現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【試乗】ホンダN-ONE e:は「軽EVの理想形」! 300km近い航続距離も取りまわしも装備も納得のデキだった

ここから本文です

【試乗】ホンダN-ONE e:は「軽EVの理想形」! 300km近い航続距離も取りまわしも装備も納得のデキだった

掲載 20
【試乗】ホンダN-ONE e:は「軽EVの理想形」! 300km近い航続距離も取りまわしも装備も納得のデキだった

 この記事をまとめると

■ホンダが新たに投入した軽EV「N-ONE e:」に試乗

【試乗】ジャパンモビリティショーで話題のホットハッチ「ホンダ・スーパーワン」に乗ったぞ! まるでミッドシップスポーツのようなハンドリングに興奮が抑えられない

■高剛性ボディと静粛性に加えて外部給電機能で「走る電源」としての価値も確立

■295kmの航続距離と優れた操縦安定性でサクラ/eKクロスEVの好敵手となるだろう

 ホンダが満を持して投入する軽乗用EV

 軽自動車のBEVでは、すでに日産「サクラ」/三菱「eKクロスEV」が軽自動車として初の日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど高い評価を得ており、最前線を担ってきた。ホンダもHONDA eやN-VAN e:などのBEVモデルを登場させており、BEVにも積極的な姿勢を示している。

 そして今回、新たな切り札として「N-ONE e:(エヌワン イー)」を投入してきた。ベース車両は既存のガソリン版N-ONEであり、N-VAN e:のコンポーネンツを流用することでEV化し、「軽EV第2世代」の標準を再定義しようという意欲が感じられる。

 先行するサクラ/eKクロスのEVの航続距離がWLTCモードで180kmであるのに対し、N-ONE e:はホンダの伝統思想であるマンマキシマム/メカミニマム(M・M)を織り交ぜながら、295kmという長い航続距離を実現。EV軽自動車でもガソリンエンジン搭載車に迫る実用性と力強い走行性能を両立させている。

 駆動用メインバッテリーは29.6kWhでキャビン床下に搭載。ガソリン車ではセンタータンク方式だった利点がバッテリー搭載面でも生かされている。サクラ/eKクロスEVは20kWh級バッテリーだった。よって、N-ONE e: はバッテリー容量で1.5倍近くをもたせ、航続距離でも1.5倍強という優位性が確保されているわけだ。

 モーターの出力については、軽規格上の制限もあって64馬力だが、最大トルクは162Nmと強力だ。ただ、サクラ/ekクロスEVは195Nmと2リッターガソリンエンジン車並みの大トルクであることと比べると数値的には小さくなっている。

 だが、ホンダのエンジニアによれば、最終減速比を11.0とサクラ/ekクロスEVの8.15より大きく設定したことで、実際の駆動トルクでは1720Nmが引き出され、サクラ/ekクロスEVの1534Nmを上まわっているのだという。

 では、実際に走らせてみよう。発進時、アクセルを軽く踏むと、その瞬間からモーターは静かに応答を始める。従来のBEV車に多くみられた驚くような加速フィールは抑え込まれ、市街地でも扱いやすい特性が与えられているようだ。だが、駆動トルクの強さに支えられ、スロットルを踏み増せばいかなる状況でも加速できる余裕がある。

 信号待ちからの加速でもストレスを感じさせず、登坂など高負荷域においても軽自動車とは思えないトルクの余裕を潜めている。今回は試していないが、最高速度は130km/hで、モーター回転数は2万回転に達するという。しかし、モーターの回転音はいかなる回転域、走行状態でもほとんど無音で、防振・防音対策が徹底され、室内は驚くほど静かで快適。走行感覚的な質感も高級車クラスのような出来ばえだ。

 街なかの速度域(30~60km/h)では、スロットルペダルの稼働ストロークが大きめに設定され、神経質な操作感から解放されている。アクセルの入力に対して穏やかにトルク制御され、再加速や追い越し加速も十分対応できる余裕があり、ストレスをまったく感じさせない。このあたりは「EVならではの滑らかで力強い加速感」としてしっかり特徴づけられている。

 EVらしさと扱いやすさを共存させた高いドライバビリティ

 また、N-ONEベースのコンパクトなパッケージングゆえの車重の軽さも味方しており、重心が低く運動性能面でもアドバンテージを生んでいる。3 in 1チャージャー(普通充電、急速充電、外部給電)とe-Axle、電動コンプレッサーを小さく一体化して極小のフロントボンネット内に納めた。ホンダM・M思想は電動化においても優れた適応性を示し、いかに先見性の高い思想であったかが改めて示されたといえるだろう。

