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TGR WRCチャレンジプログラム2期生、2度目のWRC参戦で快走を見せるも3名全員にアクシデント

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TGR WRCチャレンジプログラム2期生、2度目のWRC参戦で快走を見せるも3名全員にアクシデント

 TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生として、ヨーロッパの数々のラリーに挑戦している大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀の3名が、8月3~6日にフィンランドで開催されたWRC世界ラリー選手権第9戦『ラリー・フィンランド』に参戦し、ラリー4車両を使用するRC4クラスでその速さを見せた。

 プログラム2期生の3選手にとって今回のラリー・フィンランドは、2月のラリー・スウェーデンに続く2度目のWRC参戦となった。3人は2022年にWRCチャレンジプログラムに参加して以来、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のホームであるフィンランドを中心に、テストやラリー参戦で学びを続けてきた。そんな彼らにとって地元同然のフィンランドで行われた今大会は、これまでの学びを実践する機会となった。

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 ラリー・フィンランドは、ジャンプやクレストが頻繁に現れる高速グラベルラリーとして有名だが、今大会は雨に見舞われたことでグリップレベルが変化しやすく、わだちも多い路面コンディションに。大竹、小暮、山本にとっては、2輪駆動のマシンでの参戦かつ、上位クラスの車両の後でステージを走ることとなり、非常に難しいラリーとなった。

■快走を見せるも全員に小さなミスが生まれる

 トヨタGRヤリス・ラリー1を駆りRC1クラスに参戦しているWRCチャレンジプログラム1期生、勝田貴元が複数のステージベストタイムを叩き出して総合3位表彰台を獲得したこの週末、勝田の後輩となる2期生のドライバーたちも力強い走りを見せた。彼らはこれまでのラリー参戦でも使用してきたルノー・クリオ・ラリー4を駆り、走行した21ステージのうち、19ステージでクラス最速タイムを記録した。

 山本/ミイカ・テイスコネン組はデイ2終了時点で小暮に19.5秒のリードを築き、デイ3のミッドデイサービスからの出発が遅れたことによる40秒のタイムペナルティを受けるまでは、その差をわずかに広げていた。ふたりは、この日の最後からふたつめのステージとなったSS17“ラプスラ2”まで接近戦を続けたが、両者ともに不運にもアクシデントに見舞われてしまう。

 山本は岩に接触したことでパワーステアリングを失い、数百メートル後には泥道でスリップしラジエターを破損。一方、山本がトラブルに見舞われた直後、小暮/トピ・ルフティネン組は高速セクションでリヤのコントロールを失って横転。リタイアを喫することとなった。小暮とルフティネンの両名は病院で検査を受けたが、幸いにも特別な治療は必要ないとの診断を受けている。

 大竹/マルコ・サルミネン組は、デイ2の朝に行われたSS5でコースをオーバーランし、タイヤをパンクしたことで約2分のタイムをロス。さらに、続くSS6でコドライバーのサルミネンとともにトラブルを発見し、デイリタイアとなってしまう。翌日のデイ3で再出走を果たした大竹は5つのステージでクラス最速タイムを記録すると、最終日も2本のSSでクラス最速タイムを記録した。

 SS17でトラブルに見舞われた山本も最終日に再出走し、週末を通じて合計8本のステージでクラス最速タイムをマークしてラリー・フィンランドを終えている。

 WRCチャレンジプログラムのインストラクターとして彼らの指導に当たっているミッコ・ヒルボネンは、彼らのスピードに満足しながらも、結果に繋げるために微調整が必要だと語った。

「今週末、選手たちが見せたスピードに満足しているよ。ラリー序盤、彼らは1番手、2番手、3番手とかなり接近して走っていたが、残念なことに全員が小さなミスを犯してしまった」

「全員本当にいいスピードを見せたが、最終的な結果として表れなかった。我々は彼らに、高速のステージを速く走れるようにペースノートを改善するよう指導してきたし、彼らはそれができている。我々は正しい方向に向かっていて、今後はミスを避けるために微調整が必要なだけだ」

■【ドライバーコメント】小暮「ペースノートに自信が持てた」

●山本雄紀(ルノー・クリオ・ラリー4/RC4クラス3位)
「ラリー・フィンランドに参戦できたことは良い経験になりました。本当に難しいコンディションで、慎重になりすぎたり、ミスもありました。そんな難しいなかでも、いくつかのステージで良いペースを出すことができ、いろいろなことを学ぶことができました」

「デイ3はとても残念でした。イン側の岩に接触してパワーステアリングを失い、ラジエターにもダメージを負ってしまいました。路面は本当にわだちが多く、かなり荒れていて、フィンランドでこのような路面コンディションになるとは思っていませんでしたが、ポーランドやラトビアでの経験が役立ったと思います」

●大竹直生(ルノー・クリオ・ラリー4/RC4クラス4位)
「週末を通じて雨に見舞われたため、トリッキーな路面コンディションで、避けなければならない岩がたくさんありました。簡単なことではありませんでしたが、ラリー・フィンランドへの参戦をとても楽しみました」

「デイ2の朝のフィーリングはとても良かったですが、“ハルットゥラ(SS5)”のステージのひとつのジャンクション(交差点)で、ブレーキングポイントをミスしてしまい、溝に落ちてタイヤがパンクしてしまいました。再出走後の土曜と日曜のフィーリングはとても良く、考え方を変えたらすべてがうまくいきました」

●小暮ひかる(ルノー・クリオ・ラリー4/リタイア)
「レッキを終えたときからペースノートに自信が持てていて、ラリーが始まってからも同様でした。最初のステージから自信を持つことができ、良いスピードが出せました」

「路面はウエットでぬかるんでいて、とても難しいコンディションでした。とてもチャレンジングでしたが、それでも本当に楽しいラリーでした。残念だったのは、SS17の高速セクションで、ラインをミスしてリヤが流れてしまったこと。必要以上に修正舵をあててしてしまい、車両が横転してしまいました」

「僕のミスですが、幸いにもトピ(・ルフティネン)も僕も無事でした。今回、スピードで山本選手に勝てたとは思っていませんが、これまでのイベントに比べれば、ペースはかなり近づいたと思いますし、進歩を感じることができました」

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