マツダのキャロルがスズキ アルトのOEMになって、四半世紀以上が経過した。既にキャロルと言えばOEMのイメージが強くついてしまったが、オジサンたちに言わせると、キャロルはマツダの血が色濃く入ったザ・マツダの軽自動車なのである。オートザムブランドの中心車種としても活躍した、マツダの魂の軽自動車「キャロル」を振り返っていこう。
文:佐々木 亘/画像:マツダ
いまではOEMのイメージも強いけど…… マツダ キャロルのデザインめちゃ良かったよね
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クリフカットに軽初の4ドア? 色々スゴかった初代キャロル
軽でセダンって概念。イマでは信じられない!? おしゃれでかわいいキャロル360
キャロルが登場したのは、1962年。今では珍しいセダンタイプの軽自動車だった。
大きな特徴は、クリフカットと言われたボディ形状。ルーフを途中で切り落としたような垂直形状のリアウィンドウになっており、3ボックスになっているのである。
これは、後席の居住性を確保するためのマツダの大きな工夫。ルーフ高が後部まで保たれることにより、ライバルよりも後席での乗員の自由度が高いクルマとなっている。
駆動方式はRRで、フロントに独立したトランクスペースを持っているのもキャロルの特徴だ。全長3mという当時の軽自動車規格の中で、これは立派なモノ。
スペアタイヤと燃料タンクの影響を受けて、お世辞にも広いとは言えないトランクだが、小さな空間にマツダの大きな創意工夫が見て取れる。
さらに、発売翌年には4ドアタイプを追加した。これが軽自動車初の4ドアモデルとなる。こうした新機軸で、キャロルは瞬く間に大ヒット。デビュー年のマツダの軽自動車シェアは、なんと67%にもなったのだ。
一時休止後スズキの協力を経て登場した2代目
1989年登場2代目キャロル。オートザムブランドなだけあって1992年に登場したAZ-1にもキャロルの面影がある
初代キャロルが1970年に幕を下ろすと、約20年の間キャロルは沈黙する。2代目が登場するのは、1989年のことだ。マツダの軽自動車としても、13年ぶりの市場投入となった。
マツダチャネルの中で、カジュアルな小型車や軽自動車中心のブランド立ち上げ、これをオートザムと銘打つ。このオートザムブランドの第一弾として、キャロルが企画されたのだ。
しかし、当時のマツダには軽自動車の開発体制をゼロから構築する力は無かったため、スズキの協力を経て、アルトのプラットフォームとエンジンを供給してもらうことに。
ボディやグレード構成をマツダが独自開発し、生産もマツダ工場で行われたのが、2代目キャロルとなる「オートザムキャロル」だ。
3ドアハッチバックのみの設定だが、一部グレードにはキャンバストップが採用される。ルーフ後端にキャンバストップを折りたたんだ状態が、なんとも可愛らしく、キャロルの人気に火をつけた。
当時の軽自動車としては珍しい乗用車専用モデルであり、リアシートの乗り心地が良いのも特徴の一つ。丸目のヘッドライトや、丸みを帯びたボディシルエットは女性に刺さり、マツダの軽自動車を復活させるきっかけを作ったクルマになった。
マツダのボディはデザインと実用性を兼ね備える
3代目キャロルは良いところはそのままにさらに進化したデザインとなった
3代目キャロルも先代同様、スズキからエンジンやプラットフォームの供給を受け、マツダ製ボディを載せた軽自動車である。「ほぼOEMでは?」という声も聞こえてきそうだが、当時のアルトやセルボとは一味違う、マツダ製ボディの魔法がキャロルにはあった。
販売ターゲットは先代の女性から、男性も交えたセカンドカー需要の取り込みへと変わり、ボディデザインも先代の雰囲気を残しつつもボクシーに進化する。見丸みを作りながらも、角張った踏ん張り感の強いボディデザインとなった。
ウィンドウエリアは広く、ボディ四隅の分かりやすいデザインは取り回し性能にも優れる。小さなボディだが、室内は意外と開放感が大きく、大人4名が余裕で乗れる空間を作り出していたのだ。
初代の特徴的なデザインや軽自動車初の4ドア採用、初代から続く後席でも不快感が少ない軽自動車を作り上げる努力は、マツダのお家芸と言えるかもしれない。
現在はアルトのバッジ違い車になってしまったキャロルだが、今のマツダが本気でキャロルを作り上げたらどのようになるのだろうか。
ホンダのNシリーズにも負けない軽自動車が生まれる予感がするのは、筆者だけではないだろう。令和のうちに「マツダ製」のキャロルが、是非とも復活してほしいものだ。
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AZ-1も同じでオーディオ交換の際にもスズキ用ではなくマツダ用のハーネスが必要だった。