この記事をまとめると
■スズキはデリーオートエキスポでブランド初の世界戦略BEV「e VITARA」を公開した
伝説のカニ目じゃん……と思ったらカプチーノ!? 大人気旧車「オースチン・ヒーレー・スプライト MkI」を完コピしたレプリカがヤバすぎた
■今回のスズキのプレスカンファレンスにはヒョンデやタタの関係者も駆けつけていた
■スズキがBEVを投入することによりインドで一気にBEVが普及する可能性がある
インドでついに「e VITARA」をお披露目
スズキは2025年1月17日から22日までの会期で開催された、「第2回バーラト(ヒンディー語でインドの意味)・モビリティ・グローバル・エキスポ2025」の関連イベントのひとつとなる、「オートエキスポ2025(通称:デリーオートエキスポ)」会場内で行われたプレスカンファレンスにて、コンパクト・クロスオーバーSUVとなる「ビターラ(VITARA)」のBEV(バッテリー電気自動車)版となる「e VITARA(eビターラ)」を公開した。 “BEV版”と表現したものの、eビターラは“HEARTECT-e”というBEV専用プラットフォームを採用するBEV専売車となる。ちなみにeビターラは2024年11月にイタリア・ミラノで世界初公開されている。
今回のカンファレンスでも「グローバル」という発言が多用されているとおり、2025年夏ごろから、インド、欧州、日本など世界各地で順次発売されていくとのことであった。
ここまでだと、「スズキもBEVを出したのだな」で終わってしまうが、世界第3位の自動車市場において、圧倒的な販売シェアでトップブランドの地位を確固たるものとしているスズキが、ブランド初の世界戦略BEVをインドで発表したというインパクトは、日本では考えられないほど大きいことなのだ。
いままでインドにおいてビターラのようなコンパクト・クロスオーバーSUVスタイルのBEVとして思い浮かぶのは、インドブランドのTATA(タタ)ネクソンEVぐらいしか筆者は思いつかなかった。
かつてインド車の定番であった、ヒンドスタン・アンバサダー終売後は政府公用車としては、スズキのコンパクトセダンとなる「シアズ」が採用されることが多かったが、今回インドの首都デリーを訪れると、タタ・ネクソンEVの公用車が目立っていた。それだけ乗用車で手ごろなBEVというのは少なかったのだ(見た目が公用車といった印象ではないカジュアルさが目立つ)。
インドのBEV市場を席巻する可能性あり
そのなか、販売トップシェアのスズキが量販車種のBEVを初投入してきたのである。同じオートエキスポ2025の会場では、韓国ヒョンデ自動車がコンパクト・クロスオーバーSUVとなる「クレタ」のBEV版、「クレタ・エレクトリック」を発表しているのだが、「スズキのプレスカンファレンス会場には、ヒョンデやタタの関係者も駆けつけていたと聞いています(事情通)」というぐらい、eビターラの注目度が高かったのである。
さらにスズキは、今回のeビターラを「世界戦略BEV第一弾」としており、今後はインドをスズキブランドにおけるBEVの生産拠点にしていくとも報道されている。日本では「スズキ=軽自動車」というイメージが強いが、日本での登録車にカテゴライズされるスズキのモデルは、インド市場において非常に多くなっている。そのすべてをというわけでもないのだろうが、世界戦略モデルとして多数のBEV版を設定したり、新規にBEV専売モデルなども発表していけば、インド国内市場においてBEVでも優位性を高めていくことになる。
さらに、コンパクトな量販モデルがラインアップの中心になっているスズキで、今後BEVのラインアップが拡充されれば、インド国内でのBEV普及にもかなり弾みがつくことになる。
つまり、単にスズキがBEVを出したということだけではなく、インドにおいて乗用車レベルでも一気にBEV普及を加速させる第一歩がこのeビターラだともいえるのである。
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インドが本気でEVなるの?