【MotoGP】先頭を走るなんてここ何年もなかった……ヤマハのクアルタラロ、久々ポールスタートからスプリント2周目で転倒も「最高の1日」

　ヘレス・サーキットで開催されているMotoGPスペインGP予選でヤマハのファビオ・クアルタラロはポールポジションを獲得した。続くスプリントレースではたった2周でクラッシュを喫したが、クアルタラロは「今年最もポジティブな1日だ」と振り返った。

　クアルタラロのポールポジション獲得は、2022年インドネシアGPから実に1134日ぶりのこと。今年のヘレスまでMotoGPチャンピオンであるクアルタラロの顔から笑みがこぼれることはなかった。

　ヤマハ勢はヘレスで走り始めから好調で、クアルタラロは予選Q2で1分35秒610を叩き出し、ランキング首位のマルク・マルケス（ドゥカティ）を上回り3年ぶりのポールポジションを獲得。開幕から続くマルケスの連続ポールを止めた。ここ数年苦戦が続いてきたヤマハにとっても喜ばしいことだ。

「予選アタック1本目のタイムは1分36秒フラットで、もう少し引き出せるとは思っていたけど、まさか次の周で0.4秒も縮められるとは思っていなかったよ」

　クアルタラロはそう予選を振り返った。

「僕が刻んだこの2ラップにはとても満足している。本当に嬉しいし、ポールポジションに戻れたことは精神的にも良かった」

　しかしスプリントレースでクアルタラロは2周目にクラッシュしてしまった。ただ、その転倒がクアルタラロのレースの全てではない。

　スタートでマルケスは抜群の蹴り出しを見せ、クアルタラロを抜いてターン1でトップに立つかと思われた。しかしクアルタラロは意地のブレーキングでポジションをキープ。迫るマルケスを従えてオープニングラップを駆け抜けた。

　その後2周目にクラッシュとなったが、苦しい日々を送ってきたクアルタラロの笑顔を奪うことはなかった。

　マルケスとのバトルについてクアルタラロは、スプリントレース後、次のように語った。

「僕らはタイトル争いをしているわけではないけど、目的もなく走っているわけではない。今回の主な目的は楽しむことだった。オーバーテイク1発の感覚をね」

「ターン1でマルクを抜いてレースをリードして、1周の間、前に誰もいないなんて……僕の中では何年もなかったことだと思う」

　2周目のバックストレートでマルケスがオーバーテイクを仕掛けた時、クアルタラロは別の走行ラインを取ることもできたはずだが、その代わりに少しでも長くバトルを続けることを選んだ。その結果、クアルタラロは路面の汚れたエリアに進んでしまった。

「もちろん表彰台でフィニッシュしたかったけど、何年も先頭に立つことができなかったという感覚は、僕にとって新鮮なモノなんだ」

　クラッシュの後、クアルタラロはそう語った。

「ポジティブな1日だった。今年一番のポジティブな1日だ」

Comments

[那月]

ホンダ党ですが
ヤマハがトップを走る姿を見て
胸熱になりました