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R35型がついにファイナル──2025年モデルのGT-Rを発表

掲載 更新 5

 

デザイン重視のSUVが増えている昨今だが、日産エクストレイルは「SUVとしての力強い走りや実用性」と「上質さや快適性」という一見相反する価値を高次元で融合させることを目指したという。モータージャーナリスト島下泰久さんと、インテリアスタイリスト窪川勝哉さん。クルマのプロとデザインのプロの2人が、マイナーチェンジを受けたエクストレイルの真価を確かめるべく、箱根へとショートトリップを繰り広げた。

 

Direction & Text by YAMAGUCHI Koichi|Photographs by TAKAYANAGI Ken|Movie by KOBAYASHI Yasuhisa







タフギアからの進化 

カーディナルレッドに輝くエクストレイルを前に、島下さんと窪川さんが顔を合わせる。箱根へと走らせる日の朝のことだ。

 

 

「エクストレイルというと、若い頃、スノーボードで雪山に行くときによく見かけた記憶があります」。窪川さんにとって、エクストレイルは20代、30代の記憶と結びついている。当時のエクストレイルは現行モデルにも息づく「タフギア」というコンセプトを全面に押し出し、道具感を強調した武骨なSUVだった。

 





「歴代はタフなギアという印象が強かったのですが、先日のマイナーチェンジで登場した最新モデルは、上質感や情緒といった部分が、より強調されている印象です。アウトドア用のギアも今、同じように機能性だけでなく、所有する満足感、モノとしてのクオリティといった部分が求められるようになっていますよね。エクストレイルのデザインも、まさにそうしたトレンドをうまく掴んでいるように思います」と島下さん。従来の本格的な走破性はそのままに、新たな価値が加わったという。

 

窪川さんは、このカーディナルレッドに目を奪われたようだ。「素敵なボディカラーですね。赤というと一般的にアクティブなイメージですが、エクストレイルのカーディナルレッドは深みがあって、シックな印象も受けます。落ち着いたブラウンのインテリアとも、とても相性がいいですね」

 

実は今、軽井沢の森の中にセカンドハウスを建てているところだという。インテリアスタイリストの窪川さんにとって、色彩は重要な要素だ。「都市は基本的に色彩がグレースケールで構成されているので、このレッドは街中で目にするといい意味で刺激的で、ハッと目をひかれます。一方で、グリーンと赤は補色の関係。軽井沢の森の中でも映える色ですね」

 

繊細さの中に宿るタフネス 

マイナーチェンジで大きく変わったのが、フロントマスクだ。横桟調のフロントグリルは、存在感がありながらも洗練されている。前後バンパー下部やボディサイド、そしてホイールアーチに施されたグロスブラックペイントとサテン調シルバーのアクセントが、タフさとエレガンスを同時に演出する。19インチの幾何学的なホイールも印象的だ。

 

「フロントグリルの意匠が、とても細やかですね」

 





窪川さんの言葉に、島下さんが応じる。

 

「日産は今、『タイムレス・ジャパニーズ・フューチャリズム』というキーワードでデザインを展開しています。グリル、ホイール、そして伝統的な切り子をイメージさせるテールランプなど、すべてにその思想が反映されています。モチーフは「和」なんですが、ストレートに日本を表現するのではなく、そこに息づくタイムレスな要素を、スピード感をもった表現で落とし込むということですよね。日本で生まれ、しかしグローバルなブランドであることを控えめに、しかし力強く主張したこの考え方は、とかく重厚感や威圧感といった表現に走りがちな自動車メーカーのデザインの中では他に類を見ない、異色のものだと思います。タフさと繊細さの同居、両立って普通に考えたら、決して簡単じゃない。エクストレイルでそれができているのは、まさに根本にそうした考え方があるからではないでしょうか。タイムレスと謳うだけに、時間を経ても古びた感じにならない、というのも自分が所有することを考えると嬉しいポイントかなという気がします」

 





「パッと見はタフな印象ですが、近づくほどに、ディテールに施された精緻な意匠が美しいですね。窪川さんの言葉は、プロダクトデザインを見る専門家ならではの視点を感じさせる。

 

