現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【いま選ぶべき輸入車】「メガーヌ R.S TROPHY」「A1 Sportback」「XT6」「マカンS」「パナメーラスポーツツーリスモGTS」

ここから本文です

【いま選ぶべき輸入車】「メガーヌ R.S TROPHY」「A1 Sportback」「XT6」「マカンS」「パナメーラスポーツツーリスモGTS」

掲載 更新
【いま選ぶべき輸入車】「メガーヌ R.S TROPHY」「A1 Sportback」「XT6」「マカンS」「パナメーラスポーツツーリスモGTS」

■連載/金子浩久のEクルマ、Aクルマ

 今年も2月に神奈川県大磯で開催されたJAIA(日本自動車輸入組合)の合同試乗会に参加した。限られた条件ではあったが、個性豊かなキャラクターが揃う輸入車ならではの魅力を多数発見。クルマを乗り換えるたびに新鮮な気分になるだけでなく、あらためてクルマの楽しさを感じることができた。今が旬の輸入車を厳選して紹介していこう。

【いま選ぶべき輸入車】ミニ「MINI John Cooper Works Clubman」vsルノー「トゥインゴ」

ルノー「メガーヌ R.S TROPHY EDC」

 ホンダ「シビック Type R」と、FF車(前輪駆動)世界最速を競って、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースのラップレコードを更新し続けているルノー「メガーヌ」のスポーツ版「メガーヌ R.S(ルノー・スポーツ)」。その「メガーヌ R.S」に各種の専用パーツを組み込み、さらなる性能アップを図ったのが「メガーヌ R.S TROPHY」だ。EDCとは、ツインクラッチタイプの6速ATのこと。6速MT版も10万円安(定価489万円)で用意されている。



 バケットシートに座り、300馬力を発生するエンジンを掛けて走り始めても、レーシングマシンに近いようなスゴみは感じられない。大磯周辺の西湘バイパスの最高速度60km/hの範囲内では、いたって普通のクルマの振る舞いである。

 ただ、非常に建て付けの良いボディーと滑らかな動きのサスペンションが印象的で、スムーズな走り出しが印象深い。「メガーヌ R.S TROPHY」は、その60km/h以下のコーナリングでは前輪の向きと逆側に、60km/h以上では同じ向きに後輪が切れる。その狙いは低速域では回転半径を小さくして小回りできるようにし、中高速域ではコーナリングの安定性を確保するためだ。

 大磯プリンスホテルの広い駐車場で60km/h以下の機敏性は確かめることができたが、60km/h以上の安定性までは確認できなかった。実力のホンの一端の、さらにその一端しか確かめることはできなかったが“ニュルブルクリンクFF最速ラップレコーダー”のスゴみはビンビンに伝わってきた。

キャデラック「XT6 Platinum」

 昨年末に日本に導入された、キャデラックの新しいSUVが「XT6」。今回のJAIA試乗会で初めて触れることができた。全長5060mm全幅1960mm全高1775mmというフルサイズで、3列6名定員。3列あっても、よくある7名でなく6名というところがミソ。



 2列目シートをベンチタイプにするのではなく、1脚ずつ独立した“キャプテンシート”にして贅沢に空間を使っている。これは、使った人には良くわかると思うけれども、一人用のフルサイズシートを隣の人に干渉されることなくたっぷりと座れるのでこれこそ“ラグジュアリー”だと思う。装備やアクセサリー類が豊富に組み込まれているが、インターフェイスが優れていて、すべてを試す時間がなかったがとても使いやすそうだ。



 また、装備や機能などが豊富だと、それを整理整頓するためにデジタル化してモニター画面の中に階層構造を構築するのが最近では常道となっている。メルセデス・ベンツやBMW、アウディなどのドイツ勢にボルボ、そしてテスラなどがそうしている。しかし、キャデラックは必ずしもそれと同じ方法論は採らず、過度にデジタル化していない。適度にボタンやスイッチ、レバーなどを残している。これはおそらく意図的にそうしているのだろう。とても使いやすく、バランスが取れている。良心的なコンサバ志向だ。

 誰にでも迷わず使えるし、使う人を選ばないことで先進機能と装備の“宝の持ち腐れ”にしていない。先進過ぎるインターフェイスは人を選んでしまうのだ。さまざまな人が使う商品であるクルマの機能は、ただ先進させれば良いというわけではない。その辺りの抑制の効かせ方にキャデラックの矜持が現れている。アメリカの高級車らしい。314馬力を発生する3.6L V6エンジンに9速ATが組み合わされ、運転支援装備も充実している。荷室空間が2200Lもあるから、これでどこか遠くへ旅してみたくなった。

アウディ「A1 Sportback 35 TFSI advanced」

 最もコンパクトなアウディとなる「A1 Sportback」は、110馬力を発生する1.5L 4気筒エンジンを搭載している。同じグループのフォルクスワーゲンの「ポロ」とプラットフォームを共用しているので、走った感じはとてもよく似ている。静粛性が高く、扱いやすいパワートレイン。キビキビと走り、引き締まった乗り心地など、ハイクオリティなコンパクトカーとして他の追随を許さない。



 今回のJAIA試乗会とは別の機会に試乗した時には、特に、高速道路での連続運転で光るものがあり、このクルマの価値を感じた。「ポロ」より100万円近く高くなるのは、内外デザインとそれらの素材や装備などの違いによる。まさに、小さな高級車だ。