 車体剛性もバッテリー搭載に関連したフロア剛性を中心に高まり、重心高がN-ONEより62mmも低下したこと、トルク制御でピッチングを抑制したことと相まって、旋回時もフラットな姿勢を維持し操縦安定性も優れている。ただし、軽自動車ゆえの制約として、段差通過時の突き上げ感は皆無とはいえず、ダンパーセッティングやタイヤのショック吸収性が乗り心地性能を決定づける要素になる。

 軽いとはいえ絶対重量として車両重量が1030kgあり、積載重量の大きなN-VAN e:のサスペンションスプリングやショックアブソーバをベースにセッティングしているため、乗り味はやや硬い。とくに後席での突き上げは強く感じられ、バッテリー搭載で後席足もとフロアが27mm高くなり、シート座面との高さが狭まって着座姿勢が窮屈になってしまっているのは残念なポイントだった。

 N-ONE e:には、アクセル操作だけで加速・減速・停止制御を行えるシングルペダル制御機能が搭載される。この機能の使い勝手こそ、軽EVにおける日常性能を決定づける鍵のひとつといえる。実際に操作を試すと、アクセルを戻したときの減速感の立ち上がりがやや鋭めに設定されており、渋滞路や信号での停止挙動を決めやすい。完全停止まで自然にもっていくことができ、ブレーキペダルへの移行頻度を抑えてくれる。コースティングとの共存をいかに簡潔に切り替えるのかが今後の課題といえるだろう。

 総じて、N-ONE e:のドライバビリティは非常に高いレベルにある。軽自動車ゆえのサイズ感と、最小回転半径4.5mという取りまわしのよさをキープしながら、EVらしい滑らかで力強い加速、ストレスレスな応答性が実感できる。とくに都市部での使いまわし性能は、「軽EVとしての理想型」に近づいた印象を受けた。

 さらに、V2H/V2Lや給電機能を備えることで、単なる移動手段に留まらない「電源保有装置としてのクルマ」への拡張性を与えてきている点も現代的だ。専用設定の外部コンセントを接続すると、最大3000Wの電気製品を使用できる。お湯を沸かしながらホットプレートを使う、といったような30Aの家庭電源環境と変わらない実力を発揮する。

 メインバッテリーを温める機能でマイナス35度の環境でも通常の性能が発揮でき、充電性能も維持される。このように、N-ONE e:は軽EV市場でホンダが存在感を示すために十分なポテンシャルを与えたクルマであり、サクラ/eKクロスEVに対する差別化も明確だ。あとは四輪駆動があれば、各地で歓迎されるのは目に見えているのだが。

文:WEB CARTOP 中谷明彦
【キャンペーン】第2・4金土日は7円/L引き!ガソリン・軽油をお得に給油!(要マイカー登録&特定情報の入力)

