWhの「B5」と、そのオーテック版も登場。さらに2026年7月にはNMCによるハイパフォーマンスモデル「リーフ NISMO」も登場した。
初代&2代目のハッチバックから一新、日産は「次世代のクロスオーバーEV」を謳い、コンパクトで引き締まったスタイルとする。クロスオーバーとはいうものの車高はあまり高くなく、立体駐車場にも対応している。インテリアは12.3インチの大型デュアルディスプレイが目を引くが、物理スイッチを適度に採用しており操作系は扱いやすい。
キャッチフレーズの「スーッと滑らか。ずっと乗り続けたくなるクルマ」のとおり、BEVにありがちな初期ゲインの強い発進はせず、アクセルペダルの踏み加減に応じてスーッと発進し、そのままスムーズに加速する。減速では、eペダル機能を使えばアクセルペダルを戻すだけで回生ブレーキが効くが唐突ではない(ただし完全停止はしない)。
オプションだがプロパイロット2.0搭載車は高速道路でハンズオフ走行が可能となり、またウインカーの操作だけで車線変更も行ってくれる。標識の速度表示に合わせてワンタッチでアダプティブ クルーズコントロールの速度設定を変えられるなど、高速走行はきわめて快適。19インチホイール&タイヤを履いているモデルでも、前後席とも乗り心地は良い。長年BEVを作ってきた日産らしい、真面目に作り込んだクルマだと感じさせてくれる。
全体の販売比率ではB7のほうが高い
さて、そんな新型リーフは2026年1月に発売開始されて以来、同年7月までの販売台数は1万2017台(日産調べ。以下のデータも同様)。月間販売目標値は公表されていないが、モデル末期だった昨年同期からは大幅にアップしている。2026年8月初旬の時点での納期は、グレードやオプションにもよるが約1〜3カ月となっている。
人気グレードのトップ3(および比率)は、以下のようになっている。車両価格も表記しておこう。
1)B5 X(473万8800円):33%
2)B7 X(518万8700円):30%
3)B7 G(599万9400円):21%
CEV(クリーンエネルギー自動車導入促進)補助金が最大129万円あるとはいえ、BEVの車両価格はエンジン車に比べれば高い。普段使いなら55kWhのバッテリーで十分だから、装備もそこそこ充実したB5 Xが一番人気となるのも納得できる。とはいえ、B7 Xとの差は小さく、また最上級グレードのB7 Gも人気が高い。B5とB7の販売比率では、45:55となり、全体で見るとB7のほうがわずかに販売比率は高いという。
また、NMCが手がけるオーテック(AUTEC)は、全体の約5%を占めるという。車両価格はB7が651万3100円、B5が616万2200円とベース車よりは高いが、内外装をカスタマイズしたプレミアムな佇まいはオーテックならでは。この内外装が気に入って予算的にも問題ないなら、こちらを選ぶのも悪くないだろう。
人気ボディカラーのトップ3および比率は、
1)プリズムホワイト:21%
2)プリズムホワイト/スーパーブラック2トーン:15%
3)シェルブロンド:15%
3位のシェルブロンドは淡いベージュのような色。1・2位はホワイトとその2トーンが占めるように、最近の多くのクルマと同様、日本においてはボディカラーは派手めな色よりモノトーン系が好まれるようだ。リーフの訴求色は鮮やかなルミナスターコイズとスーパーブラックの2トーン(タイトル写真)なのだが、残念ながらトップ3には入っていない。
ユーザーはキックスよりも高年代層と男性の比率が高い
人気オプションのトップ3は、
1)充電ケーブル
2)ホットプラスパッケージ(後席ヒーター、リアヒーターダクトなど)
3)クリアビューパッケージ(ワイパーディアイサー、リアLEDフォグランプ)
また、トップ3には入っていないが、調光パノラミックガラスルーフやプロパイロット2.0など、リーフならではのオプションも好評のようだ。
ユーザーの年代比率は、
30代以下:10.4%
40代:15.8%
50代:25.3%
60代:24.3%
70代以上:24.2%
と、突出して多い年代がいないのもリーフの特長。それでも50代〜70代以上のシニア層が4分の3近くを占めている。ユーザーの年齢層が高いのは、2026年6月に発売されたコンパクトSUVのキックスでも同様だが、それでも50〜70代以上は約3分の2だった。車両価格やBEVというクルマの立ち位置から、より年配の人がリーフを求めているのだろうか。ちなみに、男女比率も男性81%:女性19%と、キックス(男性77%:女性23%)よりも男性比率が高くなっている。
また、新規購入者は10%、日産新車からの代替えは65%、競合他社や日産中古車からの代替えは13%、増車は13%。新型リーフの購入時に重視したポイントは、521〜702kmという長い航続可能距離、BEVであること、独特のスタイリング、そしてBEVならではの静粛性などが挙げられている。
ところで、前述のようにリーフにはハイパフォーマンスモデルのリーフ NISMOが加わった。こちらは発表されたばかりであり、660万1100円〜722万7000円とオーテック仕様車よりもさらに車両価格も高いことから販売状況に大きな変化を与えるとは思われないが、それでも購入希望者からの問い合わせは多く、またフォーミュラeが日本で開催されたこともあり、注目度は高まっているという。
2010年の初代登場以来、日本のBEVを牽引してきたリーフ。国産、輸入車ともにライバルとなるBEVは増えているが、今のところ販売は順調なようだ。街中で、その姿を見かける機会はますます増えていくことだろう。
日産 リーフ B5X 主要諸元
●全長×全幅×全高:4360×1810×1550mm
●ホイールベース:2690mm
●車両重量:1770kg
●モーター:交流同期電動機
●最高出力:130kW(177ps)/3600-11700rpm
●最大トルク:345Nm(35.2kgm)/0-3500rpm
●バッテリー総電力量:55kWh
●WLTCモード航続距離:469km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:215/55R18
●車両価格(税込):473万8800円
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みんなのコメント
そこにでてきたリーフ。
実写見たら、写真で見るよりもはるかにかっこいい。
最近の日産は、そういうのが多い。エルグランドにしても写真よりも実写の方が重厚感がある。
リーフは実写見たけど、流石に車幅1800mm超えてるだけあってなかなかの迫力です。しかし、全長が短くなった分取り回しに関してはそこまで危惧する必要がない。全方位カメラや、フロントのカメラのお陰でかなり死角は軽減されてると感じます。
これは補助金が出ていれば、東京都なら220万近くタダになるので、装備を考えればめちゃくちゃお得だと思う。