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ハーレーのニューモデル「パンアメリカ」が発表された今だからこそ「最も小さいハーレー」を振り返ってみる

■ハーレーらしからぬハーレー「ショートスター」

 2021年2月22日、ハーレーダビッドソン(以下:ハーレー)のニューモデル「Pan America(パンアメリカ)」が世界的な『コロナ禍』の影響を受け、インターネット上で発表されました。

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 スペック上では152ps/8750rpmを誇る1250ccの水冷DOHC・V型4バルブエンジンや、これまでの同社のモデルと趣を変えたアドベンチャーモデル(デュアルパーパス)然とした車体デザインなどが話題となっていますが、過去を振り返ると、皆様がアタマに思い描くであろう典型的な「アメリカン・モデル」ではない、ある意味、「ハーレーらしくないハーレー」が存在します。

 ハーレー社は1960年にイタリアのアエルマッキ社を吸収合併し「アエルマッキ・ハーレーダビッドソンSPA」を発足。1978年にイタリアの「カジバグループ」に売却するまで「小排気量~中型のモデル」が生産されましたが、歴代のハーレーに対して多くの方が抱く「威風堂々とした重厚なイメージ」と最もかけ離れたといっても過言でないモデルがここに紹介する「ショートスター」です。

■ホンダ「モンキー」と同等のサイズ感

 1972年にアエルマッキのモペッド「M65」の2ストローク単気筒エンジンを搭載し、市場に投入された「ショートスター」は初期型の排気量65ccモデル「MC-65」が8000台生産され、翌年からは排気量を90ccにした「X-90」へと発展。

 1975年まで生産されるのですが、65ccにせよ90ccにせよ、いずれもホイールベースは39.2インチ(995.68mm)と1メートルに満たないコンパクトなサイズとなっており、歴代のハーレーダビッドソンの中で「最小」のモデルとして知られています。我々の身近なバイクに置き換えるとサイズ感はホンダ・モンキーの「Z50J-I型」とほぼ同等です。  また、ガソリンタンクのサイズもモンキーと同等の5.2リットルとなっているのですが、「ショートスター」はガソリンと2ストローク・オイルを混ぜて給油する「混合」でガソリンに対して約20%のオイルを混ぜなければなりません。

 ギアのシフト周りもモペッドを改造したものらしく、シフトレバーの前方に始動用のキックアームが備えつけられており、気を抜くとキック始動と同時にシフトを入れてしまうナカナカ難儀な構造となっています。  ヘッドライト上に備えられたべリアボレッティ製メーターは速度が80マイル(128km/h)まで刻まれているのですが、実際の公称最高速は90km/h程度とのことです。

■対抗馬はホンダ「ダックス」

 開発コンセプトとしては当時、アメリカで人気を博したホンダ「ダックス」に対抗した「子供用レジャーバイク」だったとのことですが、ライバル車に比較して安価な価格だったものの人気を得ることがなく、短命に終わったそうです。ちなみに新車当時の販売価格は295ドルで他の「10インチ・ホイール」の同規格モデルと比較して40ドルほど安い設定となっています。

 たとえば、ある種の固定観念から「ハーレーはこうでなければならない」であるとか、「威風堂々としたアメリカン・スタイルのバイクこそがハーレー」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、この「ショートスター」という存在を知れば、2021年7月に発売予定の「パンアメリカ」というモデルへの見方も一味違うものになるのではないでしょうか。

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