SUVブーム全盛のいま、ホンダが200万円台前半で買えるWR-Vを発表。過熱的様相を呈する国内コンパクトSUVシーンなだけにコスパの良いモデルは選びたい放題の状況にあるが、ここではその代表4車種を厳選して紹介。
文/FK、写真/スズキ、スバル、トヨタ、ホンダ、マツダ
新型WR-V狙うならヤリスクロスもあるぞ!! アンダー250万円で買えるコスパ最強SUV4選
■WR-Vの“最大のライバル”は兄貴分的存在のホンダ・ヴェゼルでしょ!
200万円台前半からの車両本体価格で2024年春に登場予定のWR-V。そのライバルはホンダ内にありと思わざるを得ない1台がヴェゼルではないだろうか。
というのも、ヴェゼルの唯一のガソリンモデルであるGグレードは239万9100円でハイブリッドの最廉価モデルであるe:HEV Xグレードでも277万8600円。
サイズもWR-Vが全長4325×全幅1790×全高1650mmに対して、ヴェゼルは全長4330×全幅1790×全高1580mm(e:HEV Zとe:HEV PLaYの2グレードは全高1590mm)と非常に似たような設定がなされているのだ。
現状公開されている情報では、WR-Vのほうがよりエントリー層に向けたモデルと判断できるが、価格に大差がないのであればヴェゼルを選ぶ人もいるのでは?
その魅力は多岐に渡るが、まずはスタイリッシュなエクステリアから。クーペライクなプロポーションもさることながら、全席で爽快な視界を提供するべく採用されたスリーク&ロングキャビンはユーザーからもすこぶる好評だ。
空力性能においても、F1パワーユニットの設計・開発などを行うHRD Sakuraの風洞実験施設で空力性能を徹底追求。エアロパーツを足すのではなく、各部の形状を最適化することで優れた空力性能も手に入れているのだ。
また、ヴェゼルのハイブリッドモデルではモーター走行を中心にさまざまなドライブモードを使い分ける独自の2モーターハイブリッドシステムe:HEVを採用。バッテリーのセル数を増やしてモーター出力を上げ、SUVにふさわしい力強い走りも実現している。
それでいて小型化したパワーコントロールユニットを荷室下からエンジンルームへ移動し、吸排気経路の最適化などを行ってヴェゼルの強みである広い荷室空間もしっかりと確保されている。
現在は一部タイプで受注を一時停止しているが、すべてを備えたヴェゼルの人気はまだ続きそうだ。
■トヨタのドル箱SUVヤリス クロスは充実のラインナップも魅力的すぎる
走り、利便性、安全性能など、すべてにおいて従来のコンパクトSUVの概念を一新したヤリス クロス。乗る人の個性やライフスタイルを彩る都市型コンパクトSUVとして、新たな価値も提供
日本自動車販売協会連合会が発表した2023年4~9月の車名別新車販売台数ランキング(乗用車)でNo.1に輝いたヤリスシリーズ。
その軽快な走りはもとより、先進の安全・安心技術や低燃費はしっかりと受け継ぎつつ、いまの時代に求められるコンパクトSUVの新しい価値を追求したヤリス クロスは2020年8月に登場。
軽快な走りを身上とするシリーズの派生モデルだけあって、サスペンションの一新によって獲得した軽快なハンドリングと上質な乗り心地はクラストップレベル。
加えて、さまざまな路面状況に対応する4WDシステムが採用されていることも特筆すべきポイントで、ガソリン車(車両本体価格212万7000円~256万2000円)ではオフロードや滑りやすい路面での走破性を向上し、路面状況に応じた走行支援を3つのモードから選択可能なマルチテレインセレクトを採用。
ハイブリッド車(車両本体価格251万5000円~293万6000円)も雪道などで安心な走行をサポートする電気式4WDシステムのE-FourをトヨタコンパクトSUVで初設定するなど機能も充実している。
また、ヤリスがもつ凝縮感やSUVならではの力強さ・存在感を表現したエクステリアや、ユーティリティ性にこだわった室内空間やゆとりあふれる荷室空間もヤリス クロスがコンパクトSUVであることを忘れさせるほどだ。
2022年8月にはGR SPORTをラインナップに追加。
剛性アップパーツ、サスペンション、電動パワーステアリング制御、パワートレーン制御、ラジエターグリル&リアバンパーロアカバー、アルミホイール、スポーティシートなど多岐に渡る専用装備が満載。
このように専用装備が充実しているにもかかわらず、ガソリン車は236万7000円、ハイブリッド車でも275万円というお手頃な車両本体価格は魅力的といわざるを得ない。
■上質でスタイリッシュなデザインにこだわるならマツダのCX-3に決まり!
