■衝撃の900万円超え! 奇跡の「プレリュード」とは
2024年6月17日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、ホンダ「プレリュード」が6万ドル(当日レートで約946万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
【画像】超カッコいい! これが「940万円のプレリュード」です! 画像を見る!(83枚)
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回落札されたプレリュードは1978年に登場した2ドアクーペです。
ローアンドワイドで洗練されたエクステリアやスタイリッシュなインテリアを備え、スポーティモデルとはやや異なる「スペシャリティカー」として誕生しました。
初代は国産車初の電動サンルーフを備えたほか、2代目や3代目では先進装備を数多く採用。当時のバブル景気も手伝って、若い男女からの支持を獲得し「デートカー」の代名詞として知られるようになります。
一方で、4代目からは方向性を変更。角が落とされて曲線的なデザインになるとともに3ナンバーサイズへと大型化されます。パワーユニットには2.2リッターの高回転型DOHC「VTEC」を搭載。スポーツカーとしてのキャラクターを獲得しました。
そしてプレリュードとして最後の世代となる5代目は1996年11月に発売。再びスクエアなスタイリングを採用し、走行性能はさらにアップデートされ220馬力の「Type S」も設定。
左右駆動力分配システム「ATTS(アクティブ・トルク・トランスファーシステム)」も採用するなど、さらにスポーティなモデルとなりました。一方でクーペモデルの不況などから、日本においては2001年に販売を終了しています。
そして今回落札された個体は5代目モデルのうち2001年式「Type SH」グレードの5速MT車。北米に正式に輸出された個体であり、左ハンドルですが、装備内容などは日本国内仕様の「SiR」と同等です。
特筆すべき点は23年経過したのにも関わらず、走行距離はわずか4900マイル(約7840キロ)と極めて低走行なことです。
出品者によれば、初代オーナーはペンシルベニア州で登録し、2015年に現在のオハイオ州で登録された2オーナー車で、事故歴や盗難歴などが照会できるCARFAXサービスでは事故・盗難いずれの履歴も残っていない、素性の良い車両のようです。
ボディの状態は23年経過したクルマとしては極めて良好な状態を保っており、新車時の「ナイトホーク ブラック パール」も輝いています。
軽微な石はねによる傷もなく、塗装膜厚計による計測でもほぼ同一の値となっていることから、板金塗装歴もないことがわかります。
ドアヒンジ部やフューエルリッドなど、汚れが溜まりやすい部分も極めて良い状態を保っています。
5代目の特徴である低く構えたボディからは、現代のクルマにはない風格さえ漂っています。
インテリアは、ブラック基調にファブリックのシートを装備。ステアリングやシフトノブ、さらに「ホンダ アコースティック フィードバック システム」のCDデッキと6連奏CDチェンジャーまですべてが純正のままで残っています。
シートは通常、クーペなど背の低いモデルの場合、乗降時にサイドサポート部が擦れることも多く、毛羽立ちや白化などの劣化が起こりますが、そうしたもの一切みられず、フロアマットでさえもふんわりとした触感が残っているように見受けられます。
当然スカッフプレートやドアトリム、インパネなどもツヤが引けた新車のような風合いが残存。ルーフの内張りやリアシェルフなども日焼けやタバコのヤニによる黄化などもみられません。
トランクルームも同様で、荷物の出し入れによる汚れや傷などはなく、カーペットの下には一度も使用していないと思われるスペアタイヤが収納されています。
200馬力を発揮する2.2リッター直列4気筒DOHC VTECの「H22A-4」型ユニットが搭載されるエンジンルームもきれいな状態で、各樹脂パネルやゴムパーツも新品のように黒々としています。
2024年3月の整備では、油脂類の交換、タイミングベルトとウォーターポンプ交換、ベルト交換などが行われ、しっかり整備が行き届いた状態のようです。
しかし、タイヤは新車時に装着されたとみられる2000年製造のブリヂストン「ポテンザRE092」が残っており、状態は良好なものの交換したほうがよさそうです。
新車納車時のデータカードも残されており、ミシガン州ベイシティのホンダ販売店「Thelen Honda」で、2万6540ドルで購入されたことや、選択されたオプションなどの一覧も付属。
キーもすべて揃っており、マスターキー2個、バレットキー1個、学習キー1個、リモートフォブ2 個、アラームシステムフォブ2個があります。
入札は6月10日に2001ドルでスタートし、59件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、6万ドルで落札。
極めて良い状態で低走行な点や5速MT車であること、さらには事故報告もない純正状態であることなどが評価されたのか、新車価格(日本では218万3000円)を超える価格で取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、そのうち人気なのは1980年代から90年代のスポーツカーで、高値で取り引きされています。
特に人気なのは「スープラ」や「GT-R(スカイラインGT-R)」、「NSX」などの“日本仕様車”ですが、北米に正式輸出されたモデルも高騰しています。
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無責任な奴らだなー、自動車をジャーナルするお気楽な方々は。