ポルシェ「マカンS」「パナメーラスポーツツーリスモGTS」

 すでにポルシェがスポーツカーだけのメーカーではなくなっていることを象徴している2台がJAIA試乗会には持ち込まれていた。「マカンS」は、クーペSUVあるいはスポーツSUVと称すれば良いのだろうか。ポルシェにはすでに「カイエン」という、もともとスポーティなSUVが存在しているところに追加された「マカン」は「カイエン」よりもコンパクトなSUV。

「マカンS」は354馬力を発生する3.0L V6エンジンを搭載し、4輪を駆動する。大磯周辺を短時間乗った印象は、ポルシェのスポーツカーにも通じる硬質な運転感覚を伴ったものだ。実際のボディ寸法よりも「カイエン」よりタイトな感覚だ。



 もう一台の「パナメーラ GTS スポーツツーリスモ」はSUVではなく、独特のスポーツワゴンと呼んでよいだろう。3BOX型の4ドアセダンではなく、4ドアハッチバックの「パナメーラ」の最強版「GTS」の荷室部分を延長したワゴンが「パナメーラ GTS スポーツツーリスモ」というわけだ。とてもニッチなポルシェかもしれない。



 こちらも短時間の試乗に限られてしまったが「マカン」とも共通する硬質な乗り味が基底にありながら、460馬力を発生する4.0Lツインターボエンジンからコンコンと湧き出すようなパワーは豊潤そのもので、後輪と必要に応じて前輪にも伝えられる。

 アダプティブエアサスペンションがもたらす乗り心地も、濃厚でありながら非常に洗練されている。荷室容量は後席を倒せば最大1390Lも確保できるので、多様な使い方ができる。ほぼ2000万円となる高級車だけれども、日常の使い途にも非日常の旅などにもフルに乗り尽くしたいと思わせる多様な実力と魅力を備えている。SUV全盛時代の今こそ乗りたい。新しい時代の新しいポルシェ像を示している。

■関連情報
https://www.renault.jp/car_lineup/megane_rs/trophy/index.html
https://www.cadillacjapan.com/xt6/model-overview.html
https://www.audi.co.jp/jp/web/ja/models/a1/a1_sportback.html
https://www.porsche.com/japan/jp/models/macan/macan-models/macan-s/
https://www.porsche.com/japan/jp/models/panamera/panamera-gts-models/panamera-gts-sport-turismo/

文/金子浩久(モータージャーナリスト) 撮影/編集部

こんな記事も読まれています

バイクニュース今週のダイジェスト(4/15~19)
バイクニュース今週のダイジェスト(4/15~19)
バイクブロス
大型・中型車もAT限定免許、「物流の2024年問題」で警察庁が導入検討[新聞ウォッチ]
大型・中型車もAT限定免許、「物流の2024年問題」で警察庁が導入検討[新聞ウォッチ]
レスポンス
ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
ビッグモーターで「50台以上」が盗難被害に!? 「自作自演?」の声あるが…真相は? 元関係者語る実態とは
くるまのニュース
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
春だね! 桜が描かれた原付ご当地ナンバー
バイクのニュース
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
アウディの新型電動SUV『Q6 e-tron』にロング版「L」…北京モーターショー2024で発表へ
レスポンス
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
[新型ランドクルーザー250モデリスタ]今回はオフロード感マシマシで「オプカン」ホワイトレターも!! お馴染みのLEDも付いちゃうゾ
ベストカーWeb
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
街で見かけるダイハツ車たちがサーキットを攻める!「D-SPORT & DAIHATSU Challenge Cup 2024」に密着してみた
くるまのニュース
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
[新型ランドクルーザー250内装解説]12.3インチの巨大モニターもいいけど8インチで十分じゃね??  スイッチとかめっちゃ使いやすいやん絶対
ベストカーWeb
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
「メーカー公認」で丸目換装!! ランクル250の激推しオプションを見逃すな なぜか不遇の「GX」も泣けるぞ
ベストカーWeb
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
ホンダ新型「オシャレ軽商用バン」発売! エレガントな進化に早くも反響!? 130万円台で買える改良「N-VAN」が登場
くるまのニュース
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
ヤマハの電アシ「PAS Brace」 日常使いしやすいスポーティコミューターの2024年モデルを発売
バイクのニュース
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
JSR、産業革新投資機構によるTOBが成立 2024年夏にも上場廃止
日刊自動車新聞
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
ゲレヴァー好きですか?レストアされたレアなオフローダー「メルセデス 300 GD」で冒険の旅へ、150万キロ感動の物語
AutoBild Japan
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
アルピーヌF1、中国GPで新"軽量版"シャシー投入&フロアアップデートも実施……最下位脱出に向け奮闘中
motorsport.com 日本版
【最新スーパースポーツ試乗】世界限定2500台、オフロードも走れるポルシェ911ダカールのオールラウンド性能
【最新スーパースポーツ試乗】世界限定2500台、オフロードも走れるポルシェ911ダカールのオールラウンド性能
カー・アンド・ドライバー
渋滞へトラックが「ノーブレーキ突入」衝撃の映像!? NEXCO緊急の注意喚起が話題に「運転の上手い人はこんなことしません!」
渋滞へトラックが「ノーブレーキ突入」衝撃の映像!? NEXCO緊急の注意喚起が話題に「運転の上手い人はこんなことしません!」
くるまのニュース
ついにランクル250正式発表520万円から!! 争奪戦必至もやっぱり欲しいーー今日ランクルに新たな歴史が始まる
ついにランクル250正式発表520万円から!! 争奪戦必至もやっぱり欲しいーー今日ランクルに新たな歴史が始まる
ベストカーWeb
MINIの小型電動クロスオーバー『エースマン』がデビューへ…北京モーターショー2024
MINIの小型電動クロスオーバー『エースマン』がデビューへ…北京モーターショー2024
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村