「名作と言われているような家具は、フォルムが奇麗なだけではなく、近くに寄るとパーツのジョイント部分などディテールも非常に美しい。いい家具であればあるほど、その傾向が強いんです。例えば、名作家具を多数手掛けてきたデンマーク人デザイナー、フィン・ユールの最高傑作といわれるチーフテンチェア。僕はこの椅子が大好きなのですが、背もたれやアームの有機的な曲面、骨格となる木材の繊細な造形など、ディテールもまるで彫刻のように優美です。エクストレイルのデザインも、全体像と細部、両方で楽しめるという意味では同様だと思います」

 

 

車内に乗り込むと、外観と同様の洗練性が室内にも宿っていた。ナッパレザーの新色ブラウンシートと木目調フィニッシャー、そしてジャパニーズモダンを感じさせる内装が、落ち着いた空間を創出している。

 





「室内空間すべてが上質なマテリアルで構成されていて、妥協の痕跡が見当たりません。上品な柾目の木目やブラウンの色味など全体的に落ち着いた印象で、和のエッセンスを取り入れた、東京のラグジュアリーホテルのような雰囲気ですね」。デザインのスペシャリストである窪川さんにとって、クルマは単なる移動手段ではない。ボディの複雑な面構成から繊細なデザインディテール、そしてインテリア各所の意匠からマテリアルのセレクトまで、プロダクトデザインの集大成として、クルマを捉えているのだ。

 





シートのステッチも、窪川さんの目に留まった。「とても丁寧な仕上げですね。ステッチを施すことによってレザー表面が立体的になるので、陰影による表情が生まれるのが印象的ですし、実際に座り心地も良い。意匠としてだけでなく、座った時の感触まで考えられたディテールだと感じます」

 

「マテリアルの質感には、特に目が行きます。このナッパレザーは、クルマの内装に求められる耐久性を担保しながら、高級ソファのようになめらかな手触りや深みのある色味を実現しているのが素晴らしい」 。インテリアのスペシャリストとしての窪川さんの評価が、エクストレイルの室内空間の上質さを物語っている。

街中で感じる、滑らかさ 

島下さんがステアリングを握り、箱根ターンパイクを目指す。首都高速に乗るまでの道すがら、信号でのストップ&ゴーを繰り返す。

 

 

「加速も減速も、とてもスムーズですね」と窪川さん。エクストレイルの心臓ともいえるe-POWERは、エンジンを発電機として使い、その電力でモーターを駆動する。エンジンは効率の良い回転域で静かに作動し、電気モーターは低回転域から強力なトルクを発揮する。アクセルを踏んだ瞬間から力強く加速するのに、エンジン音を感じさせない。

 





「この滑らかさは、エクストレイルのe-4ORCEによるものなんです。前後2つのモーターで4輪を緻密にコントロールして、ピッチングを抑えているんですよ」と島下さん。ピッチングとは、加速や減速時に車体が前後に傾く現象のこと。これを抑制することで、乗員の頭が前後に揺られることなく、快適性が大きく向上する。「だから、クルマに無駄な動きがなく、助手席でも心地いいんですね」と窪川さんが微笑む。

 

 

静寂が生む、上質な時間 

首都高速から東名高速に至るとクルマの流れが徐々に速まるが、速度が高まっても車内は相変わらず静寂が保たれている。

 

「とても静かですね。普段、僕はクルマではあまりオーディオを使わないのですが、これだけ静かだと音楽を楽しみたくなります。試しに流してみましょうか」と窪川さん。TEI TOWAの作品を流すと、BOSE Premium Sound Systemが車内をプレミアムな音響空間に変えた。

 



 

「普段は気づかなかった微細なニュアンスまで聴き取れます。このオーディオがあれば、移動時間がより充実した時間になりますね」

 

「音楽を聴きながら、会話しながら、疲れずに移動できる。こういうクルマは、遠くへ行きたくなりますね」と島下さん。長距離ドライブでは、この静寂性が快適性に直結するという。

 

 

マイナーチェンジしたX-TRAILの詳細はこちら



ワインディングで知る、真の実力





ワインディングで知る、真の実力 

箱根ターンパイクに到着すると、島下さんにそう促されて、窪川さんはエクストレイルのドライバーズシートに収まった。e-4ORCEを搭載したエクストレイルで、ワインディングロードを走るのは初めてだ。

