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新時代のフラッグシップ──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

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新時代のフラッグシップ──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

一部改良を受けた三菱自動車の新しい「アウトランダーPHEV P Executive Package」に、『GQ JAPAN』ライフスタイルエディターのイナガキが乗った! 注目のヤマハ製オーディオ&居住性の特徴とは?

新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Packageの特徴

上質な移動空間──新型三菱自動車アウトランダーPHEV P Executive Package試乗記

1.三菱のパッケージング技術2.“威風堂々”のコンセプトに恥じない1台1.三菱のパッケージング技術

今回試乗したP Executive Packageは、最大7名が乗車できる3列シート仕様となっている。一般的に、全長4720mmというミドルサイズのSUVに3列目シートを組み込むことは、パッケージングの観点から非常に高いハードルが存在する。フロントシートの快適性、2列目シートの広大な足元空間を確保した上で、いかにして実用的な3列目シートを成立させるか。そして同時に、PHEVならではの巨大な駆動用バッテリーやリアモーターを床下に収めなければならないという厳しい制約がある。

結論から言えば、アウトランダーPHEVの3列目シートは、主に緊急用や短中距離の移動、あるいは子供用のシートとして機能的に、そして賢く割り切られた設計となっていた。実際に3列目に大人が乗り込んでみると、フロアが高いため膝を抱えるような着座姿勢となり、ヘッドクリアランスやレッグスペースには物理的な制約が存在することは否めない。

しかし、3列目シートの真の価値は「いざという時に7人が合法かつ安全に乗車できるという圧倒的な安心感」と「卓越した収納・展開の利便性」にある。シートの展開および床下への格納メカニズムは洗練されており、荷室側から軽い力でストラップを引くだけで、複雑な手順を踏むことなくフラットな広大なラゲッジスペースを作り出すことができる。床下にモーターなどの重量物が詰まっているにもかかわらず、これだけ平滑で巨大な荷室と3列目シートを見事に両立させた三菱のパッケージング技術には感嘆するほかない。

さらに注目すべきは、ブリックブラウンのセミアニリンレザーが、3列目シートに至るまで一切の手抜きなく採用されている点である。使用頻度が低い緊急用シートであっても、素材の質感やステッチの仕上げを落とすことなく、キャビン全体を包み込む統一された高級感を維持している姿勢は、フラッグシップモデルならではなだ。

日常のほとんどのシーンでは3列目シートを床下に格納し、ゴルフバッグを余裕で飲み込む積載能力を誇る高級ステーションワゴンとして広々とラゲッジスペースを使用する。そして、祖父母や友人を急に乗せて食事に出かけることになった週末の外出時のみ、サッと3列目を展開してミニバン的な使い方をするような現代の多様で柔軟なライフスタイルを、スマートにサポートしてくれるのが、7人乗り仕様の真骨頂であると言えよう。

2.“威風堂々”のコンセプトに恥じない1台

かつての三菱自動車は、ダカールラリーを制した「パジェロ」や、世界ラリー選手権(WRC)で黄金時代を築いた「ランサーエボリューション」に代表されるように、過酷なモータースポーツの現場で培われた圧倒的な四輪駆動技術と、どんな悪路でも確実に前に進む堅牢性をブランドのコアバリューとしてきた。

現代において、その熱きラリーのDNAを最も色濃く、かつ最新の電動化技術・環境技術と高次元で融合させて受け継いでいるのがアウトランダーPHEVかもしれない。三菱自動車にとってのフラッグシップとは、単にボディサイズが最も大きいことや、内装の装飾が最も豪華であることだけを意味するものではない。「どんな天候でも、どんな道でも、乗る人すべてを安全に、安心して、そして思いのままに目的地まで送り届ける」といった、実直で骨太なクルマづくりの哲学を、電動化という最新のアプローチで純度高く体現した結晶なのだ。

エンジンは発電に徹し、大容量バッテリーから電力を供給されたモーターの強大なトルクで四輪を独立して緻密にコントロールする。このメカニズムは、かつてのプロペラシャフトを用いた機械式の四輪駆動システムでは物理的に到達不可能だったレベルでの、精緻で瞬時な車両姿勢の制御を可能にしている。雪道や泥濘地、あるいは豪雨の高速道路などの悪条件下における絶対的な安心感と悪路走破性はもちろんのこと、今回のように都市部の舗装路を低速で走る際にも、路面の細かなアンジュレーションをしなやかにいなし、車両の挙動をフラットに保つために、その高度なS-AWCの制御技術が黒衣のように常に介入しているのである。

今回の試乗を通じて、アウトランダーPHEVが持つ、緻密に計算し尽くされた完成度と、所有を満たす奥深い魅力を再確認できた。車両本体価格は、絶対的な金額として見れば決して安価なものではない。

しかし、ショーファードリブンにも通じる高級セダンを凌駕するほどの静粛性と快適性、スポーツカーのように意のままに操れる痛快なハンドリング、本格オフローダーと同等以上のタフな悪路走破性、そして大容量バッテリーによるゼロエミッションの環境性能と非常時の大電力給電能力は、本来であれば複数の異なるジャンルの車を複数台所有しなければ得られないはずの多様な価値だ。それが、この1台のSUVの中に奇跡的なバランスで、かつ高い次元で融合しているのである。

とりわけ、今回深く焦点を当てた、ヤマハ製オーディオシステムと、いざという時の絶大な安心感と日常の荷室の使い勝手を見事に両立させた3列目シートの存在は、このクルマが単なるA地点からB地点への移動の道具であることを明確に否定し、人生をより豊かに彩るかけがえのないパートナーであることを雄弁に物語っている。

三菱自動車の長きにわたる歴史と、泥にまみれながら培ってきた四輪制御技術の粋が集結し、電動化時代のフラッグシップとして曇りもない完璧なバランスで仕立て上げられたアウトランダーPHEVは、日常の何気ない買い物から週末の家族でのロングドライブ、さらには過酷な自然環境に挑むアウトドアレジャーに至るまで、いかなるシーンにおいても所有者の期待を裏切ることはなく、期待を超える驚きと感動を与え続けてくれるだろう。

まさに“威風堂々”のコンセプトに恥じない、そして日本が世界に向けて誇りを持って送り出すことができる1台だった。

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文:GQ JAPAN 稲垣邦康(GQ)
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