この記事をまとめると
■高級ミニバンとしてトヨタのアルファード・ヴェルファイアは大人気だ
【試乗】新型アルファードの2列目席は豪華さと快適さがヤバい! 走りも大幅進化したが一般道では少し気になる点もアリ
■1000万円を超えるグレードも存在しているがこれらの人気も高い
■装備やスペックを考えると充分にその価値はありそうだ
超高級ミニバンの存在意義
2023年6月21日、ついに約8年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたトヨタの、いや、現時点で国内最上級ミニバン、先代の言葉を借りれば「大空間サルーン」というべき4代目アルファードと3代目ヴェルファイアが登場した。
以来、ハイエンドミニバンを求めるユーザーのファミリーユースはもちろん、現代のショーファーカーとしてアルファード(とヴェルファイア)はこのクラスを独走。KINTOならともかく、ごく普通に購入するハードルも高まっているほどだ。
実際、トヨタのHPで納期を見てみると、ライズが2~3カ月程度、クラウンエステートPHEVが3~4カ月程度(2025年4月30日現在)とあるなかで、超人気のミニバンは、アルファードを含め「詳しくは販売店にお問い合わせください」となっている。
そんなトヨタ・アルファードは2023年6月の登場時、上級グレードのみで、価格はHV Zの2WDで620万円、4WDのE-Fourで642万円。当時の最上級グレードとなるエグゼクティブラウンジが2WDで850万円、E-Fourが872万円という値付けだった。
2015年に発売された3代目アルファードがガソリン車で約320万円(Xグレード)、2018年10月の一部改良時のHVモデルが約463万円(S/7人乗り)だったわけで、現在の中心グレードとなるZ HVの635万円(2WD)は、原材料価格高騰などの理由はあるものの、かなりの値上げ、高級車価格になっているのである。今では廉価グレード、レンタカーにも対応しやすい2列目ベンチシートの8人乗りのXが加わったとはいえ、それでも510万円(2WD)なのだ。
が、アルファードの進化は止まらず、2024年12月にアルファード、ヴェルファイアにPHEVを追加。Z、エグゼクティブラウンジの7人乗り(2-2-3席)とは違い、より贅沢な6人乗り(2-2-2席)として、価格はついに1000万円オーバー(アルファード1065万円・ヴェルファイア1085万円)にも達しているのだからびっくりだ。※駆動方式はE-Fourのみ。
PHEVモデルは大容量リチウムイオンバッテリーを、室内空間を犠牲にせず車体中央の床下に搭載し(HVはニッケル水素電池を前席床下に搭載)、重心をHV比で約35mm下げるとともに、満充電状態でのEV走行換算距離は73kmを誇り、トヨタの説明によれば「ショーファーユース」の日常移動の多くでEV走行を可能にしている……とある。ボディ骨格の最適化で一段と揺れを抑え、「スムーズストップ」と呼ばれる停止間際のノーズダウンを抑制するというユニークな制御も加わり、より上質な乗り心地を実現している。システム最高出力はHVの250馬力に対して306馬力となる点も注目だ。
結論! 1000万円オーバーの価値あり!!
