3月18日に決勝レースが行われるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦『セブリング12時間』を前に、最新のBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)が発行され、開幕戦デイトナでライバル車両に対して遅れを取ったポルシェ911 GT3 R(タイプ992)が大幅なパワーアップを遂げることとなった。
IMSA技術委員会が3月9日に発行したGTDプロおよびGTD向けの最新のBoPテーブルでは、GT3マシンやGT3をベースとしたマシン全10台のうち9台に変更が見られた。そのなかにはポルシェが使用するエアリストリクターの直径を5mm拡大しφ38mmとする内容も含まれており、これまでにさまざまな性能調整を受けた仕様でテストを行なってきたタイプ992ポルシェにとって、過去最大のリストリクター径となっている。
苦しむ新型ポルシェ911 GT3 R勢「あまりにも差が大きい」とBoP調整に期待。三味線疑惑は否定/IMSA
2月にセブリングで行われたIMSA公認テストには数台のポルシェが参加していたが、その際に装着していたエアリストリクターは、デイトナ24時間仕様より1mm大きいφ34mmのものだった。Sportscar365は、ポルシェチームが翌週のプライベートテストで他のサイズのエアリストリクターについても追加の評価を行ったことをを理解している。
タイプ992のポルシェ911 GT3 Rと同じく2023年デビューの新車であるフェラーリ296 GT3とランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2に対しても条件面の譲歩があり、フェラーリは最低重量の15kg増加と引き換えにターボのブースト圧を上げることが認められた。ランボルギーニについては最低重量こそ1320kgから変更されないが、エアリストリクター径が2mm拡大され、若干のパワーアップを果たす。
この他にも独立したBoPを採用しているデイトナからの変更点として、アキュラNSX GT3エボ22やアストンマーティン・バンテージGT3、BMW M4 GT3、シボレー・コルベットC8.R GTD、レクサスRC F GT3について15kgの軽量化が認められた。アキュラNSXがアストンマーティンと比べてより多くのターボブースト圧の増大も認められている一方で、GTDプロのデイトナウイナーとなったメルセデスAMG GT3エボについては15kgの重量増となり、週末の第2戦セブリングに向けて、やや戦力を削がれたかたちとなった。
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