アバルト伝説の魔改造マシン「1000TCR」
日本で権威の高いアバルトの愛好家クラブ「クラブ・アバルト・ジアッポーネ」のメンバーは、素晴らしい車両を取り揃えています。今回は歴代「フィアット アバルト」のなかでも、もっともアイコニックなモデルのひとつである「1000TCR」を紹介。正式名称「1000ベルリーナ コルサ ラディアーレ」を、23年間にもわたって愛用し続けているというオーナーさんからもお話しを伺いました。
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異常進化を遂げたアバルトのイル・モストロ(怪物)とは?
「ETC(欧州ツーリングカー選手権)」に代表される1960年代のツーリングカーレース用に開発された「フィアット 600」系アバルトはさまざまな発展モデルを有する。なかでもそれらの究極形となった「1000ベルリーナ コルサ ラディアーレ」。通称「1000TCR」は、OHVながらクロスフロー+半球形燃焼室の専用ヘッドを持つエンジンや、前後とも専用開発の足まわり、そして後世のGr.5シルエットフォーミュラを連想させる「イル・モストロ(怪物)」へと異常進化を遂げる。
エンジン片側に吸・排気マニフォールドが並ぶ従来型のカウンターフローに比べ、右側から吸気し、左側に排気するクロスフローの「ラディアーレ」ヘッドは明らかに燃焼効率が優れるうえに、スペースの問題から不可能だった大径のツインキャブレターも装着できるなど、パワー追及には非常に有利なヘッドだった。
このエンジンで、110ps以上のパワーを手に入れた1000ベルリーナ は、以前にも増して強力なレーシングマシンとなった。もちろん、このままのチューニングでは当時(1967)のFIA「グループ2」のホモロゲートは不可能で、1968-1969年シーズンは特殊ツーリングカーの「グループ5」にホモロゲートされることになるものの、1968年からはETC選手権の対象がグループ5に適用されたことも、アバルトには好都合な追い風となった。
1968~1971年までETC製造者部門タイトルを守り続けられた実力
こうして1968‐1969年シーズン、アバルト・ワークスは2年連続で製造者部門タイトル、さらに1969年シーズンにはドライバー部門タイトルも獲得というWタイトルを実現する。
そして1970年シーズン以降のETCは、再びグループ2で争われることになるのだが、この新レギュレーションで「ラディアーレ」搭載車もグループ2にホモロゲート、しかも前後フェンダーの拡大やリアのサスペンションアーム材質の変更までも許されることになった。これにより、車名も変わり1000ベルリーナ コルサ ラディアーレからフィアット アバルト1000ベルリーナ「ラディアーレ」グループ2となった。
有力プライベートチームにも販売が始まった1000ベルリーナ「ラディアーレ」グループ2仕様車は、1970年シーズン開幕とともに全欧のサーキットを舞台として大活躍を始めるが、その一方でワークスの参戦は激減していた。
それでも有力プライベーターの活躍も併せて1970‐1971年シーズンもETC製造者部門タイトルを守り続けたのは、このマシンの高性能ゆえのことであろう。
自ら手でメンテナンスをするオーナーのもと、20年以上も大切にされている個体
フィアット・アバルト1000ベルリーナ・コルサ・ラディアーレは、辛口の多いアバルト製レーシングベルリーナのなかでも火を吐くように激辛ながら、日本のアバルト系イベントでは、常に「クラブ・アバルト」重鎮たちによって3~4台が揃うのが当たり前になっている。元ワークスカーや名門サテライトチームカーなど、いずれも素晴らしい経歴の3台が揃うのは、本当は驚くべきことなのだ。
今回、富士スピードウェイ・ショートサーキットの「Gran Premio Scorpionissama(グランプレミオ・スコルピオニッシマ)」に、長年のオーナー、小笹博大さんとともに現れた1000ベルリーナ コルサ ラディアーレもまた、現役時代には有力チームのもとでレースに活躍した1台。しかも、「ラディアーレ」エンジンが完成された直後の1967年から、グループ5(特殊ツーリングカー)仕様で製作されたごく少数の内の1台とされる。
製作直後にデンマークのディーラーに引き渡されたこのクルマは、オーナーであるレーシングドライバー、ソン・ボルク・クリステンセンのドライブで、デンマーク国内選手権グループ5/1000cc以下クラスのレースで、見事にデビューウィンを飾った。
その後はデンマークや北欧のレースで1980年代まで活躍したのち、今世紀初頭にはクラシックカーレースにも姿を現し、元F1パイロットのヤン・マグヌッセンがドライブしたこともあったそうだ。2002年に当時のオーナーと直接交渉することに成功した小笹さんは、ついにこの小さな怪物を入手。5人目のオーナーとなった。
本職ではお堅い職業に就いているという小笹さんは、じつに23年もの長きにわたり自らメンテナンスしつつ、サーキットイベントやツーリングなどでも愛用。はた目には、この「イル・モストロ(怪物)」については酸いも甘いもすべて知り尽くしたようにも映るが、乗るたびに、あるいは触るたびにその奥の深さを思い知らされる。
それでも
「もう20年以上も乗り続けているんだから、あとは一生モノとして現状維持していきたいですね」
と答えてくれたのである。
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