100年前からある道を走る
text:Gumi Ogata(小方茱萸)
photo:Takahiro Shicinohe(七戸隆弘)、Junichi Okumura(奥村純一)、Norio Kubota(久保田記生)
2020年のコッパ ディ東京は、関係者の協議に基づき東京都港区の許可を得て開催できる運びとなった。
【画像】第14回コッパ ディ東京 参加した歴史を創り上げたクルマ【現地レポート】 全72枚
ただし感染対策として密を避けるため、昨年までのように130台を超える参加車両が一堂に集まることは避け、11月22日と23日の2日間に分けるれた。両日は独立したイベントとされ、第13回と第14回として開催された。
コッパ ディ東京のルートを100年前の地図に乗せると、ほとんどの道はそのまま重なる。もちろん1920年当時には埋め立て前で、海の上という部分もあるが…。東京の街の姿は変わっても、道は変わらずに長い歴史があることがよく分かる。すべての道はローマに通ずると言われるが、日本の道もすべてに繋がっていて、それは人と共に経済や文化を運ぶ動脈機能を果たしている。20世紀以来、自動車がその重要な役目を担ってきた。
コッパ ディ東京では、東京の歴史的なポイントをいくつか立ち寄る。今戸神社のあたりは、江戸時代よりもっと古くからの歴史があり、大いに栄えた港であったが、その頃の面影のかけらもない。しかし、今もパワースポットとして人気があるのは、何かしら地霊のような威力がその地にはあるのだろう。
神田明神も江戸時代以前の平 将門由縁の神社だ。芝の増上寺と上野の寛永寺は、江戸時代の徳川家の菩提寺。家康が江戸を作る前からの歴史がある江戸城/皇居は、やはり江戸/東京の中心で、その敷地内であった箇所もルートに組み入れた。
神田川の一番下流に架かる柳橋のあたりは、かつては江戸/東京で最も粋なお姉さんたちがいた遊興の地であり、隅田川に架かった橋としては2番目に古い歴史を持つ両国橋は、交通の要所として活気があった。
江戸や明治の道をヒストリックカーが行く
しかしながら、明治はそれまでの江戸を早急に作り変えていった。徳川家康の天下普請の発令で江戸時代に埋め立てられて武家屋敷が並んでいた汐留は、明治5/1872年に日本の最初の鉄道の開通に合わせて接収されて、新橋駅という東京の窓口となった。
大正3/1914年に東京駅ができると、新橋駅の名前は汐留駅となり貨物専用駅として活況を呈した。その機能を時代遅れにしたのは、他ならぬ自動車による運送の発展だ。イタリア街の中心の広場は、まさしくその貨物専用駅の跡地である。
道こそ昔と重なっていても周囲の風景は常に変化していく東京。それでもコッパ ディ東京のルートでは、明治の面影や時には江戸の残り香を感じることもある。そこを100年前や50年前に造られた車たちが駆け抜けていくのが、コッパ ディ東京というヒストリックカーのイベントの醍醐味であるのだろう。
第13回とは違うルートを用意
第14回コッパ ディ東京は感染対策としていつものラリー競技は用意せず、ツーリングのみという内容とされた。ルートの前半は前日に行われた第13回とは違うルートとされた。
恒例となった神田明神と浅草今戸神社と柳橋に立ち寄るルートの後は、始めて架けられたのは17世紀だが、現状は1932(昭和7)年に竣工した両国橋を通って隅田川を渡るまでのセクションは前日と同じである。
隅田川を越えると違うルートとなり、清澄公園の脇を通り勝鬨橋までまっすぐに南下。そこからは21世紀の新しい快速コースで豊洲市場を抜け、有明のガレージ伊太利屋の前を通り、レインボーブリッジを越えてゴールを目指した。
ダットサン・スポーツが参加
今年は感染予防対策として2日間に分けて別のイベントとして開催されたが、コロナ禍の影響でイベントがほとんどキャンセルされたこともあり、参加を熱望していた熱心なエントラントは両日に参加するほどの盛り上がりを見せた。
コッパ ディ東京の参加車両の半分を占めるのがイタリア車で、今回のニューカマーとして注目されたのはフィアット 1100ヴィオッティだ。1950年代はトリノにいくつものカロッツェリアがあり、その頃はまだ顧客の注文にも応じて特別なフィアットが生み出された時代だった。しかし、小規模なカロッツェリアは’60年代には淘汰されてしまったので、今となっては良き時代のイタリアの見事な職人芸を伝えてくれる稀なる存在だ。
日本車では、戦前と戦後の日産を繋ぐ重要なモデルであるダットサン・スポーツや最初にフェアレディと名乗ったSPL212も参加した。珍しいところでは英国の特殊な階級のためのスポーツカーであるブリストル。また有名なれどあまり見る機会が無いスポーツカーとしては、戦後にメルセデス・ベンツの名声を改めて確立した300SLガルウイングや、戦後のアメリカを代表する初代コルベット(しかも元F1レーサーの山本左近がドライバーだ)なども参加した。
そんな珠玉のヒストリックカーたちがコッパ ディ東京のルートを駆け巡る姿は、さながらタイムマシンで東京と自動車の歴史の時空を駆け抜けるかのような光景だった。
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