■ハイソカーブーム以前に輝いていた「スカイラインセダン」
日産 スカイライン…それもプリンスから日産へとバッジを付け替えた3代目C10系から、ターボエンジンを手に入れて「名ばかりのGT」から卒業した5代目C210系あたりは、その黄金期だったかもしれません。
【推し車】心の中で走り続ける懐かしの名車・希少車たち vol.4 メーカー編その2
スポーティな2ドアハードトップだけでなく、4ドアセダンもスポーツセダンとして認められて販売実績も好調に推移しており、トヨタがコロナマークIIとその兄弟車でハイソカーブームの波に乗る前のスカイラインは、確かに輝いていました。
プリンス魂の健在ぶりを示すように、MOBY編集部がAIに聞いた「30~50代のクルマ好きが気になる名車」にもノミネートされています。
■初代GT-Rもあった「ハコスカ」・3代目C10系(1968年)
1966年に日産と合併後もプリンスの技術陣はスカイラインの開発を続けており、2代目S50系に続く3代目、最初から日産車としてデビューした初のスカイラインがC10系です。
無理やり直6エンジンを積んだ先代とは異なり、最初から直6を積むよう設計されたため、直4のショートノーズ版も直6のロングノーズ版もバランスがよいデザインで、後に追加されるGT-Rを待たずとも、スポーティな走りを予感させるには十分でした。
日産車になって、通常の「GT」が積む2リッター直6エンジンこそ日産純血のL20だったものの、GT-R用の2リッター直6DOHC24バルブエンジンS20や、1.5/1.8リッター直4エンジンはプリンス純血のG15/G18。
「プリンスの血を拒否した」誇り高きフェアレディZ432とは異なり、スカイラインはL20を積んだGTでも特に問題にならない柔軟さを見せ、GT-Rでなくとも魅力的なモデルです。
キャッチコピーは「愛のスカイライン」で、典型的なハコ型ボディから「ハコスカ」と呼ばれるものの、実にスマートで精悍な「ハコ」でした。
■歴代最多販売を記録した「ケンメリ」・4代目C110系(1972年)
この代からローレルとプラットフォームを共有した姉妹車という10代目R34まで続く関係が始まり、全てのクルマが大きくなっていくのに合わせ、車格を維持すべくスカイラインも大型化、それが時代にマッチして歴代モデルで最多販売を記録しました。
ファストバックの2ドアハードトップに対し、4ドアセダンはオーソドックスなノッチバックセダンであり、「ケンとメリーのスカイライン」というキャッチコピーから愛称は「ケンメリ」ですが、4ドアセダンに限っては「ヨンメリ」とも呼ばれます。
この代でも当然、直4ショートノーズ(エンジンは途中でプリンスG型から日産L型になった)版と直6ロングノーズ版があり、セダンにもGT系が存在して2ドアハードトップ全車ともども、現在までスカイラインのアイコンである丸四灯テールが初登場。
厳しくなる一方の排ガス規制、フェアレディZのように大排気量エンジンで3ナンバー化というわけにはいかない大衆向けアッパーミドルクラスセダンで、モータースポーツでの印相は薄いと思いきや、直4版のヨンメリはラリーで活躍しました。
サーキットではパワフルなエンジンを積めて有利なロングノーズですが、鼻先が短く旋回性能で有利なのは直4ショートノーズ版の方だったのです。
■ターボ化でGTが復権した「ジャパン」・5代目C210系(1977年)
ボディ表面を平滑にする「フラッシュサーフェス」や、クサビ型の「ウェッジシェイプ」といった1980年代に大流行する空気抵抗が少ない近代デザインの直前、先代より引き締まった5代目はキャッチコピーが「スカイラインジャパン」で、愛称も「ジャパン」。
排ガス規制がもっとも厳しくなる1978年(昭和53年排出ガス規制)を前に、先代途中から電子制御インジェクション(L20E)やNAPSと呼ばれる排ガス浄化技術で対処したものの、トヨタやいすゞが中断を挟みつつ存続させたDOHCエンジンはなし。
スポーツエンジンでもなく、ドライバビリティ的にも苦しいエンジンラインナップで、トヨタ セリカの広告では名指しを避けつつ「名ばかりのGT」と挑発されたものの、ターボエンジンL20ETを得てGTとして復権を果たします。
4ドアセダンにも搭載されたターボは、ブーストをかけると目前でみるみる燃料計が減っていく燃費の悪い代物でしたが、「大排気量エンジン並のパワーと考えれば低燃費の環境エンジン」という妙な理屈が通る時代でした。
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