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サラブレッドの才能開花! スーパーフォーミュラ第3戦はジュリアーノ・アレジ選手がポールトゥウィン【2021年 第3戦】

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サラブレッドの才能開花! スーパーフォーミュラ第3戦はジュリアーノ・アレジ選手がポールトゥウィン【2021年 第3戦】

2021 SUPER FOMULA Rd.3

2021年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第3戦

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第3戦、オートポリスラウンドは大波乱の展開

GENROQ Web 読者の皆様、こんにちは! レーシングドライバーの三浦愛です。

5月15日(土)~16日(日)、九州はオートポリス(4.674km)で開催された全日本スーパーフォーミュラ選手権第3戦。天候(視界)不良によりスタート直後から大波乱の末、赤旗中断により打ち切りとなったサバイバルレース。見事ポールトゥウィンを果たしたのは・・・なんと!今シーズン参戦2戦目(しかも代役参戦)の#36 Kuo VANTELIN TEAM TOMS ジュリアーノ・アレジ選手でした。

元F1ドライバーのジャン・アレジさんと女優でモデルの後藤久美子さんの息子さんという印象が強い彼ですが、ひとりのレーシングドライバーとしてレースへの向き合い方がとても真摯でまっすぐな好青年というのが私の第一印象でした。そんな彼がルーキーイヤーで初優勝を飾った理由のひとつに「走り込み」が大きく影響するのではないかと感じました。

SFLとのダブルエントリーが勝因につながる

第3戦の舞台オートポリスは、スーパーフォーミュラをはじめ国内の主要レースのほとんどが開催されるサーキットではあるものの、ドライバーにとってレースウィーク以外に走る機会が最も少ないサーキットでもあります。

外国人ドライバーが日本国内のサーキットをレースウィークに初めて走るというのはある意味当たり前でしょう。しかし、日本人でも比較的走行経験が少ないオートポリスで刻々と変化するコンディション(天候)に即座に対応していたのが、スーパーフォーミュラライツ選手権(SFL)とのダブルエントリーでこのレースウィークに最も周回を重ねていたジュリアーノ選手だったかもしれません。

「どの程度の雨量でどこに川が流れるか」「どこまでアクセル全開でいけるのか」「どのラインが有利なのか」・・・マシンの性能に関わらずドライバーにしか判断できない部分で一歩リードしていたことが今回の勝因だったように思います。こうしたチャンスをモノに出来るか出来ないかがドライバーの運命を大きく左右するのでしょう。ジュリアーノ選手のSFLでの初優勝も今後期待したいですね。

雨に翻弄された予選ではクラッシュ続出、ルーキー勢が速さを見せる

さて、ジュリアーノ選手の活躍が際立った第3戦でしたが、今大会は何より天候に翻弄された週末となりました。土曜日の午後に行われた公式予選は天候不良によりノックアウト方式から40分間の計時予選となり、各チーム雨足が弱まるタイミングを見計らいコースインを繰り返すという異例の状況となりました。

時より警報レベルの雨に見舞われ、川や水溜まりに足をすくわれるマシンが多発。4回もの赤旗が出される中、速さを見せていたのが今シーズン初のフル参戦を果たしたルーキー勢です。ジュリアーノ選手のポールポジションを筆頭に、2番手には#37 Kuo VANTELIN TEAM TOMS 宮田莉朋選手が続いてTOMSがフロントローを独占。TOMSのマシンの好調さも伺えました。そして3番手には自己最高位グリッドを獲得した#39 JMS P.MU CERMO・INGING 阪口晴南選手。ルーキー勢が活躍する予選となりました。

とは言え、ベテラン勢も黙ってはいません。4番手には#19 carenex TEAM IMPUL 関口雄飛選手、5番手に#38 JMS P.MU CERMO・INGING 坪井翔選手、6番手に#20 carenex TEAM IMPUL 平川 亮選手が続きました。

スタート直後の1コーナーが運命の分かれ道

気温路温ともに摂氏22度、雨量は少なめながらも時より暴風雨に襲われ、まるで雲の中にいるような景色が広がる決勝日。実は、私が初参戦させていただいたTCRジャパンシリーズの決勝レースも天候不良により延期となってしまいました。幻のポールポジションとなってしまったのが個人的にはとても残念でしたが、ツーリングカーでさえも危険を感じるほど毎周のように変化し続ける天候と路面状況では、さすがに延期の判断は致し方ないのかなと・・・。

気持ちを切り替えスーパーフォーミュラのグリッドへ向かうと、雨足は弱まったもののフォーミュラカーにとっては敵にも味方にもなり得る突風が吹き荒れていました。そんな中フォーメーションラップが開始され、雨量が少なかったこともありスタンディングスタートで決勝レースの幕が切られました。

ドライバーの心理として私は、この状況でのスタンディングスタートはかなりリスクが高いと思っていた直後・・・。1コーナーで上位陣のスピンをきっかけに後続車がアクシデントを避けきれず続々とスピンやコースアウトを喫し大混乱。

大荒れのサバイバルレースを制したのは参戦2戦目のジュリアーノ・アレジ選手

すぐにセーフティカーが導入され順位を確認すると、2番手以降の顔ぶれがガラリと変わり、2位に関口雄飛選手、3位に13番手スタートの#50 B-Max Racing Team 松下信治選手、4位に11番手スタートの#15 RedBull MUGEN Team Goh 大津弘樹選手、5位に9番手スタートの#12 ThreeBond Drago CORSE 塚越広大選手、6位には予選でのクラッシュにより16番手スタートとなった#14 NTT Communications ROOKIE 大嶋和也選手が続きました。

このアクシデントにより坪井 翔選手、平川 亮選手、#18 KCMG Elyse 国本雄資選手は早々にレースを終えてしまいましたが、順位が大変動しリスタートが切られた後もドライバーたちは刻々と変化するコンディションと戦いながら各所で見応えあるバトルを繰り広げてくれました。しかしながら、10周目を経過したところで天候悪化のため再びセーフティカーを導入、赤旗中断で天候の回復を待ちましたが視界不良が続きここでレース打ち切りとなってしまいました。

阪口晴南選手が3番手スタートから2位フィニッシュで嬉しい初表彰台をゲット

結果、優勝はジュリアーノ・アレジ選手、2位には今季初表彰台の松下信治選手、3位には自身初の表彰台を獲得した阪口晴南選手が続き、以下、宮田莉朋選手、野尻智紀選手、大津弘樹選手という順でチェッカーを受けて第3戦は幕を閉じました。その後の正式リザルトは、松下選手がペナルティのため3位に降格、阪口選手が2位となっています。また、今回は規定周回数の75%未満でレース打ち切りのため、上位10台にはハーフポイントが与えられます。

史上初の3連勝が期待された#16 TEAM MUGEN 野尻智紀選手は残念ながら5位に終わりましたが、今大会でもレースベストで2番手タイムをマークし着実にポイントを重ねている彼は、ライバルたちにとってやはり今シーズン最も怖い存在となりそうです。いよいよ折り返しを迎える第4戦、魔物が棲むと言われるスポーツランドSUGOではどんな戦いが見られるでしょうか。

REPORT/三浦 愛(Ai MIURA)

PHOTO/田村 弥(Wataru TAMURA)

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