マット・キャンベルとマシュー・ジャミネは、10月11日にロード・アトランタで開催されたシーズン最終戦『モチュール・プチ・ル・マン』における6号車ポルシェ963にとって比較的「順調な」一日を経て、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツがGTPチャンピオンシップを制覇する手助けができたことを「非常に誇りに思う」と述べた。
■北米スポーツカー史上2組目のコンビに
アキュラおよばず、3位入賞のポルシェがダブルタイトル獲得。プチ・ル・マン勝者はAXRキャデラックに
長年の友人でありチームメイトである彼らは、かつてポルシェのカスタマーチームであったパフ・モータースポーツに所属し、GTDプロクラスのチャンピオンを獲得してラ3年後、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権でふたたび王座についた。
ふたりは当初、第3ドライバーのジュリアン・アンドラウアーと6号車ポルシェをシェアする予定だったが、このフランス人は健康上の緊急事態により土壇場で欠場に。その結果、姉妹車である7号車にサードドライバーとして登録されていたローレンス・ファントールが急きょ、ロード・アトランタでの10時間レースにダブルエントリーすることとなった。
そんな思いもよらぬ事態があるなかで始まった今季最終戦をジャミネは次のように振り返った。「この日の始まりは良いスタートとは言えないものだった。ひどい渋滞に巻き込まれ、トラックに到着するまで1時間40分も掛かったんだ」
「多くのファンが観に来てくれていた。それ事態はポジティブなことだが、僕たちは危うくレコノサンスラップを逃しそうになった。マット(・キャンベル)に至ってはコース脇を3kmも歩かなければならなかった」
「それから、僕たちにはサードドライバーがいないことに気がついた。ラリー(ローレンス・ファントールの愛称)、代わりに出てくれてありがとう。彼には本当に助けられたよ」
「そこからレースが始まったが、総じてうまくいったと想う。かなり順調に進んでいたし、レースに臨むにあたってクルマの状態は非常に良かった」
「チームが本当に良い準備をしてくれたということだ。予選後はいくつかの疑問点が残っていたが、我々はセットアップについて正しい選択をし、昼間だけでなく夜間も競争力のあるパッケージを持っていたと言わざるを得ない」
「僕たちは表彰台に立って、チャンピオンシップも獲得したのだから不満はないよ」
レースの中盤をリードしたジャミネは、終盤のフルコースコーションを期待して燃料をセーブしていた31号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ウェーレン)の後ろに下がり、2番手に後退した。しかし、レースの最後の3時間51分はコーションなしで進行した。
「明らかに、僕たちは最後まで燃料を保たせようとしていた。ギリギリまで引っ張るつもりだった」とジャミネ。「最後のスティントではかなりの燃費走行をしたが、イエロー(コーション)なしで走り切るのは実際には不可能だった」
「そのため、ある時点で31号車を追いかけることをやめることを決めた。表彰台以上のもの、つまり勝利を狙った場合、レースから脱落してしまうかもしれないという過度なリスクを取ることを諦めることにしたんだ」
「結局のところ、優勝が僕たちのメインのターゲットではないと悟り、ある時点でクルマをゴールに持ち帰ることに集中した」
燃料補給のため最後のピットイン後、23号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム)にかわされ3番手となったが、ジャミネはこの順位にを維持できたことに満足していると述べた。
6号車ポルシェはこの時点で2台のアキュラARX-06(アキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング)の前におり、ポルシェがGTPマニュファクチャラーズ・チャンピオンシップを獲得するのを助ける絶好の位置にいた。
「このまま行けばすべてのタイトルが獲得できることを知っていた」とジャミネ。「姉妹車の7号車は少し後方にいたと思う。非常に大きな代償を払うことになるような愚かなミスをしないことが、僕とチームの責任だった」
「僕自身はかなりリラックスしていた。その時点で過度にプッシュしたり、リスクを冒しすぎたりすることは意味がなかった」
昨年のドライバーズ・チャンピオンシップはフェリペ・ナッセとデイン・キャメロンが獲得したが、これはポルシェ・ペンスキー・モータースポーツにとって、ドライバー、チーム、マニュファクチャラーの全チャンピオンシップで連覇を果たしたことを意味する。
ジャミネとキャンベルは、IMSA GTチャンピオンシップを獲得した後、プロトタイプクラスでもタイトルをともに獲得した史上2組目のペアとなった。最初のペアは2002年と翌2003年に当時のALMSアメリカン・ル・マン・シリーズのGTクラスでチャンピオンを獲得し、2006年に同LMP2クラスで王者に輝いたサッシャ・マーセンとルーカル・ルーア組だ。なお、LMP2のエントリーは当時もペンスキーの6号車だった。
■体制縮小は必至。これが最後かもしれない
「IMSAで一緒に戦った2年間でふたつめのチャンピオンを獲得することができた」と喜ぶキャンベル。
「マシューという良き友人の隣でそれを成し遂げられたことを誇りに思う」
「僕たちは過去数年にわたって本当に良いパートナーシップを築いてきた。たとえこの数年間は一緒にドライブしなかったかもしれないが、今年ふたたび一緒になってすぐに素晴らしい成果を挙げることができた」
「僕たちは本当にシーズンの最初から好調だった。たしかに、(開幕3連勝を飾った)7号車には少し後れを取るなど、僕たちが望んでいたとおりの一年ではなかったが、僕たちをこのチャンピオンシップ・タイトルの位置に導いたのは、我々の一貫性とチーム一丸となった意欲の表れだと想う」
「これは非常に、非常に特別な日だ。忘れられない一日であり、チーム全員、マシュー、そして飛び入りでラインアップに加わってくれたラリーにも心から感謝している」
「素晴らしい日だ。すべてのチャンピオンシップを確保したことは、チームにとってもさらに特別なことだ」
ポルシェ・ペンスキーが今季限りでWEC世界耐久選手権から撤退することによりドライバー体制が縮小され、おそらく見直されるなかで、土曜日のレースが彼らが一緒にドライブする最後の機会になるかもしれないと考えたか、と尋ねられキャンベルは「ああ、もちろんだ」と答えた。
「そのことは頭によぎったよ。しかし結局のところ、我々は目の前の仕事に集中していた。僕たちはチャンピオンシップを確実に獲得したかったんだ」
「この週末の後に何が起こるかは、明らかに我々のコントロールが及ばないところだ。それでも、僕らはこれらの特別な瞬間を最大限に活かそうとしていた。なぜなら、この男と一緒にそれを成し遂げるのは、本当に素晴らしい気分だからだ」
[オートスポーツweb 2025年10月14日]
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