もくじ
ー ベンツ、日本初のコンパクト・ディーゼル
ー ユーロ6d NORM規制 唯一クリア
ー 盤石な排気浄化デバイス
実車 メルセデス・ベンツGLB 220d 4マティック/GLB 200 世界初公開
ベンツ、日本初のコンパクト・ディーゼル
これまでメルセデス・ベンツのコンパクト、ミディアムクラスで「OM654」ディーゼル・エンジンを積むモデルは、日本にはEクラスとCクラスのみが導入されていた。しかし、昨年フルモデルチェンジされたW177系Aクラスに、今年の3月からディーゼル仕様が用意された。メルセデス・ベンツ日本としては初のコンパクト・クラスのディーゼル・モデルとなる。
欧州では先代のAクラスからディーゼル・ユニットを積むモデルが設定されていた。現行W177系では1461ccのA180dと、1950ccターボのA200d/A220dの2モデルが存在する。日本に導入されたのは、この内のA200dである。
フロントに搭載されるディーゼル・ユニットは既にC220dとE220dで使用されているOM654型をベースに、横置き用に手直しするとともにAクラスに合わせた出力特性に変更。エンジン形式はOM654qとされた。
このOM654型ディーゼル・ユニットは2016年にEクラスで初採用されたもので、前モデルとなるOM651型が2142ccであったのに対し、1950ccにスケールダウンしながらも各部の変更により最高出力は177psから194psに高められている。
排気量以外で最も大きな変更箇所は、クランクケースをアルミニウム製とし、通常であれば鋳鉄製シリンダーライナーを組み合わせるところだが、F1マシンやAMG車で既に使用されていたナノスライドでシリンダーにコーティングが施されているのである。
ユーロ6d NORM規制 唯一クリア
その昔の2輪車はアルミ製シリンダー内壁にポーラスメッキを施していたが、ナノスライドは耐久性を増すとともにフリクションを低減させた進化型といえる。
ナノスライドは2本のスティール・カーボンワイヤーをアーク放電で溶かしたものをシリンダー内壁にコーティングするもので、極薄の膜となるためシリンダーライナーに比べて大幅な軽量化を実現。またピストンはスティール製が採用され、熱膨張の違いを活かしてフリクションを低減させている。これらの基本からの見直しによりOM654型はOM651型に較べ約35kgの軽量化を実現した。
新たなディーゼルのスタンダード・ユニットとして作られたOM654型だが、Aクラスに搭載されるにあたり高い環境性能を実現している。
ヨーロッパでは2017年からユーロ6d-TEMP規制が始まり、2020年からより厳しいユーロ6d NORM規制が施行される。その規制値は、
・Nox:80mg
・PM:5mg
・RED NOx:120mg/km
というもので、現行のユーロ6d-TEMP規定の半分以下まで低減されるという厳しいレギュレーションである。そのユーロ6d NORM規制に加え、ステージ2 RDE(実路走行試験)も加わる規制をOM654q型は現時点で唯一クリアしているエンジンなのだ。
盤石な排気浄化デバイス
基本的な燃焼効率を高めることに加え、エグゾースト・ラインには川上側から酸化触媒、DPF(ディーゼル・パティキュレート・フィルター)にはSCR(選択触媒還元)コーティングが施されPMだけではなくNOxも処理し、低圧と高圧2つのEGRによりNOxを低減させる。排気系下流のちょうどフロア下には、さらにSCRとアンモニアの排出を防止するASC(アンモニア・スリップ触媒)が備わる。
これは、エンジンに急激な高負荷が掛かるような状況ではNOxを減らすために尿素が投入されるのだが、そのままではアンモニアが排出されてしまうため、ASCが組み込まれるという盤石な構成とされているのである。
こうしてクリーンな排気を実現したA200dに加え、先日発表された新型Bクラスにもディーゼル・モデルのB200dが加わり、コンパクト・クラスのディーゼル・モデルがより身近な存在となってきた。ディーゼルの経済性に目が行ってしまいがちだが、試乗してみるとスタンディング・スタートの鋭さに感銘を受けよう。トルクの厚いディーゼルであることに加え、フリクションを減らしてピックアップの良さを実現していることもあり、EV的な感触ともいえる。
ディーゼルは燃費は良いのだが遅い、というイメージをお持ちの方には一度試乗してみることをお勧めしたい。それまでの概念が大きく変わるはずだ。
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