スタイリッシュで都市的・先進的デザインをコンセプトに、色彩を抑えシックにまとめながらも要所に大胆な柄や素材を取り入れたCX-3の特別仕様車「Vivid Monotone」は2024年2月に発売
スカイアクティブ技術とデザインテーマの魂動を全面的に採用したマツダの新世代商品代第5弾として2015年2月にデビューしたCX-3。
上質かつスタイリッシュなデザイン、あらゆる場面での使いやすさを追求したサイズとパッケージング、素直に運転が楽しいと感じられる走行性能を高次元で融合したクロスオーバーSUVは、発売から約1カ月で1万台を超える累計受注台数を記録した。
CX-3のセールスポイントのひとつになったのは、マツダ初のクリーンディーゼルエンジン専用車だったということ。
2.5リッターのガソリンエンジンを上回るほどの大トルクによる力強い走りと25km/L(JC08モード)の優れた燃費性能を両立。
さらに、全グレードにオートマチックトランスミッションのSKYACTIV-DRIVEやマニュアルトランスミッションのSKYACTIV-MT、新世代4WDシステムのi-ACTIV AWDを設定。
加えて、カーコネクティビティシステムのMazda Connectや先進安全技術のi-ACTIVSENSEを搭載することで走る歓びと優れた環境・安全性能も提供した。
デビューからすでに8年が経過し、これまでの商品改良で熟成も進んだが、直近では2023年9月にMAZDA2とともに商品改良を発表。
オーナーからの要望が多かったコネクティッドサービス対応のマツダコネクトを全機種に標準装備するとともに、デザイン性の高さを深化させた特別仕様車のVivid Monotoneを新設定。
また、SKYACTIV-D1.8搭載車では出力を向上し、幅広いシーンでのトルクフルな走りが強化された。
現在はディーゼルエンジン車とガソリンエンジン車がラインナップされおり、ガソリンエンジン車であれば200万円台(227万9200円~295万200円)で新車が手に入る。
■スズキのクロスビーは日本の道路事情にぴったりなコンパクトさがウリ
全長3760×全幅1670×全高1705mmでWR-Vに比べるとひとまわりコンパクトでありながら、194万1500円~239万300円の車両本体価格からWR-Vのライバルになりえるのがクロスビー。
2017年12月に登場したクロスビーは使いやすくて広い室内空間をもつワゴンとSUVの楽しさを融合させた新ジャンルの小型クロスオーバーワゴンだが、まず目を惹かれるのは都会にもアウトドアにも映えるスタイリングにある。
そのコンセプトは“一緒に毎日の楽しさを広げていきたくなる愛すべき相棒”で、力強さと愛着のわくデザインを見事に両立。
独自の存在感が際立つシルエットにSUVらしいワイドなボディと細部まで丁寧に作り込んだこだわりの造形をプラスして、強いキャラクター性を大いにアピールしている。
また、力強い走りも魅力で1.5リッター自然吸気エンジンに相当する高出力・高トルクを実現した1.0リッター直噴ターボエンジンを全車に搭載。これに6ATを組み合わせることで発進時の力強い加速、登坂性能、高速走行時の燃費性能を高いレベルで融合。
ステアリングに装備されるマニュアルモード付パドルシフトを操作すれば、指先での素早いシフトアップ&ダウンも可能で思いのままに、スポーティな走りが楽しめることも走りにこだわる人にとってはうれしいところだろう。
小型クロスオーバーワゴンであるがゆえに荷室もコンパクトではあるものの、ラゲッジ側からシートバックスライドレバーが操作できて荷室容量の拡大調整が可能だったり、フルフラットや助手席を前に倒して広く使えるなど多彩なシートアレンジも可能だったりと使い勝手も良好。
日常使いもレジャーも5ナンバーサイズで十分に事足りるという人であれば、実はクロスビーが一番ちょうどいいSUVなのかもしれない。
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