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クルマの「水はね・泥はね運転」、ドライバーはクリーニング代を支払うべき?実際に損害賠償請求されることはあるの?

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クルマの「水はね・泥はね運転」、ドライバーはクリーニング代を支払うべき?実際に損害賠償請求されることはあるの?

■クルマに水をかけられた!損害賠償請求はできる?

『クルマの水はねで、服がビショビショに…』そんな”不運な経験”をしたことのある方も多いのではないでしょうか。

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クルマからの水はねは、歩行者にとって非常に不愉快なもの。衣類が濡れてしまうのはもちろん、スマホなどの電子機器は故障する可能性すらあります。

歩行者側からすれば、衣類や所持品が汚れてしまうため、「クリーニング代」などを請求したいところ。

実際に「水はね・泥はね運転」をされた場合、損害賠償請求をすることは可能なのでしょうか。

■クルマの「水はね・泥はね運転」は交通違反

あまり知られていませんが、水たまりの上を走行する際に、歩行者に対して水や泥をかけてしまった場合、道路交通法違反となります。

=引用開始=
ぬかるみ又は水たまりを通行するときは、泥よけ器を付け、又は徐行する等して、泥土、汚水等を飛散させて他人に迷惑を及ぼすことがないようにすること。

道路交通法第71条第1項 運転者の遵守事項
=引用終了=
つまり、車にはぬかるみや水たまりを走行し、歩行者に水や泥をかけてしまうおそれがあるときは、徐行するなどして水や泥がはねないよう注意する義務があるのです。

「泥はね運転違反」に該当した場合、大型車7,000円、普通車・二輪車6,000円、小型特殊・原付5,000円の反則金が科されます。ただし、行政処分ではないため、違反点数の加点はありません。

■水はねの損害賠償請求は難しい

水はね・泥はね運転は、れっきとした交通違反であるとはいえ、実際には被害者は泣き寝入りになることがほとんどで、損害賠償請求は難しいのが現状です。

法律の専門家によれば、「水はねや泥はねによる損害賠償請求をするには、客観的な証拠が必要ですが、ドライバーはそのまま去ってしまうことがほとんどであるため、相手を特定することが困難です。

急に水をかけられて動揺している最中に、相手の車種やナンバーを控えることは、なかなかできないでしょう。」とのこと。

筆者地元の警察署にも聞いてみたところ、「泥はね運転違反による検挙は、警察官による現認がなければ難しいのが現状です。

『水はね・泥はねの被害を受けた』と相談される方もいらっしゃいますが、”証拠”がないため、相手も分からず終いになることがほとんどです。」とのこと。

警察官が水はね・泥はね運転をその場で確認した場合は取り締まりを行うようですが、相手が分からないことがほとんどであるため、泣き寝入りになるケースがほとんどであるといいます。

■ドライバーはクリーニング代を支払うべき?

水はね・泥はね運転は検挙される可能性が非常に低く、特定されることもほとんどないことから、雨天時に『歩行者に水や泥がかかってしまうかもしれない』という意識を持って運転するドライバーは少ないのではないでしょうか。

しかし、水はね・泥はね運転は道路交通法違反であるため、水たまりの上を走行する際は徐行するなどして、歩行者へ水をかけないよう配慮する必要があります。

実は筆者自身、一度だけ歩道を歩いていた男性に対して水をかけてしまったことがあります。その際、すぐにクルマを停めて謝罪し、クリーニング代を支払う旨を説明すると、『クリーニング代はいりません。謝罪だけで結構です。』と言われたことを鮮明に覚えています。

その場で謝罪すれば、被害を受けた歩行者も許してくれたり、クリーニング代だけで丸く収まる可能性が高くなるでしょう。

「運転者の遵守事項」として法令で定められている以上、走行時は水がかからないよう配慮するのが、ハンドルを握る者の務め。仮に水をかけてしまった場合はすぐさま謝罪し、クリーニング代を支払う意思があることを伝えることは当然であると考えています。

被害を受けた証拠が揃って訴えられれば、当然ドライバーは不利な立場になるでしょう。そうならないためにも、”ドライバーとしての責任感”を持ち、被害を与えてしまった時点で誠意ある対応をとることが大切といえます。

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