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【WEEKLY ROUND UP】スーパーマスタング・マッハEがグッドウッドでも最速/TC2000にメルセデス参戦?

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【WEEKLY ROUND UP】スーパーマスタング・マッハEがグッドウッドでも最速/TC2000にメルセデス参戦?

 毎週水曜に世界のツーリングカーやストックカーを中心に、ときにはラリーも含めたハコ車の話題をお届けする『WEEKLY ROUND UP』。今週は7月9~12日の期間、イギリス・サセックス州で開催されたモータースポーツの祭典『グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(GWFoS)』の話題をお届け。今季6月の第104回PPIHCパイクス・ピーク・インターナショナル・ヒルクライムにて“キング・オブ・ザ・マウンテン(総合優勝)”の称号を手にしたばかりの『スーパー・マスタング・マッハE(EV)』が、GWFoS恒例のヒルクライム“タイムド・シュートアウト”でも優勝を果たし、これでフォードが3連覇を達成してみせた。

 同じく英国からはBTCCイギリス・ツーリングカー選手権の名門ウエスト・サリー・レーシング(WSR)が、サマーブレイク明けの後半戦より3台目のBMW 330i M Sportを投入するニュースや、南半球からの話題としてRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの今季最終戦『bp Adelaide Grand Final(bpアデレード・グランドファイナル)』にて、豪州最高峰のARCオーストラリア・ラリー選手権とコラボレーションする話題も。さらに中国発のブランドである吉利汽車(ジーリー)が新規参戦を表明した、南米アルゼンチンのFF最高峰SUVツーリングカー選手権TC2000に向け、新たにメルセデス・ベンツ参入にまつわる動きなどもお伝えする。

【WEEKLY ROUND UP Formula】FIA F3最終戦は予選2回、3レースの特殊フォーマットに

 ロマン・デュマが自身6度目となる総合優勝を飾ったアメリカ・コロラド州での“Race to the Clouds(雲へ向かうレース)”を経て、リッチモンド公爵家の広大な私有地に運び込まれたフォード・レーシング製の最新EVデモンストレーターは、恒例となったイベント最終日の競技で42秒の壁を突破する41秒98を叩き出すことに。ダニエル・ティクトゥムがステアリングを握ったABB FIAフォーミュラE世界選手権用の新型Gen4車両のプロトタイプや、こちらは初参加となったWorldRX世界ラリークロス選手権“8冠”王者ヨハン・クリストファーソンらを撃破してみせた。

 デュマの直前に出走したティクトゥムはその時点での最速タイムを記録したものの、熱波による路面温度と乾燥、それによるコース上の埃により“モルコム(Molcomb)”コーナーでの挙動の乱れが響き、デュマに0.48秒及ばない結果に。そして内燃機関搭載車として最速の『シャドウ・シボレーDN4』をドライブしたアレックス・サマーズを総合3位に挟み、GWFoS初登場のクリストファーソンは、今季EuroRXで使用しているものと同様の『フォルクスワーゲン・ポロRX』を持ち込み46秒32を記録して総合4位、モディファイド・クラス優勝を手にした。

 このタイムは最高出力約670PS、最大トルク922Nmを発生する4気筒ボクサーターボ搭載の『Brataroo 9500 Turbo(ブラタルー9500ターボ)』をドライブするトラビス・パストラーナ(総合6位)を0.45秒上回るもので、レース前の賭けに勝ったクリストファーソンはパストラーナから1ドルを獲得している。

 また、序盤に好タイムをマークした2024年BTCC王者のジェイク・ヒルは、今回『ニッサン300ZXターボ(IMSA仕様車)』で総合7位に入り、スペシャルズ・クラスの首位に。トップ10の最後を飾ったのはフォーミュラ・ドリフトのスターであるライアン・タークで、かつてヒストリックF1マシンに搭載されていたジャッド製V10エンジンを積んだトヨタGRスープラ、通称『フォーミュラ・スープラ』で49秒01のタイムを記録している。