 

 

「本当にスムーズですね。いま比較的急な坂道を上っていますが、登坂している感覚すらないですね」。窪川さんの驚きには理由がある。モーターは低回転域から強いトルクを発揮するため、斜度がきつい登りが続くターンパイクでも、エクストレイルは力強く、そして静かに駆け上がっていく。

 

 

「力があって、エンジン音もうなりません。クルマが涼しい顔をして走っているようで、これには新鮮な喜びがありますね」と島下さん。これまで数え切れないほど多くのクルマを試乗してきた島下さんにとっても、この滑らかさと静かさは印象的だったという。

 

 

島下さんに促され、窪川さんはドライブモードセレクターをひねり、スポーツモードに切り替えた。「今までも十分だと思っていたのですが、さらに滑らかで、力強さも増しましたね」。「ぜひ、一度アクセルを抜いて、再び踏み込んでみてください」という島下さんの言葉に従うと、トルクがすぐに立ち上がる感覚に窪川さんは驚く。電気モーターならではのアクセルレスポンスの速さゆえだ。

 

 

「街中でお話ししたように、4つのタイヤを緻密に制御することで、ドライバーがステアリングを切るだけで、クルマが駆動力を最適に配分してくれるんです」と島下さん。だから、流れるようなコーナリングが実現する。「あまりにもスムーズに走れるので運転がうまくなったような気がしますが、見えないところでクルマが自分の操作をサポートしてくれているんですね」と窪川さんは顔をほころばせる。

 

「過度にサポートを主張するのではなく、黒子に徹して気持ちいい運転をさせてくれるのがe-4ORCEの特徴なんです」と島下さんが応える。

 

 

この技術の恩恵が得られるのは、晴天のワインディングだけではない。「雨や積雪路のように路面が滑りやすく走行条件が悪いときこそ、e-4ORCEの恩恵を感じます。電気モーターは応答が速く、コンマ何秒という単位で緻密に制御する。だから、天候が急に変わったとしても、ドライバーの心は平穏のままで思い通りに走れる。それが安心感につながるんです」

 

島下さんのこの言葉こそが、エクストレイルの魅力の本質を捉えているのかもしれない。

 

 

窪川さんにとって、スキーやスノーボードは今も続けている趣味だ。「エクストレイルなら、雪道でも安心して山道に行けますね」。かつてスキー場の駐車場で見かけたエクストレイルは、今も変わらず信頼できる相棒として進化を続けている。

 

「e-Pedal Stepも試してみませんか?」という島下さんの提案で、窪川さんはe-Pedalのボタンを押した。アクセルペダルの操作だけで加減速を可能にするe-Pedal Stepの運転のしやすさに、窪川さんは感心する。「ターンパイクのようなワインディングロードでもブレーキをほとんど踏んでいません。ペダルを踏み換える頻度が低いからとても楽ですね。制御が巧みゆえ、前後Gが急激に立ち上がることなく、あらゆる挙動がまったく違和感なく繋がる。助手席や後席でも快適なのは、e-4ORCEによる緻密な車両制御によるものだ。

豊かさをもたらす実用性 

ターンパイクのビュースポットである大観山で小休止をとる2人。東に相模湾、北西に富士山を一望できる絶景を楽しんだ後、窪川さんは思い出したようにこう言った。

 

「仕事柄、旅先などで出合ったインテリアアイテムを持ち帰ることが多いので、荷室容量も気になります」

 

 

そう言って、窪川さんはエクストレイルのリアゲートを開けた。エクストレイルには、足をかざすだけでリアゲートをオープンできるハンズフリーバックドアが備わるから、荷物で両手がふさがっているような状況でも難儀することはない。また、575リッターの広大な空間は、9.5インチのゴルフバッグを4個まで収納可能。AC電源も装備され、アウトドアで電気機器が使用できる。

※2列シート車、セカンドシート標準時。ラゲッジアンダースペースを含む容量となります。ウエストラインまでのラゲッジルーム容量(VDA方式)。

※ゴルフバッグの形状・大きさにより収納できない場合がございます。

 

「小さな家具なら運べそうです。一点物の椅子とか、気に入った焼き物を見つけた時も助かりますね」

 

 

