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【昭和の名車 13】マツダ コスモスポーツ(昭和42年:1967年)

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【昭和の名車 13】マツダ コスモスポーツ(昭和42年:1967年)

昭和は遠くなりにけり…だが、昭和生まれの国産スポーティカーは、日本だけでなく世界的にもブームとなっている。そんな昭和の名車たちを時系列で紹介していこう。

6年の歳月と社運をかけて開発した初代REカー
マツダ コスモスポーツ:昭和42年(1967年)5月発売
1990年代には「ロータリーパワー」と呼ばれ、そのめざましい動力性能や低公害の魅力によって、評価も定着した感のあるロータリーエンジン(RE)。だが、REを開発したドイツのNSU社から東洋工業(現在のマツダ)がいち早く技術導入、マツダ技術陣が必死にその実用化に取り組んでいた1960年代は、まだまだREは「海のものとも山のものともわからない」存在であった。

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コスモスポーツはようやく実用化にこぎつけた「国産では初めてのRE搭載モデル」であった。と同時になじみのうすいREをユーザーにアピールするためのデモンストレーションカーでもあった。

REはNSU社が開発成功を発表したのが1959年(昭和34年)12月。さっそく東洋工業が技術導入の交渉に乗り出して、契約の仮調印が翌1960年10月、正式調印が1961年2月になる。
REの国産化がスタートしたまではよかったが、当時のREはまだ技術的に問題が多く、そのまま実用化、市販化とはいかなかった。本家のNSU社でさえRE搭載の第1号車、NSUバンケル・スパイダーを発売したのは1964年11月である。

東洋工業でも1961年11月には試作第1号エンジンを完成させたが、一定時間運転すると急激な性能低下をきたすなど、その製品化は難航している。

1963年10月の第10回全日本自動車ショーには1ローターと2ローターのRE単体が出品されたが、性能低下の問題はまだ解決されておらず、完成品とは呼べなかった。

REを搭載した2シーターのスポーツクーペ、コスモスポーツの“正式デビュー”は翌1964年9月の第11回東京モーターショーであった。“正式”というのはREの単体のみで、RE搭載モデルは出展されなかった前年のショー会場に、当時の東洋工業社長の松田恒次氏を乗せた2シータースポーツが姿を見せていたからである。

これがプロトタイプのコスモで、したがってコスモスポーツのデビューは正確には“正式デビュー”の1年前、1963年10月ということもできる。

1965年、1966年のショーにもコスモスポーツは出展されたが、市販までには至らず、その間もマツダ技術開発陣の実用化に向けての苦闘が続けられていた。

そして画期的ともいうべきカーボン・アペックスシールの採用によって、やっと性能低下の問題を解決したのは1966年12月のことであった。

こうしてREの試作をスタートさせてから実に6年あまり、1967年(昭和42年)5月からコスモスポーツの市販が開始されている。

外誌で「エキゾチック」と評された、低くテールの長い独特のスタイルのボディに搭載されたREは491cc×2ローターの10A型で、最高出力は110ps/7000rpm、最大トルクは13.3kgm/3500rpmを発生した。最高速は185km/h、ゼロヨン加速は16.3秒。

サスペンションはフロントがダブルウイッシュボーン、リアはドディオン式リーフ・リジッド、ブレーキはフロントがディスクである。

発売から1年2カ月あまりの1968年(昭和43年)7月、マイナーチェンジで10A型REは110psから128psに出力アップ、ホイールベースの延長やトランスミッションの4速から5速への変更などが行われた。これによって最高速は200km/hに、ゼロヨン加速も15.8秒に引き上げられた。

1972年(昭和47年)9月、カペラ、サバンナなどのRE搭載モデルに席をゆずって“REの先兵”は生産を終了した。発売から5年あまり、生産累計は1176台であった。

1991年、マツダは4ローターREで念願のルマン24時間レースに初めての勝利を収めた。ロータリーエンジンの市販化からRX-8の生産終了までの45年間、マツダは絶えずREを搭載したスポーティカーを世に送り続けた。

コスモスポーツ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4140×1595×1165mm
●ホイールベース:2200mm
●重量:940kg
●エンジン型式・種類:10A型・直2ローター
●排気量:491cc×2
●最高出力:110ps/7000rpm
●最大トルク:13.3kgm/3500rpm
●トランスミッション:4速MT
●タイヤサイズ:6.45-14-4PR
●価格:148万円

[ アルバム : コスモスポーツ はオリジナルサイトでご覧ください ]

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