 改めてグッドウッドで前人未到となる3連覇を達成したデュマは、2024年に『スーパーバン4.2』を駆り43秒98を記録。2025年には『F-150ライトニング・スーパートラック』で43秒22へとタイムを短縮し、今季の41秒98というタイムはフォード・レーシングにとっても「事前のシミュレーション上でも不可能とされていたタイム」となっている。

 そんなイギリス国内にて今月末の7月25~26日にシーズン再開を控えるBTCCでは、その第5戦スラクストンに向けWSRがラインアップを拡充。優勝経験のあるチャールズ・レインフォードやダリル・デレオンの僚友として、スコットランド出身のルイス・ギルバートをチームに迎え入れると発表した。

 レーシングカート界で輝かしい実績を誇るこの22歳のドライバーは、今季も激戦のGB3選手権で4輪レースデビューを果たし、これまでに何度もトップ10入りを果たしている。

「WSRからツーリングカーデビューを果たし、長年見て愛してきたシリーズであるBTCCに参戦できることを、とてもうれしく思っている」と喜びを語ったギルバート。「4輪レースキャリアをスタートさせてまだ半年だが、幸運にもBTCCへステップアップする機会に恵まれた。BTCC参戦は、カートを始めた頃からの長年の目標だったんだ」

「WSRはBTCC史上最も成功しているチームで、それ以前のシングルシーター(フォーミュラカー)時代に獲得した数々のタイトルや豊富な経験を考えれば、これ以上ない最高の環境に身を置くことができたと確信している」

 今季のBTCCでは、初導入となった予選レースのフォーマットや、新たに投入されたフォード・フォーカス・チタニウム(NAPA Racing UK)、メルセデスAMG A35サルーン(カタクリーン・プラト・レーシング)、アウディS3サルーン(パワー・マックス・レーシング/PMR)など、FFハッチバック派生のセダンモデルが猛威を振るうなか、チームは伝統のFRレイアウトで戦う3台目のBMWを用意することになる。

「カレンダーの中でもっとも高速なサーキットであるスラクストンが初戦で、その直後にはまったく異なる特性を持つ、ホームコースのノックヒルが控えているという、いきなり厳しい試練に直面することになる。でもWSRという知識と経験の豊富なチームで挑めることを、本当に楽しみにしているよ」

 一方の南半球はオーストラリア大陸にて、昨季よりシーズン終盤戦にNASCAR方式のプレーオフ制度を導入したRSCは、その今季最終戦アデレード市街地にてARCオーストラリア・ラリー選手権とコラボし、新たなエンターテインメント施策“ARCフェスティバル”の実施を発表。特設ステージにてRoCレース・オブ・チャンピオンズ形式で10台のマシンが登場し、シリーズ“3冠”王者に輝くハリー・ベイツが最初の出場ドライバーとして決定している。

 今季は11月26日から29日にかけて開催されるRSC最終戦『bp Adelaide Grand Final』では、象徴的なビクトリア・パーク・ヘリテージ・グランドスタンドの目の前に特設のダートコースが設定され、1対1の直接対決により数々の対戦(シュートアウト)を経て、最終的な勝者を決める一騎打ちが展開される。

 かつて独自の技術規定を採用していた最高峰クラスAP4から、現在は世界共通のラリー2規定へ移行しているARCだが、同選手権の元“4冠”王者ニール・ベイツを父に持つハリーは、自身も3度のARCチャンピオンに輝くと同時に、地元開催のWRC世界ラリー選手権を筆頭に豊富な経験を誇る。

 同イベントの最高責任者を務めるマーク・ウォーレンは「bpアデレード・グランドファイナルでは、コース内外で絶え間なくモータースポーツのアクションが繰り広げられる。今回、オーストラリア・ラリー選手権の素晴らしいレースの魅力を伝える新たなコンテンツを追加できることを、心からうれしく思う」と語った。

