■どーんと大きな3列SUV。ハイランダーとアセントを比較!
近年の国内市場では、3列シートを有するSUVが徐々に増えつつありますが、非常用と割り切ったような居住性であることから、3列目を使用するユーザーは多くないといいます。
一方の米国では、広い国土や道路事情ということもあり大柄な3列目SUVの需要は高く、各社がラインナップする激戦ジャンルです。
そのなかで、国産メーカーながら日本では発売されていないトヨタ「ハイランダー」とスバル「アセント」という全長5m弱の3列SUVが存在。今回は、ハイランダーとアセントを比較していきます。
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最近の国内SUV市場で注目を集めたのがトヨタ「RAV4」(2019年4月発売)と「ハリアー」(2020年6月発売)の2台です。
実は、ハイランダーは、この2台と同じTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)プラットフォームの「GA-K」を用いたSUVで、兄弟車に当たるモデルとなります。
三兄弟の登場順としては、北米で2018年にRAV4、2019年にハイランダー、そして2020年に日本ではハリアー(北米ではヴェンザ)として展開されました。
なお、初代ハイランダーは、日本で「クルーガー」という車名で2000年に発売されました。2代目ハイランダーは、カムリのプラットフォームをベースに2007年に登場しますが、日本には導入されていません。
代わりに日本では、クルーガーの後継車モデルとして、3代目RAV4をベースにした「ヴァンガード」が2007年に登場。2代目ハイランダーは、北米や中国向けのSUVとなりました。
ハイランダーのボディサイズは、全長4950mm×全幅1930mm×全高1730mmと全長5m近いボディに3列シートを搭載。
パワートレインは、3.5リッターV型6気筒ガソリン、2.5リッター直列4気筒ハイブリッドを搭載しています。
ガソリン車の上級グレードには、RAV4同様に「ダイナミックトルクベクタリングAWD」を採用。先代と比べて、前後のサスペンションをチューニングして俊敏性と旋回性が向上するとともに、スムーズで静かな乗り心地としました。
ハイランダーについて、チーフエンジニアの佐伯禎一氏は次のように話します。
「ハイランダーは、どちらかというと女性が使うことを意識しています。北米では、ハイランダーの使い方として、奥さんが子どもを2列目や3列目に乗せてスクールに送り、自分はそのままオフィスに向かうという事例もあるため、移動の部分にウエイトを振っています」
※ ※ ※
ハイランダー(2020年モデル)の価格は、3万4600ドルから48250ドルとなり日本円で約367万円から約512万円です。
■一方のスバル「アセント」はどんなクルマ?
アセントは、スバルが北米市場でファミリーユーザーに向けて新規開発した3列SUVです。2017年11月に米国ロサンゼルスオートショーで世界初公開されました。
スバル車のラインナップで最大となるボディサイズは、全長4998mm×全幅1930mm×1819mmと、7名・8名乗車いずれの仕様でもゆとりのある室内空間を実現しています。
SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用し高いボディ剛性で乗り心地を向上させ、振動騒音も抑えて快適な移動が可能です。
アセントには、全車標準装備の運転支援システム「アイサイト」、2.4リッター4気筒水平対向直噴ターボエンジンとシンメトリカルAWD、SUVらしい走破性を高めるX-MODEを採用しています。
外観デザインは、歴代スバルで最大のエンブレムを備えた大きなヘキサゴングリルと、それを強調するために細身とされたヘッドライト、ブリスターフェンダーのように張り出した印象を与えるフロントフェンダーなどで、押し出し感を強調しています。
またルーフはボディ後方までフラットに伸びて、キャビンスペースの余裕を感じさせるルックスです。
ロサンゼルスオートショーの際に、商品企画部プロジェクトゼネラルマネージャーの熊谷泰典氏は、次のように話していました。
「英語で“右肩上がり”という意味の車名のアセントは、100%北米の需要に応えるために開発しました。
点数を付けるなら、ちょっと遠慮して95点というところですが、やれることは全てやり尽くしました。販社の人間と日本の開発陣がチームワークで作った自信作です」
なお、アセント(2021年モデル)の価格は、3万2295ドルから4万5445ドルとなり日本円で約346万円から約487万円です。
※ ※ ※
ハイランダーとアセントは、日本市場で販売される見込みは低いですが、3列シートSUVの成功例であるマツダ「CX-8」のように一定数の需要が見込めるため、導入を熱望する声も少なくありません。
輸入ブランドのように限定何台という形でもいいので、日本市場でも販売してほしいものです。
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