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【フランス国籍、でも道産子】クラウン/ハリアーなどで試してみた ミシュラン新スタッドレス「X-ICE SNOW」

掲載 更新 7
【フランス国籍、でも道産子】クラウン/ハリアーなどで試してみた ミシュラン新スタッドレス「X-ICE SNOW」

試乗、5か月前の北海道 でも記憶鮮明

text:Takuo Yoshida(吉田拓生)

【画像】ミシュラン新スタッドレス「X-ICE SNOW」【もっと見る】 全55枚

今年のウインターシーズンに向け、ミシュランが新型のスタッドレス・タイヤを登場させた。その名もX-ICE SNOW(エックスアイススノー)。

先代の名称はX-ICE3+だったので、次は当然X-ICE4に違いない! という大方の予想を裏切るネーミングである。

とはいえよく考えて見れば、これまでは製品名にアイスしか含まれておらず、氷に特化しているイメージをメーカーが嫌ったのかもしれない。

ともあれX-ICE3からX-ICE3+にビッグマイナーチェンジをしてから3年で新型登場となったのである。

スタッドレス・タイヤの報道タームは一風変わっていて、試乗自体は今年の2月、まだ雪の残る北海道でおこなっている。

それから約5か月間は報道規制が掛けられ、今回晴れて解禁となった。なぜ今か? この情報が行きわたってしばらくすると(秋口になると)、「そういえばスタッドレスどうしよう」といった思考になっていくからである。

試乗してから半年も経つと「はて、どんなタイヤだったっけ?」となるスタッドレスもなくはないが、X-ICE SNOWのイメージはけっこう鮮明に残っている。

個人的に「次はコレだな!」と思えるくらい好印象だったのである。

国籍、おフランス でもじつは道産子

完全な新製品なので、トレッドパターンもコンパウンドも新開発である。

パッと見「いいな」と思ったのは、サイドウォールのMICHELINの文字がわりと小さ目で円周に2か所入っている感じがインテリに見えたこと。

トレッドはセンターグルーブがなくて、斜め方向のグルーブがギザギザに並ぶ様子が、ラリースタッドレスみたいで新鮮に思えた。

X-ICE3+はセンターにビシッと1本筋が通っていたけれど、その手のスタッドレスを見飽きているというのもある。とりあえずX-ICE SNOWの見た目は点数高めである。

試乗した感想を述べる前に、ミシュランというブランドに対して一般の方が感じていそうなことを1つ。ミシュランってフランスのメーカーだから、外国の製品なんでしょ?

というイメージ。

これはメーカー側にもよく届く声らしいのだが、ミシュランのスタッドレスは今回われわれが試乗させてもらった士別のテストコースで開発されている。

しかも日本で初めて(1982年)スタッドレス・タイヤをリリースしたのもミシュランなのである。

さてさて、肝心要のインプレッションに入らなくては。スタッドレスの試乗は旧タイヤとの比較でおこなわれることが多い。

今回の相手はもちろん、X-ICE3+である。

数値以上の安心感 ドリフト、できず

今回の試乗は一般道も含まれていたが、わかりやすいのは氷、雪ともテストコース内の比較である。

個人的に最も感心したのは圧雪の大き目の定常円で走らせた時だった。

走りはじめる前の予想では、イイ感じにドリフトが楽しめると思っていた。

普通ドリフトはグリップの切れ間をきっかけにはじめるのだが、X-ICE SNOWはその切れ間が見当たらない。

試乗車である4駆のハリアーのペースを上げていくと最後は前輪の方から滑らかに軌跡が膨らみはじめる。

これがX-ICE3+だとちょこちょことグリップが途切れて不安定になる。その差はかなり“顕著”だった。

スタッドレスの試乗でクローズアップされるのは制動距離で、今回は先代に比べ雪上で4%、氷上で9%向上と謳われている。

もちろん雪上と氷上のブレーキングテストではこれらの数値を裏付ける性能アップを体感できた。

けれどコーナリングにおける安定感の高さ、滑り出しが穏やかさは、ブレーキングの数値以上のものがあると感じられたのである。

X-ICE3+のデビューから3年しか経っていないが、これだけのものが開発できれば、出し惜しみをしている場合ではないだろう。

だが今回体感できた性能以外にも「だったら欲しい!」と思わせるポイントがあった。

冬タイヤ、長持ちしなきゃ欲しくない

実は去年まで、筆者の愛車BMW 318tiの冬タイヤはミシュランだった。それも6年落ち……。

山は残っているけれど、そもそもFRだし、雪道が楽しい(怖い?)のなんの。

ま、6年落ちのそれにケチなど付けられないが、可能な限り長持ちしてくれないと欲しくない、というのは万人に共通する思いだろう。

今回のX-ICE SNOWは当然のように長持ちを謳っていたが、その理由に驚かされた。

溝底部まで新開発の「EverWinterGrip」コンパウンドのみ形成しているのだという。

通常のスタッドレスはトレッドの上半分に効きゴム、下半分は剛性を保つための硬めのゴムを使う場合がほとんど。

だから半分まで山が減ってくると、見た目はイケそうでもグリップが芳しくなくなってくる。

ちなみに今回、一般道のアスファルトが露出した場所で少しだけタイヤの撚れもチェックできたのだが、スタッドレス特有のふらつきや曖昧な感触は特に感じられなかった。

グリップ感が高く、安定していて、ドライの違和感もなし。そして長持ちの部分はこれまで以上に期待できそう。

現在まで体験したことのあるスタッドレス・タイヤの中では、X-ICE SNOWが最もレベルが高い。

道産子ミシュランに期待していいと思う。

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みんなのコメント

7件
  • こういう記事に6年使ってるとか書いたらダメ!
    スタッドレスは6年使っても大丈夫って勘違いする人が絶対いるから。
  • 販売本数No.1 vs 顧客満足度No.1ですね。
    売れているから良品とは限りませんので、顧客満足度で選びます。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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