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【2年遅れでやってきた7代目】動く姿が美しい?新型ダイハツ・ムーヴはスライドドアでも『らしさ』継承

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【2年遅れでやってきた7代目】動く姿が美しい?新型ダイハツ・ムーヴはスライドドアでも『らしさ』継承

スライドドア比率は約6割

6月5日にフルモデルチェンジが発表されて新型となった、ダイハツの軽ハイトワゴン『ムーヴ』に試乗する機会を得た。

【画像】新型ダイハツ・ムーヴがムーブ!ノンターボの『X』とカスタムの雰囲気があるターボの『RS』 全158枚

新型ムーヴ最大のセールスポイントは、軽ハイトワゴンながらリアサイドドアにスライドドアを採用したことだ。かつてはムーヴやスズキ・ワゴンRのような『ハイト系』が軽乗用車の主流だったが、いまやホンダ N-BOX、スズキ・スペーシア、ダイハツ・タントといった『スーパーハイト系』が主流となった。

スーパーハイト系のウリは、何といってもスライドドア。その使いやすさや安全性から、ダイハツ・ムーヴ・キャンバス(以下、キャンバス)やスズキ・ワゴンRスマイルのように、ハイト系でもスライドドアを採用するモデルが登場した。いまや軽乗用車のほぼ半数がスーパーハイト系で、スライドドア比率は約6割に達する。

それでは、ムーヴらしさのひとつであるスタイリッシュなデザインは、スライドドアを採用しても成り立つのか? なぜなら、スライドドアのクルマはとかく平面的で『箱』っぽくなりやすいからだ。

しかし新型ムーヴは、ボディサイドのキャラクターラインやウインドウグラフィックなどで、うまく抑揚をつけている。しかも、女性に好まれるソフトなイメージのキャンバスに対し、おとな男子にも似合いそうな凜々しいスタイリングだ。

また、車高は1655mmあるが腰高には見えない。ムーヴの名にふさわしい『動く姿が美しい、端正で凜々しいデザイン』がコンセプトというが、確かにシンプルで好感が持てるスタイリングだ。

軽乗用車の『しきい値』は150万円

最初に試乗したのは、中核グレードとなる『X』。2WD(FF)で、車両価格は149万500円だ。

軽乗用車では、150万円という価格が『しきい値』になるという。スーパーハイト系のタントでは、商用的に使われるベーシックグレードの『L(FF)』しか150万円以下では買えない。だから自家用として使える必要十分な装備を持ちながら、スライドドアとなるムーヴがこの価格で買えてしまうのは、かなりのセールスポイントになるという。

Xのエンジンはノンターボで、内外装にメッキモールなどはなく、14インチタイヤにスチールホイール+キャップ、ステアリングホイールはウレタンといった仕様。しかしDNGAによるクルマ作りは全グレード共通で、安全支援装備のスマートアシストもアダプティブクルーズコントロール(ACC)などしか差がない。パックオプションでカーナビなどを装着すれば、装備的には十分だろう。

Aピラーの細いウインドウが効果的

インパネシフトのATセレクターをDに入れ、アクセルペダルを軽く踏み込んだつもりが、思ったより元気よくスッと発進した。聞けば、タントやキャンバスなどDNGA車ではこうしたセッティングにしているという。

市街地走行では思ったより軽快に走り、加速も十分だった。一方、首都高速の合流などで多めにアクセルペダルを踏み込めば、それなりにエンジンノイズも上がり、CVTのラバーバンド的フィール(エンジン回転数から少し遅れて車速が上がる)を感じるものの、乗り味は全体的にしっかりしている。

コクピットからの視界は良く、運転はしやすい。Aピラーの真ん中あたりに細いウインドウが備わっているが、これが右左折時などでは効果的だった。フロントシートはベンチタイプだが座面はしっかりしており、長時間走行でも疲れにくそうに感じた。

リアシートは左右分割スライドとリクライニングが可能。筆者のドラポジでリアシートを一番前にスライドしても、ニースペースはコブシ1個以上あり、ヘッドスペースは十分以上だった。いちばん後ろに下げたら、ヘタな普通乗用車より広そう。

市街地ユースが中心なら、性能&装備的にも不満なしと感じられた、ムーヴの中核グレード『X』だった。

『カスタム』っぽい雰囲気

続いて試乗したのは、トップグレードの『RS』。

これのみターボエンジンを搭載し、15インチタイヤ+アルミホイール、本革巻きステアリングホイール&ATノブなどを装備し、先代までにラインナップされた『カスタム』っぽい雰囲気も漂わせている。なお、『X』と『RS』の間に、エンジンはノンターボだが少し装備を豪華にした『G』というグレードもある。

早速走り出すと、X同様にスッと発進するが、出足はXより抑えられているようだ。15インチの55タイヤに合わせて専用ダンパーなどでサスペンションのセッティングを変えており、乗り味はより上質になっている。

ターボの効果は絶大で、市街地でも首都高速でも加速は必要十分。CVTのラバーバンドフィールをターボがカバーしており、またターボの脈動効果もあってエンジンノイズも低められている。

パワステの手応えにはしっかり感があり、今回はワインディングロードを走るという機会はなかったが、それなりに走りを楽しめそうだ。

なお、ターボもノンターボもパドルシフトなどによるマニュアル操作はできないが、少し加速を強めたいときはステアリングホイールの『PWR(パワー)』ボタン、緩やかな下り坂で少しエンジンブレーキを効せたいならセレクターの『S』レンジ、そしてキツい下り坂で強めのエンジンブレーキを効かせたいときは『B』レンジを使い分けるといい。

認証手続きの不正問題などで2年間延期

RSはACCを標準装備するのでパーキングブレーキは電動となる。しかしこのスイッチがメーターパネル左下にあり、少し操作しづらいかった。街中などで頻繁にパーキングブレーキを使う時は、ホールド機能を使ったほうが良さそうだ。むしろ、Xの足踏み式のほうが使いやすく感じられることもあったが……。

また、USBソケット(タイプA)が1個しかなく、Xではカーナビなどとのセットオプションになるのは、最近のクルマとしては物足りない。認証手続きの不正問題などで新型ムーヴは発表が2年間延期されていたわけだが、この2年間でインフォテインメント系は著しく進化した。このあたりは、次の改良に期待するしかなさそうだ。

とはいえ、X、RSとも乗り心地と操縦安定性のバランスがとれており、やはりDNGAの効果が大きいといえるだろう。そしてハイト系にスライドドアを採用しても、走りもスタイルも楽しめることを新型ムーヴは実証してくれた。

ダイハツ・ムーヴのスペック

ダイハツ・ムーヴX
*<>はRS
全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm
ホイールベース:2460mm
車両重量:860kg<890kg>
エンジン:直列3気筒DOHC<同+ターボ>
総排気量:659cc
最高出力:38kW(52ps)/6900rpm<47kW(64ps)/6400rpm>
最大トルク:60Nm(6.1kg-m)/3600rpm<100kW(10.2Nw)/3600rpm>
トランスミッション:CVT
駆動方式:横置きFF
燃料/タンク容量:レギュラー/30L
WLTCモード燃費:25.3km/L<24.3km/L>
タイヤサイズ:155/65R14<165/55R15>
車両価格:149万500円<189万7500円>

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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