ヤマハファクトリーチームは先日、マーベリック・ビニャーレスとの契約を延長し、さらに2021年から新たにファビオ・クアルタラロを迎えることを発表した。これはつまり、MotoGP界のレジェンドであるバレンティーノ・ロッシが今シーズン限りでチームを離れることを意味する。
今年で41歳を迎えるロッシには『引退か現役続行か』という選択肢が存在する。そしてヤマハは、ロッシが2021年も現役を続行する場合、ファクトリー仕様のマシンを提供すると明言している。その場合、ロッシの参戦チームはペトロナス・ヤマハSRTとなることが有力だ。
■バレンティーノ・ロッシ、ヤマハ・ファクトリーとの契約終了が意味するモノ
ロッシ自身がオーナーを務める『Sky Racing Team by VR46』は、Moto2クラスでロッシの異母弟であるルカ・マリーニを参戦させている。マリーニは昨シーズン2連勝(タイ、日本)を飾るなど活躍を見せ、ランキング6位を記録した。
マリーニのMotoGP昇格の可能性については、以前から取り沙汰されてきたが、マリーニ自身はMoto2のトップライダーとしての地位を確立した後に最高峰クラスを戦いたいと考えている。
ファンやチームのマーケティング担当としては、2021年シーズンにロッシのチームメイトとしてマリーニがMotoGPクラスへ昇格することが最高のシナリオだと考えているだろう。しかしマリーニにとって、そのシナリオは実現が難しいモノだと感じているようだ。
「みんな僕にそれを言ってくるけど、不可能だと思う」とマリーニは語った。
「そのチームにはフランコ・モルビデリがいる。クアルタラロが驚異的なパフォーマンスを見せたせいで少し影を落とされている感があるけど、個人的に彼の2019年シーズンはポジティブなものだったと思っているし、今シーズンはさらに強くなるだろう」
このようにマリーニは、自身が2021年のMotoGPシートを獲得することについて慎重な姿勢を見せた。しかしながら彼は、ホルヘ・ロレンソの突然の引退発表によって急遽レプソル・ホンダからのMotoGP昇格が決まったアレックス・マルケスの例を挙げ、あらゆることが起こり得ると語った。
「現状、MotoGP(の2021年のシート争い)はほとんど終わっている」とマリーニは続けた。
「(2020年の)最初のレースには(2021年の)ほとんどの契約が成立している。世代交代があったこともあってシートはほとんど残っていないし、ベテラン勢はほとんどMotoGPに残らないだろう」
「今シーズンに集中し、良い結果を得ようとする必要がある。(Moto2で)チャンピオンを勝ち取ってMotoGPのホンダチームに移籍したアレックス・マルケスという例があるからね」
「何が起こるか分からないから、まずはMoto2で良い結果を残さなければいけない」
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