グリッケンハウス・レーシングは、2024年にWEC世界耐久選手権のハイパーカークラスに復帰せず、同チャンピオンシップでのプログラムを終了するつもりであることを明らかにした。
チームオーナーのジム・グリッケンハウスはSportscar365に対し、自身の名を冠したチームが来年、ヨーロッパを中心に世界中を旅するシリーズにグリッケンハウス007を投入しないことを明かした。
グリッケンハウスにWEC撤退の可能性が浮上。カギは“アップデート資金”、富士への来日も未確定
それは世界的なスポーツカーレースのトップカテゴリーで3シーズンにわたって行われてきたアメリカンチームのプログラムが完全に停止することと、ハイパーカークラスが誕生した2021年のポルティマオ8時間レースでデビューし、その後ル・マン24時間レースで3年連続完走を果たしたグリッケンハウス007が役目を終えることを意味する。
このチームにおける直近のレースは、100周年記念大会として開かれたル・マン24時間レース後のモンツァ6時間レースであり、同チームが走らせるノンハイブリッド・ハイパーカーは、ナタナエル・ベルトン、オリビエ・プラ、ロマン・デュマのトリオによってドライブされ8位入賞を果たした。
そのモンツァで、グリッケンハウスはSportscar365に対しWECのハイパーカークラスに参戦する自動車メーカーが増加するなか、LMH(ル・マン・ハイパーカー)規定車の開発には多額の資金が必要となるため、プログラムが終了する可能性が大きいと指摘していた。
それから約3カ月後、彼はチームにとって4年目となる2024年シーズンに向け、近年にない盛況ぶりとなっているシリーズへの復帰を断念したことを認めた。
「とてもシンプルなことだ。私たちが(LMHプログラムを)始めたとき、一定のルールと一定の性能に合わせてクルマを作らなければならないと言われ、それを実行した」と語ったグリッケンハウス。
「何が起ころうともハイパーカー・ルールが有効な期間中は、公平かつ平等に競争するチャンスがあるという考えだったんだ。私たちは懸命に努力し、多くの資金を費やし、できる限りのことを行ってルールの範囲内でクルマを製造したが、将来に向けて公平で平等な道はないと感じた」
「だから、私たちが続ける意味はないと判断したんだ」
2022年途中に加わったプジョーをはじめ、今季2023年に参戦を開始したフェラーリ、ポルシェ、キャデラックといったハイパーカー勢が登場する以前から現行規定におけるトヨタの初期のライバルだったグリッケンハウスチームは、2022年のWECで3戦連続の総合表彰台と2度のポールポジションを獲得した。
そのピークは、ライアン・ブリスコー、リチャード・ウエストブルック、フランク・マイルーによって達成された同年ル・マンでの3位表彰台獲得だった。
WECでの3年間のハイパーカー・プログラム、とくル・マン24時間での活躍についてグリッケンハウスは「非常に誇りに思う」と述べた。
「私たちはル・マンで6つのレース(2台×3年)を戦い、6回とも完走した。我々は表彰台にあがることができたが、アメリカのチームがル・マンで表彰台に立ったのは50年以上ぶりのことだった」
「また、今年のル・マンではポルシェとプジョーに勝利した。これは驚くべき快挙であり、ファンが私たちのやっていることを愛していたと言ってもいいと思う」
「しかし、我々がこの先も(ハイパーカー・プログラムを)続けていくにはフェアな方法はなかった。いまや私たちは、より大きな資金力を持つ大手メーカーが放つ大砲の餌食になるほかない」
「(私は)彼らが好きなようにやることに興味はない。だから(WECのプログラムを続ける)意味がないんだ」
「プライベーターのクルマが、ル・マンでポルシェを打ち負かす以上のことができるのか……率直に言ってわからない」
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賢明な判断です〜。