島下さんも同感だとうなづく。「僕は自然の中で自転車に乗る趣味があるのですが、年に何度も行くわけではない。ただ、行きたくなったらいつでもクルマに自転車を積んで、走りに行ける。その可能性を持っているだけで、心が豊かになります」

タフさと洗練性が叶える、シームレスな日常 

帰路、一日の体験を振り返りながら、2人はエクストレイルの魅力を語り合う。

 

「エクストレイルらしいタフさを残しながらも、デザインが洗練されているから、ジャケットを着て高級ホテルに乗り付けることもできるSUVですね」と島下さん。かつてSUVはレジャー専用というイメージが強かったが、エクストレイルはタフさと洗練性を兼ね備えることで、その境界を曖昧にした。

 





「普段はラフに乗り、必要な時は洗車してフォーマルな場にも行ける。その使い分けができるのが魅力なんですね」と窪川さん。この柔軟性こそが、エクストレイルを選ぶ理由になるという。

 

「天候やロケーションに左右されず、どこにでも行ける。その安心感もいいですね」と窪川さんは続ける。軽井沢のセカンドハウスへの道のりも、雪の日や悪天候の日に心強い相棒となる。

 

 

タフさと洗練性。力強い走りと上質な快適性。相反する要素を高次元で両立させることで、エクストレイルは都市での日常使いから、週末の冒険まで、一台で完結させることができる。それは、本格SUVとして積み重ねてきた歴史と、マイナーチェンジで磨きをかけた上質さが融合したからこそ実現した価値である。2人が一日かけて体感したのは、そんなエクストレイルの懐の深さだった。

 

Nissan X-TRAILl G e-4ORCE 

全長×全幅×全高|4,690×1,840×1,720mm

ホイールベース|2,705mm

駆動方式|4WD

車重|1,880kg

乗車定員|5名

ボディカラー|カーディナルレッド

内装色|ブラウン

オプション|

ルーフレール+パノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付)

アダプティブLEDヘッドライトシステム(オートレベライザー付)

BOSE Premium Sound System (9スピーカー) 

ナッパレザー(抗菌仕様)

235/55R19 101Vタイヤ&19インチアルミホイール、

クリアビューパッケージ(リヤLEDフォグランプ〈運転席側〉)

サスペンション前|マクファーソン・ストラット

サスペンション後|マルチリンク[芳古2] 

エンジン|1,497cc 直列3気筒DOHCターボ

最高出力|106kW(144PS)/4400―5000rpm

最大トルク|250N・m(25.5kgf・m) /2400―4000rpm

モーター(フロント)| BM46 交流同期電動機

最高出力|150kW(204PS)/4501―7422rpm

最大トルク|330N・m(33.7kgf・m)/0―3505rpm

動力用主電池|リチウムイオン電池

モーター(リア)|MM48 交流同期電動機

最高出力|100kW(136PS)/4897―9504rpm

最大トルク|195N・m(19.9kgf・m)/0―4897rpm

動力用主電池|リチウムイオン電池

ブレーキ前後|ディスク式

タイヤ前後|235/55R19 101V

メーカー希望小売価格|494万6700円(消費税込)

 

















 

島下泰久/Yasuhisa Shimashita

1972年生まれ。国際派モータージャーナリストとして年間十数回の海外取材を敢行し、試乗台数は年間延べ200台近くにも及ぶ。雑誌、webなど幅広いメディアへ寄稿するほか、YouTubeチャンネル「RIDE NOW」を主宰。2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、著書に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)、『クルマの未来で日本はどう戦うのか?』(星海社)などがある。

 

 

窪川勝哉/Katsuya Kubokawa

インテリアスタイリスト&プロップスタイリスト。クルマや家電、ステーショナリーなどプロダクト全般に造詣が深い。2002年独立し、小道具や撮影背景のスタイリングを担う、インテリア&プロップスタイリストとしてテレビ番組などのインテリアコーナーや、雑誌のインテリアページのスタイリングを手掛ける。ウインドウディスプレイや マンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手掛ける。

 

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日産エクストレイル、マイナーチェンジでバリエーションが拡充







問い合わせ先

日産お客さま相談室
Tel.0120-315-232(9:00-17:00、12/31-1/2を除く)







 

文:OPENERS 山口幸一
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