1台残らずピットロードへ駆け込んで来る様は壮観だった。スーパーフォーミュラ開幕戦ではアクシデントによるセーフティカー出動が頻発……タイヤ交換義務の消化が可能となる(=ピットウインドウオープン)10周目にもセーフティカー(SC)先導が続いていたため、「ここしかない」と言わんばかりに全車が10周目終了時にタイヤ交換へと向かったのだ。
レースでは基本的に、スロー走行となっているSC先導中にピットインしてしまった方が当然タイムロスが少ない。しかもタイヤ交換が可能になる10周目にSCが入っているのであれば、入らない理由はないと言える。特に今季はタイヤのデグラデーション(性能劣化)が大きくない傾向が見られるため、ライバルとピットインのタイミングをずらずことで得られるメリットがほとんどないのだ。そういった背景が全車一斉ピットインに繋がった。
■岩佐歩夢またも勝てず……悔しいスーパーフォーミュラで4度目の2位「勝てるポテンシャルはあった。明日はポール・トゥ・ウインを狙う」
このように、基本的には全車10周目に“入るしかない”状況だったわけだが、その中でもライバルに対して割を食ってしまうドライバーが存在した。それが、チームメイトの後ろを走っているドライバーたちだ。なぜなら彼らはチームメイトのマシンが先にタイヤ交換作業をしている間、作業エリア手前で待機しなければならないからだ。これは前を行くチームメイトとの間隔が近ければ近いほど、大きなタイムロスに繋がる。
今回のレース序盤では、TEAM MUGENの岩佐歩夢と野尻智紀がワンツーで走行しており、その後ろでDOCOMO TEAM DANDELION RACINGの太田格之進と牧野任祐が連なって、MUGENの2台を追いかけていた。そして10周目のピットストップで、野尻と牧野はチームメイトの作業終了を待ったことでタイムをロスする羽目になった。野尻はなんとかポイント圏内で戻ることができたが、牧野はエンジンストールにも見舞われてしまい、最後尾付近まで落ちてしまった。
「長くレースをやっているとこういう日もあるし、その中で次の成功に向けて頑張らないといけないことは、自分でもよく分かっています」
そう語るのは、今大会で本山哲に並ぶスーパーフォーミュラ最多となる、通算20度目のポールポジションを獲得し歴史に名を刻んだ野尻だ。
「ダブルピット(チームで2台一斉にピットイン)はこれまでもありましたが、もう少し距離感があったと思います。今回は本当にビタビタな状態で間髪入れずにという状況でした。メカさんなりには課題もあるみたいですが、何十秒もロスすることなく送り出してくれたので、個人的にはすごく感謝です」
ポールポジションだった野尻にとっては、スタートで岩佐に先頭を奪われたことが悔やまれる。もし野尻→岩佐の順でピットに入れば、タイムをロスするのは岩佐の方だったからだ。
野尻はそのスタートについて、「プロシージャー(手順)に改善すべきところがあったかなと。『全車グリッドについた』とか『グリーンフラッグ』とかインフォメーションを入れてもらっていますが、今日はそこが遅れてしまった。スタートの赤ランプがついている段階で準備ができておらず、リアクションが遅れてしまった」と説明している。
結果的に野尻は7位でフィニッシュ。レースペースも悪くない感触があったようで、明日は違った風が吹くことを期待していた。
一方牧野はエンジンストールも重なり11番手でフィニッシュ。9番手でフィニッシュした大嶋和也(docomo business ROOKIE)がペナルティで13位に降格となったため、10位・1ポイントを手にすることができた。当時の状況をこう振り返る。
「ダブルストップで僕が動こうとした時、クラッチをちょっと繋いだらエンジンが止まってしまいました。温度が上がっていたのか……でもそれまで普通に走っていましたから」
「どうすることもできず、ただエンストしちゃった感じなので、なぜそうなったのかいまいち分かりません。昨日のフリー走行からそんな症状がなく、急に出ました」
「いずれにせよ、ダブルピットになった時点でだいぶ厳しい展開にはなるだろうなと思っていたんですけど、それ以上にもっと厳しくなってしまいました」
レース序盤は前を行く3台よりは少しペースが足りないと感じながらも、後半スティントでの挽回に期待していたという牧野。しかし「でもレースなので、何言っても結果は変わりません。スタートで(太田の)前に出れなかったのが今回のレースの敗因かなと思います」と、明暗分けたスタートを悔やんだ。
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