チャイルドシートって、おいくら?
text:Kumiko Kato(加藤久美子)
【画像】殺人チャイルドシート、知ってる? 中国製未認証の実態【詳細】 全4枚
editor:Taro Ueno(上野太朗)
日本では2000年4月より6歳未満の子どもがクルマに乗るときにはチャイルドシートの着用が義務づけられるようになった。
それから何回かの安全基準の改訂があり、法制化から20年が過ぎたが、いまだに着用率は7割以下と欧米諸国に比べると著しく低い。
装着しない理由の1つに、「チャイルドシートが高くて買えない」という理由で買わない家庭も意外と多い。
新品のチャイルドシートはどれくらいの値段になるのだろうか?
小さな子どもがいる家庭なら相場はおわかりかと思うが、新生児から使える乳幼児兼用(新生児~18kg)はだいたい1万円~9万円台が実勢価格となる。
平均価格は店頭では3~6万円前後。通販だと1~3万円台が主流となる。
一番安いタイプは「シートベルト固定・回転機能なし・安全基準UN/ECE R44」になると思うが、このタイプなら最安値で8000円台から通販サイトで販売されている。
一方、現在アマゾンで販売されているもっとも高額なチャイルドシートは、エールベベブランド(カーメイト製)の「クルット・シェリール」で、こちらはISOFIX取付&回転機能付きの乳幼児兼用となる。
カーメイトの結城工場(栃木県)で生産されており、保証は業界最長の4年(エールベベの乳幼児兼用シートはすべて4年保証)がついて、価格は9万4200円。
アマゾンで販売されている国内外のチャイルドシートにおいて最も高い価格となっている。
高いチャイルドシートに理由はある?
では、このクルット・シェリール。
なぜこの価格になっているのか?
それは、他に例がない「電動(リモート)サンシェード」によるところが大きい。
電動サンシェードとはママと赤ちゃんとで乗っているときに便利な機能で、リモコンでサンシェードの開閉ができる。
ママが運転席、赤ちゃんが後部座席という状況では、急に日差しがクルマに入って来た時にシェードを閉じることが難しいが、リモコン操作が可能なこのタイプなら信号待ちなどでシェードを下げることができる。
逆に、シェードを閉じていて赤ちゃんの様子が気になった時や、周りの景色を見たいと言った時などもリモコンで簡単に開閉ができる。
このほか、足の部分を寒さや夏のエアコン風からガードする「ベビー・フットマフ」や眠った赤ちゃんの首をしっかり支える「スリープ・ピロー」などの快適装備も満載だ。
全般的に高価格帯のチャイルドシートには大きなサンシェードやフットマフなど赤ちゃんにとって快適な装備と、取り付けがしやすいISO FIX、高さ調整がレバー1つで簡単にできるヘッドレストや、軽い力で回せる回転機能、赤ちゃんを乗せる際に肩ベルトが跳ね上がるなど、パパママにとって使いやすい機能が充実している。
また、安全基準で言うと、2012年7月から日本(国交省)が採用しているUN/ECE R44よりも、最新の安全基準はUN/ECE R129(i-Size)の方が、価格帯は高くなる。
高いチャイルドシートが売れなくなった理由
そして、今年の春以降、高額なチャイルドシートの販売実績が低下しているという。
それはなぜなのか?
国産チャイルドシートメーカーの広報担当者に聞いてみたところ……
「理由はCOVID-19の感染拡大に大きく関わっています。特に自粛要請が出た4月以降ですね」
「チャイルドシートは法律で使用が義務付けられていますからクルマを使う人は必ず何らかの方法で購入するものですが、外出が自粛されていたことによって、通販で買う人が急増しました」
「ざっくりいうと、ママは楽天、パパはアマゾンで買うことが多いようです」
「通販の場合、人気のチャイルドシートは3万円以下が主流です。5万円以上の高額なチャイルドシートは、お店に行って選ぶという方が多かったのです」
「通販で買う人が増えたから高額なチャイルドシートが売れなくなった……という見方があります」
しかし、高額なチャイルドシートが売れなくなったのはまだ他にもあるようだ。
「初孫の場合はとくに『6ポケット(子ども1人に対して、両親/両祖父母の合計6人の財布があることを指した言葉)』と言われるように、パパママそれぞれのご両親が競うようにして高額な育児用品を買っていました。その場合、いずれかのご両親とベビー用品店に見に行って決めるんですよね」
「初孫ですから、とにかく盛り上がりますよね。『このお店で一番高いのをください!』など。そんな選び方をしていました。必然的に高額商品が売れていたのです」
買い方、コロナ禍で大きく変化?
「しかし、コロナ禍でそれは大きく変わりました。ご家族で賑やかに買いに来られるパターンはなくなり、大体、パパ1人で買いに来るようになりました」(国産チャイルドシートメーカーの広報担当者)
密を避けるため、高齢の両親に感染させないため、もちろん妊婦に感染させないために。
「パパが1人でクルマに乗って買いに来ますから、『一番高いやつ下さい!』という買い方はしませんよね。パパの好みで、リーズナブルなチャイルドシートが良く売れるようになりました」
コロナとは関係ない理由もある。
育児用品の量販店でチャイルドシート売り場を担当するスタッフはこう分析する。
「チャイルドシートをプレゼントに使う例が減っているからではないでしょうか?」
「昔は出産祝いにサプライズプレゼントする、ということもよくありました。売り場に初孫の誕生を心待ちにする祖父母様がいらっしゃって……『とにかく一番高いものを』といって、あまり調べもせず、10万円近いチャイルドシートを買われていましたね」
「しかし、最近ではそれも減ってきています。チャイルドシートを選ぶ上でまず大切なのは車種適合だということが、浸透してきたからではないかと思います」
「どんなに高額で安全性が高くても、適合がバツなら装着できません」
「車種名や型式名、年式などを事前に知る必要があるのでサプライズでのプレゼントは難しくなり、高額なチャイルドシートはあまり売れなくなってしまったのです」
高額なチャイルドシートがあまり売れなくなった理由は様々にあるようだが、チャイルドシートでもっとも大切なことは言うまでもなく車種適合である。
チャイルドシートメーカーの公式サイトには必ず車種適合が確認できるページがある。
そこでまずは確認をして、適合で〇となったものの中から選ぶのがマストだ。
車種リストに自分のクルマがなければ、電話で確認してみて欲しい。
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
みんなのコメント
アラフォーで1人目だった自分は車二台持ちなので貰い物と、コンビの一番安いやつで乗り切った。
台座が回転するタイプは非常に便利そうで魅力を感じたが1歳半あたりになれば、チャイルドシートが窮屈になり乗せおろしも大変になる。そうすると今度はジュニアシートが使えるので、思い切って高いジュニアシートを買った。チャイルドシートは欲しい人に譲った。
使用期間を考えればチャイルドシート安い物か、中古品で充分です。
ジュニアシートは成長に応じてベルトを外したり、座面だけにしてブースターモードにしたりと長く使えるので1歳半くらいでチャイルドシートを使ってる方には買い替える事をオススメしたい。