特等席となる2列目席はHV同様、PHEVでも自動車としては最上級、新幹線のグリーン車以上の快適感と機能が備わっている。キャプテンシートの贅沢なかけ心地はもちろん、プライベートジェットをイメージしたその空間は、従来、天井左右に配置、点在していた照明、各種スイッチ、後席エアコン吹き出し口などの機能をルーフ中央にある、新開発されたスーパーロングオーバーヘッドコンソールに集約。
エグゼクティブラウンジの場合は左右各席にあるスマホサイズの取り外し可能なリヤマルチオペレーションパネルによって、多彩な機能を手もとで(スーパーロングオーバーヘッドコンソール側などでもOK)、指先ひとつで操作できるようになっているのだからたまらない(反対側の操作も可能)。
もっとも、3列目席が3人掛けの比較的フラットなものから、左右席を分けた5:5分割スペースアップシートの2人掛けとなり、前後席間距離がこれまでより10mm広がっているとはいえ、依然、秘書席、付き人席、荷物置きスペース、あるいは格納して使うのがショーファーカーとして相応しい座席となるはずだ。
肝心の2列目席の快適感はPHEV化による、先に触れた満充電でWLTCモード73kmのEV走行(実際には60km前後が多い)、低重心、スムーズストップ機能、遮音材の追加などにより、一段と高まったことは明白。モーター走行距離の長さは、まさに新幹線のグリーン車、グランクラスに匹敵する移動感覚を、よりプライベートな環境で可能にしてくれるというわけだ。状況によっては新幹線より静かだ(エンジンがかかったとしても気づきにくい)。
その上で、ショーファーとなる運転手の運転感覚はPHEVならではの電動感が強い走りやすさ、走りの気もちよさが際立つものになり、運転手としても運転が苦にならない。これはこのクルマを買ったものの、まず後席に座ることのないファミリーユースのドライバーにとっても嬉しいに違いないのである。
では、アルファードPHEVの1000万円オーバーという価格をどう見るか。
エグゼクティブラウンジ(HV)狙いの予算があるということなら、HVとPHEVの価格差は165万円だ。その多くは大容量リチウムイオンバッテリー、EV航続距離の長さ、306馬力ものシステム出力、さらなる車内の静かさなどにあてられるわけだが、充電設備が家や会社、起点の近くにある前提では、ショーファーカーとしての資質は165万円の価格差を補って余りあるものといえそうだ。もっとも、ファミリーミニバンとしては、ともにAC100V/1500Wコンセントが使える点を含め、HVで十分すぎる……といい換えることもできるだろう。
ところで、アルファードには、トヨタ車体特別架装者として、Spacious Lounge(スペーシャスラウンジ)が企画・開発されていることをご存じだろうか。アルファードのエグゼクティブラウンジPHEVには2座の3列目席が残されて(!?)いるが、こちらは2023年のジャパンモビリティショーのトヨタ車体のブースですでに「ヴェルファイア(先代)スぺ―シャスラウンジコンセプト」として参考出品されていたモデルで、3列目シートはオミットされ、その分2列目の空間が大きく確保されている。
その実車こそ、アルファードのエグゼクティブラウンジをベースにしたSpacious Lounge(スペーシャスラウンジ)であり、価格は、な、なんとHVで1272万円、PHEVで1480万円という値付けとなる。ミニバン=3列シートという常識を覆す、レクサスLMの4人乗り仕様のトヨタ版、アルファード版ということになるだろう。
特等席の後席はベース車より足もとスペースが約420mm広がり、前席背後には大容量の冷蔵庫、フロアに手荷物収納用の大型トレイ、前後席を隔てるカーテン、最大9着の服が収納可能なラゲージ洋服掛けなどを完備。VIP専用車としてだけでなく、タレントの送迎車、着替え用の空間としてもベース車のアルファード以上の居心地のよさ、便利さが実現されているわけだ。
ちなみにレクサスLM(HV AWDのみ)の4人乗りは2000万円だ。リヤ席前方、前席との間に48インチの大型ワイドディスプレイを備えたパーテーションや冷蔵庫(500mlのペットボトル6本収納可)を配置するなど、アルファードSpacious Lounge以上のとんでもない豪華さである。
アルファードはSpacious Loungeでも外観からではベース車のアルファードとの見わけはまずつかず、今や街に溢れ返っている存在だ。その点では、レクサスLMのほうが個性、傍観者からの特別感はありそうだが、アルファードSpacious Loungeはオーナーの内なる満足感、充実感に対価を払うべきスぺーシャラスなラウンジ移動車ということになるだろうか。
本題の「アルファードのPHEVや4人乗り仕様にプライス相応の価値はあるのか?」という問いについては、使いこなせる人にとっては間違いなく、価値アリといっていい。
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みんなのコメント
大人ばかりならまだしも、子どものいる家族なら極めて過剰な装備の数々。
結論、それだけの価値無し。
・家族のためじゃないから
・庶民のためじゃないから
・センスのない人のためだから
そんな価格のものがあるんですよ。