アウディのBセグコンパクトハッチが2代目に、先代よりスポーティな仕立てへと進化を果たした。最量販プラットフォームであるMQBの採用により居住空間も拡大、さらに磨きのかかった走り……。そんな2代目の悩ましい点とは?
広くなった室内に最新運転支援システムも搭載
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2019年末に国内導入が開始された2代目アウディA1のボディ骨格は、VWグループの最量販プラットフォーム、MQBとなり、居住空間を拡大、また運転支援システムなどが最新のものへとアップデイトされた。
ラインアップは「35 TFSI Sライン」と「35 TFSIアドバンスト」の2グレードで販売が始まったが、2020年6月には、1リッターエンジンを搭載した廉価版の「25 TFSI」を追加し、販売台数の増加を図っている。
試乗車はティオマングリーンというソリッドカラーでルーフ部をブラックに塗りわけたコントラストルーフの「35 TFSI Sライン」だった。ボディサイズは全長4045mm、全幅1740mm、全高1435mmととてもコンパクトだ。
エクステリアの特徴は、ボンネット先端に設けられた3分割スリットやワイドなCピラー、そしてリアのブリスターフェンダーなどスポーティな要素を備えていること。これらは1984年にデビューしてラリー界を席巻したアウディスポーツクワトロへのオマージュであり、最新のアウディデザインとしてR8を筆頭に、セダンやSUVモデルにも取り入れられている。
インテリアは、10.1インチのタッチ式センタースクリーンやエアコンの操作スイッチ類などダッシュボード中央部分がわかりやすくドライバーに向けて傾斜しており、フラットボトム形状のステアリングとともにドライバーズカーである雰囲気を盛り上げている。後席の居住空間は先代比でホイールベースを95mmも延長したことで、178cmの男性が膝周りや頭上にゆとりをもって着座が可能。ラゲッジスペースも65リッター拡大している。
Bセグのハッチバックとは思えぬ安定感
エンジンは、従来の1.4 TFSIの進化版となる1.5リッター直列4気筒ターボ、1.5TFSIで、高圧の直噴システムの採用などにより最高出力 150ps、最大トルク 250Nmを発揮。トランスミッションは7速Sトロニックを組み合わせる。低負荷の状態で2気筒を停止する気筒休止システム・シリンダーオンデマンド(COD)を備えており、カタログ燃費は15.6km/L(WLTCモード)ながら、高速道路をメインに走行した際には燃費計は20km/Lにせまる数値を表示していた。
足元には、215/45の17インチサイズのブリヂストン製のTURANZA T005を装着。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームというベーシックな組み合わせで、可変ダンパーなどは備えていないが、Sライン用のスポーツサスペンションが備わる。MQBを採用するモデルに共通する走り出しの滑らかさはこのA1ではさらに磨きがかかっており、直進安定性は高く、さらにフラットな姿勢を維持したままコーナーをクリアしていく。スポーツサスペンションのためか低速では少しばかり突き上げを感じる場面もあったが、高速道路などではとてもBセグメントのハッチバックとは思えない安定感をみせる。適度なホールド感のあるクロスとレザーのスポーツシートも心地いい。
しかし、なんとも悩ましいのが391万円という車両価格だ。試乗車にはさらにBang&Olufsenサウンドシステムやナビゲーションパッケージや、スマートファンインターフェイス、Sラインインテリアパッケージなどなど、約100万円のオプションが搭載されていた。ここまでの予算を捻出できるのなら、そして駐車スペースに問題がないのであれば、もうすぐ国内でも発売される新型A3とも比較検討しても良さそうだ。
文・藤野太一 写真・柳田由人 編集・iconic
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みんなのコメント
ドイツ車、最近デザイン全滅だな!