「こうしたレース形式は非常にユニークなものだ。会場にお越しの観客の皆さんには8の字型の追走(パシュート)スタイル・トラックの全体像を直接ご覧いただけるはずだ。豪華なイベントスケジュールに新たに加わる『ARCフェスティバル』は、今季のイベントにおける多彩なアクティビティをさらに盛り上げるものとなるだろう」

 今季もARCランキング首位を走るベイツも「トヨタGRヤリス・ラリー2をドライブし、新たに『ARCフェスティバル』でドライブできることを非常に楽しみにしている」と応じた。

「オーストラリア最大級のモータースポーツ・イベントのまさに中心で、僕たちのラリードライビングを展開することになる。ハイスピードな走りが繰り広げられ、ファンにとってもまったく新しい体験となるはずだよ」

 そして最後に南米大陸アルゼンチンからはTC2000の話題を。先日、中国メーカーの吉利汽車(ジーリー)がBセグメントSUV『Icon(アイコン)』を投入することが確定したシリーズでは、さらなるメーカーの参戦を促すための動きがすでに出始めており、運営団体のタンゴ・モータースポーツは短期間でのチーム増の可能性に備え、新たに10基の共通エンジン(2.5リッター直列5気筒直噴ターボ)を製造するプロジェクトを立ち上げた。

 今季中のテスト参戦が見込まれる『Icon(アイコン)』だが、前線部隊を担うプロ・レーシングは当初2台を走らせる予定で、来季に向けては3台目の投入も排除されてはおらず。さらに今後はメルセデス・ベンツもTC2000車両を開発して新規参戦するのではないかという噂が流れている。

 メルセデスが最高出力約500PSを発生する前輪駆動SUVツーリングカーを仕立てる話題は以前からパドックで囁かれており、この可能性についてアルゼンチンでメルセデス・ベンツの乗用車およびバン部門の代理店を務めるプレステージ・オートのダニエル・エレーロCEOが言及したことで、さらなる現実味を帯びている。

 現在はメルセデス・ベンツ・アルゼンチンの代表であり、かつてはトヨタの現地法人CEO兼TOYOTA GAZOO Racing YPF INFINIA代表を務めていたエレーロは、地元メディアのインタビューに応じた際「あぁ可能だ。しかしお話ししたとおり、まずはひとつのプロジェクトから始め、そのプロジェクトで強固な基盤を築いた上で、他に何ができるかを探っていきたいと考えている。可能性に制限はないからね」と応じた。

 ここでの「ひとつのプロジェクト」とは、すでにメルセデス・ベンツのブランドで参戦する現地の人気シリーズ、トゥーリスモ・カレテッラ(TC)での活動を指し、新たな選択肢を検討する前に、まずはその最初のプロジェクトを確実なものにすることが次のステップになるという。

「我々にとってモータースポーツは価値を創出し、顧客との距離を大きく縮めてくれるものだ」と続けたエレーロ。「トヨタ在籍時と同様に、モータースポーツにおける競争を単なるスポーツ活動としてだけでなく、コミュニケーション・チャネル、ブランド・アイデンティティの構築、そして一般大衆との関係を築く場として捉えている。すべての変化は良いことで、移行の一環と言える。とくにラテンアメリカではセダンの顧客が徐々に減少しており、SUVこそが解決策であり、競争力のある車両と言えるからね」

 メルセデス・ベンツのTC2000参戦はまだ確定してはいないが、可能性が排除されたわけではない。アルゼンチンにおけるメルセデス・ベンツの現行ラインアップでTC2000のコンセプトにもっとも適しているのは『GLA』と考えられ、今後は前輪駆動アーキテクチャーのコンパクトモデル群が淘汰、整理される流れも考慮しつつ、合理的な選択肢を探る段階となっている。

[オートスポーツweb 2026年07月15日]

文:AUTOSPORT web
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