こんな記事も読まれています

ターボってガソリン喰いまくりのエンジンじゃなかったっけ? いまどきのターボがむしろ省燃費な理由
ターボってガソリン喰いまくりのエンジンじゃなかったっけ? いまどきのターボがむしろ省燃費な理由
WEB CARTOP
【試乗】欲しいものは全部揃いました! 新型日産ルークスは「見えルークス」「映えルークス」「積めルークス」のCM以上に「おすすめできルークス」だった
【試乗】欲しいものは全部揃いました! 新型日産ルークスは「見えルークス」「映えルークス」「積めルークス」のCM以上に「おすすめできルークス」だった
WEB CARTOP
【MTとスポーツカーの楽しさを日常に】フォレスターとスバル2台体制スタート!黒木美珠がBRZ STIスポーツとの生活をレポート
【MTとスポーツカーの楽しさを日常に】フォレスターとスバル2台体制スタート!黒木美珠がBRZ STIスポーツとの生活をレポート
AUTOCAR JAPAN
新型GR GTは、なぜV8の過給エンジンを採用したのか?
新型GR GTは、なぜV8の過給エンジンを採用したのか?
GQ JAPAN
日産の新型「ルークス」に注目! “クラストップ”の室内空間や「ミニバン並みの収納力」がイイ! 内外装デザイン&パワトレ異なる「2つの仕様」を乗り比べて分かった実力とは?
日産の新型「ルークス」に注目! “クラストップ”の室内空間や「ミニバン並みの収納力」がイイ! 内外装デザイン&パワトレ異なる「2つの仕様」を乗り比べて分かった実力とは?
くるまのニュース
価値ある398万2000円──新型BYDシーライオン6試乗記
価値ある398万2000円──新型BYDシーライオン6試乗記
GQ JAPAN
【最新モデル試乗】ホンダのイメージリーダーはどっち!? 「非日常のときめき_プレリュード」と「FF世界最速_シビック・タイプR」の気になる関係性
【最新モデル試乗】ホンダのイメージリーダーはどっち!? 「非日常のときめき_プレリュード」と「FF世界最速_シビック・タイプR」の気になる関係性
カー・アンド・ドライバー
祝・プレリュード復活! とはいえ新車は高くて買えないので歴代の中古車を探してみた結果けっこう難しい選択だった
祝・プレリュード復活! とはいえ新車は高くて買えないので歴代の中古車を探してみた結果けっこう難しい選択だった
WEB CARTOP
【詳細解説】メルセデス新型「GLB」世界初公開。800V・航続631kmを実現し、伝統の「7人乗り」も守り抜いた多才な進化
【詳細解説】メルセデス新型「GLB」世界初公開。800V・航続631kmを実現し、伝統の「7人乗り」も守り抜いた多才な進化
LEVOLANT
【新型試乗】スズキ(SUZUKI)Vストローム250SXは「オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル」!
【新型試乗】スズキ(SUZUKI)Vストローム250SXは「オンロードメインで楽しむ扱いやすいツアラーモデル」!
WEBヤングマシン
次世代ホンダを占う「次の一手」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
次世代ホンダを占う「次の一手」【石井昌道の自動車テクノロジー最前線】
グーネット
「クルマの心臓なのに他社製ってアリ?」アリなんです! 他メーカーのエンジンを載せててもパッション全開のクルマ3選
「クルマの心臓なのに他社製ってアリ?」アリなんです! 他メーカーのエンジンを載せててもパッション全開のクルマ3選
WEB CARTOP
新時代は人気SUVから BMW iX3 50に初試乗 技術は飛躍的な進歩 UK編の第一印象は?
新時代は人気SUVから BMW iX3 50に初試乗 技術は飛躍的な進歩 UK編の第一印象は?
AUTOCAR JAPAN
軽スーパーハイトワゴンに強力な選択肢!新型日産ルークスはN-BOX、スペーシア、タントの3強にどこまで肉薄?【公道で実力をチェック】
軽スーパーハイトワゴンに強力な選択肢!新型日産ルークスはN-BOX、スペーシア、タントの3強にどこまで肉薄?【公道で実力をチェック】
AUTOCAR JAPAN
新車20万円台も! ホンダ「“新”原付」発売! “110cc”カブやディオが「普通免許」で乗れる!? 「50cc終了」でも安心の「ライト」とは
新車20万円台も! ホンダ「“新”原付」発売! “110cc”カブやディオが「普通免許」で乗れる!? 「50cc終了」でも安心の「ライト」とは
くるまのニュース
トヨタ最新「“3列7人/8人乗り”ミニバン」が凄いッ! 世界初「画期的ドア」&メーカー初の”安全機能”や運転支援技術がもり沢山! 人気トップ10にもランクインしている大人気「ノア」の革新的技術って?
トヨタ最新「“3列7人/8人乗り”ミニバン」が凄いッ! 世界初「画期的ドア」&メーカー初の”安全機能”や運転支援技術がもり沢山! 人気トップ10にもランクインしている大人気「ノア」の革新的技術って?
くるまのニュース
ホンダが2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開
ホンダが2020年代後半に投入予定の電動車向け次世代技術を公開
@DIME
【最新モデル試乗】BEVは速さの基準を変える! 0→100km/h加速3.6秒を誇るボルボEX30の刺激と洗練
【最新モデル試乗】BEVは速さの基準を変える! 0→100km/h加速3.6秒を誇るボルボEX30の刺激と洗練
カー・アンド・ドライバー

みんなのコメント

20件
  • van********
    サクラ乗ってるけど実際180kmなんて走らん。
    いいとこ150kmぐらい。
    これは実働200kmぐらい走りそうだから、使い勝手は良さそう。
  • ext********
    通勤や買い物しか使わない、近距離移動ならいいかもね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

176 . 8万円 231 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7 . 8万円 262 . 5万円

中古車を検索
ホンダ N-ONEの買取価格・査定相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

176 . 8万円 231 . 9万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

7 . 8万円 262 . 5万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村