7月13日(木)から16日(日)にかけて、イギリスのグッドウッドで開催されている自動車の祭典「フェスティバル・オブ・スピード」。毎年様々なマシンが登場するこのイベントに、今年は『Mr.ビーン』で知られるコメディ俳優のローワン・アトキンソンが参加し、グッドウッドの丘をトヨタ・GRヤリスH2で走った。
その名の通り、このGRヤリスH2は水素燃料で動く水素エンジン車。トヨタはスーパー耐久シリーズを通して水素エンジンの開発を行ない、GRヤリスH2は世界ラリー選手権(WRC)でも走行を実施。水素を電力に変えてモーターを駆動させる燃料電池自動車(FCV)とは異なり、こちらは水素を燃料とする内燃エンジンを搭載しており、モータースポーツに“音”を残す存在として世界中から注目を集めている。
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マクラーレンF1やホンダNSXなどを所有し、カーマニアとしても知られるアトキンソンもこのGRヤリスH2に興味を持ったひとり。TOYOTA GAZOO Racing Europe副会長を務める中嶋一貴をコ・ドライバーに、グッドウッドでヒルクライムを行なった。
走行後インタビューに応じたアトキンソンは、GRヤリスH2について次のように説明した。
「これは水素を動力源とするGRヤリスだ。とっても楽しいよ」
「かなり不思議だけど、これは標準的な1.6リッターの3気筒エンジン積んでいる。エンジンのマネジメントシステムは明らかに変更されているけど、燃料がただ水素なだけなのだ」
「つまり、水素を直接噴射している。燃料セルがあって、直接噴射式の普通の内燃エンジンがある。トヨタは内燃エンジンを維持するため、多くのスポーツカーの目指すべき方向性はこれだと考えている」
「2026年に向けてF1がやろうとしていることと同じだ。彼らは合成燃料を使ったハイブリッドエンジンを使用する。これ(GRヤリスH2)は、水素を燃料として使いながら、内燃エンジンを搭載し続ける別の手段だ」
「ここにはエモーションがある。(F1とGRヤリスH2の)どちらの方法でも、みんなが求めているのはエモーションだ」
実際に通常のGRヤリスを所有してドライブを楽しんでいるというアトキンソン。彼は電気自動車への理解を示しつつも、モータースポーツでのエンジン存続の重要性を強調した。
「ここ(グッドウッド)へ来た理由は、未来の自動車の動力源についてオープンマインドでいるべきだというような考えを支持するためだ」とアトキンソンは言う。
「特にモータースポーツでは、フル電動マシンは洗濯機のような音がするから厄介だし、ある意味難しい。エンジン搭載車ならではのエモーションを残そうとしている人たちが沢山いるのだ」
「いつかはフル電動のレーシングカーに慣れて、みんなが好きになるかもしれない。しかし現時点では、ある種の抵抗があるのは確かだ。どうなるかは分からないね」
アトキンソンは度々F1のパドックに姿を現しており、プリムス・バラクーダなどを駆って自分でもグッドウッドのレースに参戦している。
そんなアトキンソンの隣には今回、ル・マン3連覇の偉業を持つ中嶋一貴が座り、GRヤリスH2のドライブを共に楽しんのだ。
中嶋についてアトキンソンは「彼はこのクルマを運転しようとする私のつたない頑張りに、驚くほど寛容だった」と語った。
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